資産運用のプロが教えるお金の話

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『不動産市場』を考える
2007.07(第9回)

 前回は投資の対象や投資行動をする動機、そして資産3分割というポートフォリオ(※)について言及させていただきました。
 このコーナーの4回目以降、金融資産に関するお話を続けてきましたので、資産ポートフォリオの中でも大きなウエイトを占める『不動産資産』についてお話してゆきたいと思います。それは現段階で言えることとして、資産運用の最大のポイントはリスク分散、つまり多様な運用対象に資産を分配することだと考えるからです。
 金融資産だけでもなく不動産だけでもない、バランスのとれた資産を保有することが資産運用の成功への近道と考えているからです。

 そこでまず、不動産の資産価値について少し考えてみたいと思います。
 バブル崩壊以降、地価が長期的に下げ続けたことはご承知のとおりです。したがって不動産の資産価値はバブル期と比較し相当目減りしていることは事実です。しかし昨今では、地価は大都市圏など一部の地域では下げ止まり、上昇に転じていますが、全国平均で見ると依然下げ止まっていません。そして当然、今後の不動産運用の継続については、不動産市場の将来的な動向を視野に入れなければなりません。そのためにまず、不動産市場の現状を認識しておく必要があります。
 従来まで、つまりバブル崩壊以降は前述のとおり、都市も地方もなく地価が下がり続けましたが、ここ2、3年では大都市圏では下げ止まり、そして一部反転という動きと、地方圏に見受けられる依然として地価が下げ止まらない動きの2つがあります。つまり、地価の二極化が急速に進んでいるといえます。

 一部の東京の都心部においては、バブル再来といわれるほど地価が高騰している地域があります。地価が高騰するということは、高値でその不動産が取引されているという事実があるということです。
 ではその取引の参加者はだれなのでしょうか?? 一般の個人の方でしょうか?? 
 そうではありません。その主役は、不動産ファンドマネーと呼ばれる投資資金や海外のブランド品メーカー、また大手マンションディベロッパーらです。これらの参加者がこの土地の高騰を作り出している一因といわれています。
 また、東京圏だけでなく名古屋圏、大阪圏でも地価が高騰している地域が増えているという報道がありました。
 これは事実です。また東京・銀座では、年間二桁で資産価値が上昇している地域もあります。
 しかし、実際に自分の土地が値上がり始めたという話を私はあまり耳にしていません。つまり地価が上昇している地域は住宅地、商業地ともに数パーセントに過ぎないということです。大多数を占める不動産資産はまだ下げ止まっていないというのが事実といえます。一部の報道に惑わされ、地価が反転し始めたと考えるのはいささか早合点でしょう。

 格差社会という言葉をよく耳にしますが、土地という資産の格差も急速に拡大しています。このように資産格差が急速に拡大している不動産市場です。いかに慎重に対応しなければならないかお解りいただけたと思います。
 当然のことですが、不動産市況は人の動きに連動しています。人口が増加・流入すると新規の需要が期待できますが、日本はすでに人口減少時代に突入しているだけに、不動産市場全体は今後の継続的な拡大は期待しにくい状況にあるといわざるを得ません。そういった状況下、いかに有益な不動産を見出せるかが今後のポイントとなってきます。次回はそのあたりに触れてみたいと思います。

(※)ポートフォリオ・・・経済主体(企業・個人)が所有する各種の金融資産の組み合わせ

文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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