資産運用のプロが教えるお金の話

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『国』のお金を考える
2008.02(第16回)

 2008年、日本の株式市場の幕開けは非常に厳しいものとなりました。昨年より世界各地に大きな影響をもたらした米国を発信源とする『サブプライム問題』。まさに日本を直撃した幕開けでした、日経平均株価は昨年末比2,000円以上値下がり、各テレビ局のニュース番組では必ず一日一度は取り上げられていたこの問題。以前この話題には一度言及いたしましたが、この問題を通じて様々なことが見えてきたと私は実感しています。皆様はどのような印象を受けられたでしょうか??
 そしてサブプライム問題と並んでもうひとつ大きな話題として取り上げられたのが『暫定税率撤廃』です。次期選挙はガソリン国会とも評されるほど、中央中枢の政治家が議論し、マスコミ報道がされる日々が続きました。
 今回はこの点から、国のお金について触れてみたいと思います。
 
 皆様ご承知のとおり、国の最大の収入源は税金です。平成19年度の国家予算の歳入金額は82兆9,000億円と報道発表されています(図−1)。この天文学的ともいえる金額の約64.5%は私達国民が支払う税金なのです。

【平成19年度一般会計歳出歳入の内訳(予算)】(図−1)
【歳出】 【歳入】
(単位:億円、%)なお( )内は構成比

 では残りは何かと言えば、そのほとんどを国民からの借入に依存しています。いわゆる国債というものです。その借入の累計金額は同じく平成19年時点において547兆円とされており、しかも驚くべきことに年々増加傾向にあります。国民ひとり当たりに換算すると、なんと一人約428万円です。つまり国は国民一人あたり約428万円の借金がある計算になるのです!!(図−2)

【公債残高の累増(平成19年度予算)】(図−2)
ページ中資料出所 : 財務省『わが国税制・財政の現状全般に関する資料』

 一方で支出を見てみましょう。82兆9,000億円の支出のうち、社会保障費と、先に述べた国民への借入の返済で約50%になるのです。高齢化社会の到来から、将来の年金への影響がいろいろ報道されています。一聴したところではピンと来ないこの種の問題も、こうして数字に落としてみたり、下の図表を見ていただくとその深刻さがより鮮明になると思います。この数値を見ただけでも、いかに日本の財政が圧迫されているかをうかがい知ることができるわけです。

 さて話は元に戻りますが、もうひとつの話題であった『暫定税率の撤廃』について考えてみたいと思います。
 そもそも『暫定税率』とは何か? それは、もともとの税率に暫定的(=臨時的)に税率を上乗せして税金を徴収するものです。分かりにくいと思いますので、具体的に説明します。たとえば自動車の重量税(=自動車の車両の重さにかかる税金)はもともと車両重量0.5トン当たり2,500円ですが、暫定税率分が上乗せされて6,300円と2.5倍になっています。いろいろ取りざたされているガソリンについては、1リットル当たり税金(揮発油税)24.3円が48.6円になっています。つまり、たとえば現状1リットル150円のガソリンを給油すれば、1リットル当たり48.6円は税金であり、その内の24.3円が暫定税なのです。そう考えますと確かに自動車に乗る人にとってガソリン価格が1リットルで約25円安くなることは、経済的なメリットもありますし、有権者にとってはわかりやすい政策であると感じます。また、この暫定税率はすでに30年以上も『暫定』とされている事実を皆様ご承知でしょうか?
 この暫定税率の維持に関しては、目先の問題だけで考えてはならないと考えます、先に述べたとおり、日本は財政赤字国家ですので、ひとつの財源をなくせば、きっとそれを補填する財源が必要になるでしょう。
 2007年には定率減税も撤廃、2008年度の税制改正案においても相続税は実質増税の感は否めません。日本の財政は逼迫(ひっぱく)しているという本質を捉えた上で今後も物事を考えてゆきたいものです。

文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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