資産運用のプロが教えるお金の話
このページは、資産運用に関するコンサルティングのプロ会社・(株)船井財産コンサルタンツがお届けする、お金に関するコラムページです。皆さまに役立つ、読んで納得の耳寄り情報をお届けします。
『値上がり』を考える
2007.11(第13回)
このコラムへの掲載も今回で2年目を迎えることができました。ありがとうございました。
さて、今まで投資や不動産についてお話をさせていただきましたが、今後は時事の話題も随時とりいれながら『お金』に関するお話をさせていただきたく思います。まわりの事象にも気を配りながら、『お金』について考えていきたいと思います。
『お金』に関して、今一番興味がひかれるのは、最近のニュースで様々な角度から取り上げられている『価格の値上げ』です。身近な『値上げ』は私たちの生活に直接的に影響を及ぼしてきます。主な要因は原料となる小麦や大豆の急騰、原油高による梱包フィルム等の上昇や輸送コストの上昇など、コストアップの要因が集中しているのが考えられます。
ただ、まだその影響は如実には表面化していないと感じます、なぜでしょうか?? 企業が利益を度外視し、消費者のために利益を削って商品を提供しているのでしょうか?? いやそうではない。もちろんそれも一部あると思いますが、すでに一部では内容量を10%カットするなどの処置が施されています。つまり価格は変化していなくても中身が変わっているのです!皆さまお気づきでしょうか??
このような状況の中、私たちが最も触れやすい話題はやはりガソリン価格の上昇でしょうか。巷では1リットル150円を越えるともいわれ、各報道ではニューヨークでは先物相場で1バレル96ドル!!最高値更新などと報道されております。原油が上がるとどうなるか、何も自動車に乗るのが割高になるだけではありません。流通システムにかかる全ての輸送コストが上昇するのです。例えばひときわ価格が上昇しているのがマグロです。言うまでもなく、漁船の燃料価格が卸価格に転換されているのです。つまり共通して言えることは資源価格の高騰です。いまは企業のコスト削減等でまだ表面化していない部分もあると先に述べましたが、徐々に私たちの生活に影響を及ぼすことになると思います。
昨年の話になりますが、2006年3月、日本銀行は量的緩和政策の解除を決定し、その後約6年ぶりとなる利上げに踏み切ったという経済ニュースはまだ記憶に新しいでしょう。この政策の解除条件の一つに、消費者物価指数(CPI)という指数があります。これはある基準となる年の価格と比べて物価がどのくらい変動したのかを示す指数です。日銀は量的緩和政策の解除根拠として、消費者物価指数が4ヶ月連続0%以上になったとしていました。要するに、景気が回復すれば、消費が増え物価は上がるという根拠に基づけば、この政策解除の理由は、景気が回復しつつあるからとも読み取れます。しかしこのデータを見る限り、消費者物価指数(生鮮商品を除く総合)は平成19年の7月、8月、9月はすべて前年比−0.1%であり、減少しているのです。すなわち物価が上がり、景気が減退していることになります。
何が言いたいのかといえば、物価は上がっているのに、指数は上がっていないという事実なのです。これをどうとらえるか、答えは簡単です。消費が増えていないのです。前述のとおり、資源価格が上昇しています。景気回復と報道されていますが、実際の状況は数字を見れば明らかなのです。資源価格の上昇は事実です。これに呼応し、物価は上昇しています。しかし、それは消費を伴った上昇ではないのです。各企業はこういった資源価格の上昇に対し、工夫やコスト削減という代償を払いその利益を確保しています。最終的にその影響を被るのは一番弱い私たち消費者であります。
ちなみに東京地区では11月に10年ぶりにタクシーの初乗り料金も賃上げされることになります。これは資源価格の上昇とは因果関係はないと思いますが・・・。
私たちを取り巻く環境は刻一刻と変化しております、こういった変化に敏感に耳を傾けることが重要だと思います。
文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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