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不動産投資市場を考える
2007.09(第11回)

  前回、国税庁発表の路線価についてお話しさせていただきました、新聞各紙には2極化という言葉が多く見られ、皆様も関連記事をご覧になったのではないかと思います。
 つまり、不動産は、地価が反転したものと、下がり続けているものとに大きく2分されてきているという事実です。万一ご自身の不動産が後者の部類に該当していたら・・・、打開策を練る必要があります。それも早急にです。

 今回は前回も少し触れましたが、この地価を押し上げているファンドマネーについて考えてみたいと思います。
 現在、国内の不動産投資信託(J−REIT)の時価総額は約7兆円、私募ファンドが約8兆円とされています。つまりこれは実需で不動産を購入しているのではなく、投資目的として不動産に投資している金額がなんと約15兆円ほどあるということです。実際にはもっとあるでしょうが、巨額なマネーが存在し、日本の不動産投資市場に国内外の投資マネーが流入しているということです。
 これに加え、各企業における事業戦略においても、昨今導入された国際会計基準や、三角合併解禁に代表されるM&Aに備え、より効果的な不動産戦略は重要になってきています。各企業においては、バランスシート改善のために所有不動産を売却、証券化する方向へシフトしはじめています。このあたりにこの不動産市場のめざましい成長のポイントがあったのではないかと考えています。また日本の不動産市場の急成長には、これ以外にも様々な要因があったと考えられます。あくまで私見になりますが、大きく3点あると考えます。 

 まずはバブル崩壊。バブル経済の影響を受けた各金融機関は融資過剰となった不良債権処理問題の過程において大量の不動産を処分、これにより安価な不動産が市場に流入したことです。これは不動産市場形成において大きな要因だと考えられます
 次に低金利。一般国民においてもそうですが、銀行預金はほとんど利子がつかない時代が続きました。貯金国家であった国民はそれでも貯金をしていたかもしれません。話は少し変わりますが、現在国是にもなっているように『貯蓄』から『投資』へと言われ始めていますが、これも最近の話です。統計からも明白なとおり、日本人は貯金国民であることは言うまでもありません。
 ただ国民とは違い、投資リターンを求める投資家にとっては話が変わります。低金利の時代に、投資リターンが預金よりも高い不動産が市場に流入することで、不動産市場に投資家を呼び込んだことも市場形成の重要な要因と考えます。これにより金融市場に携わってきた人々が不動産市場で活躍を開始し、不動産の証券化が生まれたのです。
 さらに拍車をかけたのが、国外マネーの流入です。不動産の証券化市場が熟成されるにつれ、国外の投資家がようやく日本の不動産投資市場に参加することになったことは、非常に重要です。特に国外の投資家にとって日本不動産への投資の最大の問題は流動性です。不動産の証券化により日本の不動産の流動性が高まったことで、国外投資家が日本の不動産市場に投資を始めたのです。
 以上のように、金融機関をはじめとする各企業が不動産を提供し、その市場に金融市場関係者が集まり不動産を証券化、そこに国外マネーが流入。こうして不動産市場は巨大なマーケットへと成長しました。これからも目が離せないマーケットなのです。

文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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