資産運用のプロが教えるお金の話

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資産承継を考える
2007.02(第4回)
 前回、不動産の価格についてその価格には様々な種類がある点、そして結果としてその不動産価格が現在どのようなトレンドなのか、そしてそのトレンドを人口問題という点から考えてみました。ではそうした問題をふまえつつ、さらに細部に触れる前に、一度『資産承継』についてお話をさせていただきたいと思います。
 
 皆さま、昔夏休みの宿題はどうされていたでしょうか? 唐突の質問ですが、これはその人の計画性を推しはかる質問なんです。解答を申し上げますと、宿題をギリギリまで放置されていた人ほど、将来資産が散財するそうです。皆さまはもちろん宿題を早めに片付けて、計画性のある夏休みを過ごされてきたとお察しいたします。ですがご子息たちはいかがですか? きちんと計画性をもたれ、宿題をされていましたでしょうか?? 
 ちょっと考えていただけますでしょうか。
 資産について、その承継にはきちんとした計画が不可欠であることはいうまでもありません。せっかく親御さまが、ご子息のためにきちんと資産を守られても、それを受け継ぐご子息の方に計画性がなければ、それはやはり散財してしまうということです。
 ご自身で築き上げた資産を子々孫々へと残してゆきたいと感じるのは、ごくごく自然な感情だと思います。資産家の皆さまは資産対策を立案、実行します。しかしある米国の統計によると、資産家の65%は第2世代で資産をなくし、資産家の90%が第3代目でその富を使い果たしてしまうという興味深い数字があります、さらに驚くことに、同様の統計が英国でも、オーストラリアでもでているとのことです。ということは資産が2代、3代ともたないのは、受け継ぐ側にも問題があるのではと思います。上手に承継プランをたてて次世代にお金を残す人も必ずしも成功しないようです。これも米国の統計からですが、富裕層の46%は、成人して独立した子孫や孫に、毎年少なくても1万5,000ドルを与えているという継承プランの実施率がありますが、他方で、こうした金銭援助を受けた人のほうが、蓄財産が少ないという以外な結果もでています。つまり資産承継がうまく行われていないという統計です。なぜ富の承継がうまくいかないのでしょうか。
 これは資産家の方々が画策を施し、最良の結果をもたらす(はずの)承継プランを実行しても、継承される側に金銭的感覚がなければ、資産は消滅するという事実の象徴といわざるを得ません。いくらお金が物理的に承継されたとしても、受け取り手に健全な金銭感覚を育ませない限り、お金を扱う術を教えない限り、資産は消滅する運命にあるようです。資産というと物的資産に目が行きがちですが、その物的資産は持主次第であるといえます。つまり資産承継は『物的承継』同様『人的承継』をいかにするかが重要なポイントといえるのです。
 もしこれから資産承継をお考えになられる方がいらっしゃいましたら、まずは人的資産承継を最優先にお考えになられることをお勧めいたします。

文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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