資産運用のプロが教えるお金の話
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値段の形成を考える
2008.03(第17回)
3,210万円と27万円。
これは何の金額だと思われますか? 前者は、先日財務省で行われた近代金貨の競売での落札金額のことです。政府も1枚しか保有していない明治13年の2円金貨をオークションにかけたところ3,210万円という価格がついたというから驚きであります。財務省はこれまでインターネット競売も含めて売却した金貨の総売り上げは60億円近い収入となり、これらはすべて国の一般会計の歳入として計上されるとのこと。金貨で60億円という数値には大変な驚きを覚えましたが、前回お話させて頂いた現在の国の財政事情と比べるとその金額すらも小さく見えてしまいます。が、それにしても金貨1枚3,210万円をどう思われますか??
そして後者の金額は、インドのタタ社が世界に送り出した世界最廉価の自動車「ナノ」の金額です。現在インドにおける乗用車の市場規模は、年間2桁成長しているとされています。国内において円高、そして北米での市場縮小に悩む国内自動車メーカーの関係者は驚きを隠せないとのこと。本来世界最小とか世界最高は日本のお家芸であったと私は誇りに思っておりましたが、改めて新興国の成長の凄まじさを実感させられたニュースでした。
そもそも物価、すなわち物の値段とは、どのようにして決まるのでしょうか? それは需要と供給により決まります。そしてそこには各個人の価値観が影響するのは言うまでもありません。
仮に今回話題に出させていただいた件を引き合いに出しますと、金貨1枚に対し、自動車が100台以上購入できることになります。つまり金貨を1枚購入した人にとってみれば、それは世界最廉価の自動車より100倍以上の価値のあるものということになります。物の値段の形成というのは本当に奥が深いです。
その観点で現在の日本を見てみますと、以前にもご紹介しましたが、各食料品やエネルギー資源の価格が上がり、私たちの生活を圧迫し始めています。つまりこれは供給より需要が多いという単純な理屈の上に成り立っているのです。「人口が減少している国家でなぜ??」と思われる方がいるかもしれませんが、すなわち、国内事情だけでは物事は解決しないということです。パン一つ、ガソリン一つをとっても、世界各国で起きている事情が様々に影響するのが現在だということです。
以前本コラムで、現在の穀物、原油価格の高騰は、世界の投資マネーが一連のサブプライム問題により、株式、債券市場から資金を引き上げ、商品相場に流入したためと記載しました。が、この成長著しい新興国の需要が今後も持続すれば、この金額の高騰は一過性のものでなくなる可能性もあることになります。
現実を現実として捉えていくと、将来を考えるのは人間として当然のことです。穀物、原油の高騰と続けば、次に高騰するのは何かと考える人も多いと思います、私もそんな人間の一人であり、私が思う重要な資源は『水』です。
水はタダという感覚が強い日本ですが、今こうして原稿を書く私の机の上には、500mリットルで100円の『水』が置いてあります。単純に水1リットル200円です、実はガソリンよりはるかに高い資源を私は毎日飲んでいることになります。
ガソリンが高いのでしょうか?? 『水』が高いのでしょうか??
値段の形成は需要と供給で決まります、そしてお金を払う人の価値観に影響されます。水資源国日本という考えを持っている方も多いと思いますが、販売されている『水』をよく見てみてください。原産国が日本となっている商品の少なさに驚くこともあると思います。穀物や原油同様、新興国の需要が向上し、生活が豊かになれば、良いものを求めるのは至極当然であり、『水』の値段が問題になるのもそう遠い未来ではないと考えます。
文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司
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