資産運用のプロが教えるお金の話

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投資信託を考える 〜資産残高と国民資産〜
2007.04(第6回)
 前回はお話の中で、投資について取り上げ、個人の投資と投資を業としている方の投資、そしてそのしくみについてお話をさせていただきました。今回はその傾向と規模についてふれてみたいと思います。

 前回の復唱になりますが、現在、投資対象としての法人、つまり上場企業とは4,000社ほどと言われています。投資信託とは、投資を業とする法人、個人が投資家から資金を集め、同時に、企業分析を行い、投資価値のある会社に投資をするという仕組みで、投資信託協会によると2007年2月末現在投資信託の数は2,788本。
 各投資信託ごとに方針が決められており、例えば大企業中心に投資するもの、配当金の高い企業中心に投資するもの、成長性が高い企業中心に投資するものなど、その形態はさまざまです。一方投資家保護の観点から、各投資信託ごとに、投資企業や成績、リスク、方針等の情報は大変細かくディスクローズされており、私達は、自分の目的やリスクの許容範囲に沿った投資信託を選択することが可能です。
 目的とは、株式投資同様、購入した投資信託の値上がりにより、投資金額以上のリターンを得ること、リスクの許容範囲とは、その個人に帰属する条件により様々ですが、年齢、収入、家族、その他さまざまな要因により、とれるリスクは異なります。最近のマスコミ報道でもご承知のとおり、郵便局、銀行による投資信託の窓口での販売が解禁となり、それも追い風となり現在この投資信託の純資産残高は上昇基調にあります。
 『貯蓄から投資へ』という国是のとおり、国民資産は確実に投資市場へと流入しております。具体的数字を申し上げますと、1996年末48兆6,680億円であった投資信託の純資産残額は、2007年2月末には72兆4095億円まで増加し、この10年で約25兆円弱増加しているのです。
 さらに分析をしていくと興味深いことに、この25兆円の増加は、実質この3年間ほどの間での増加であるという事実です。特に2006年の一年間に約13兆円増加しております、いいかえれば投資とりわけ投資信託が急に私達に身近になったといえると思います。そしてもう一点加筆するならば、投資信託純資産残高は増加している一方で、投資信託の数は減少しているという事実です、冒頭2,788本と申し上げましたが、同じ1996年にはその数は5,879本あったと統計に記されております。二極化という言葉を最近よく耳にしますが、投資信託においても同様であると思います。

 ではなぜ、国民資産は大きく投資にシフトしたのでしょうか?
 要因はさまざまですが、長引く低金利時代、銀行に預けていても利子がつかない。人口減による将来への不安、年金は果たして本当にもらえるのだろうか。等々さまざまな要因があったかと思います。こういった時代背景のなかで、ただ受動的に貯めるだけでなく、積極的にリスクをとって殖やすという行為の必要性が国民の間に芽生えた結果であると考えます。
 ただしこれは日本に限ったことではありません。日銀の統計によれば、米国民の個人金融資産に占める投資信託の割合は、10%を超えております、独国も同様、英国で5%です。対して日本では1400兆円といわれる金融資産に占める投資信託の割合は2%という統計が出されています。これに対して、預貯金の占める割合は50%を超えています。欧米諸国においては、金融資産に対する預貯金の割合は少なく、米国で10%前後、英国で20%、独国で30%程度です。日本のように50%を越えるような数字は出てきません。 
 ただし今後日本においても、現在国家が投資を奨めていることに考えれば、投資信託の割合は増加する傾向にあると思われます。

文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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