資産運用のプロが教えるお金の話

このページは、資産運用に関するコンサルティングのプロ会社・(株)船井財産コンサルタンツがお届けする、お金に関するコラムページです。皆さまに役立つ、読んで納得の耳寄り情報をお届けします。

『巨額マネーの流れ』を考える
2008.04(第18回)

  2008年の日本の金融市場。昨年より世界各地に大きな影響をもたらした米国を発信源とする『サブプライム問題』、くわえて『ねじれ国会』がもたらす政治的な不安要素等により日本の金融市場は大きな局面を迎えています。新聞紙面上では、日経平均株価は昨年末比20%以上の値下がりと報道される反面、小麦、金、原油価格は暴騰。資金供給の拡大と利下げを嫌った資金の一部は株式・債券市場から商品市場に流入、商品価格を一気に押し上げ、私たちの生活を直撃しました。
 株式・債券市場の規模は、商品市場の規模の約10倍以上の規模とされていますので、株式・債券市場にとって一部の資金でも商品相場の価格押上げに十二分な資金量であったのです。
 一方で原油価格が史上最高値を連日更新する中でのガソリン価格の値下げ。「原材料費が高くなっているのに??」と思われる方もいるかもしれませんね。身の回りの物の価格変動要因は、きちんと情報収集をしていない方には理解が難しいかもしれません。
 
 そういった市場環境の中、いやむしろといったほうが適切かもしれませんが、各企業の合併や買収が次々に展開されています。国内では大手石油会社、一流百貨店の合併、メガバンクによる買収ファンドの設立等々。
 海外においても、名門金融機関による垣根を越えた買収と合併、なかでも前回の本コラムで紹介したインドのタタ社が、米フォード・モーター傘下の英国高級自動車メーカージャガー、ランドローバーを買収というニュースには大変驚きました。皆さんはどう思われましたか??
 私の驚きは2点です。
 1点目は、かつての植民地国が旧宗主国の名門企業の買収という構図です。そして2点目はスピードです。つまり、国内の有名自動車メーカーが数十年かけて創り上げた『ブランド』をタタ社はわずか数年にして世界屈指のブランドを手に入れたというスピードに驚きました。まさに市場原理を反映した企業拡大、しかもその拡大に大きな影響を及ぼし得る『ブランド』の獲得という利点もあります。
 いままでは『世界最廉価ナノのタタ社』が『英国ジャガーブランドを有するタタ社』になるのです。日本企業の見方も当然変わっていくでしょう。しかも気になるタタ社の買収金額は2社総額で約2,600億円と、フォード社が英国から2社を買い取った金額の約半値であるというからさらに驚きです。ブランドを身につけ、さらに世界のフォード社の半値で買い取るその手腕は驚嘆せざるを得ません。

 インドのスーパー企業に注目すれば、次は中東に注目してみましょう。ここではいまや普通に耳にするようになった「政府系ファンド」(SWF)の存在は無視できません。そもそも今回のサブプライムローンで巨額の損失を被った巨大銀行に救いの手を差し伸べたのは、紛れもないこの政府系ファンドです。シティグループ、メリルリンチ、モルガン・スタンレー、UBS、しかも金額は5,000億〜1兆円といった巨額マネーを出資したこの「政府系ファンド」を少し考えてみましょう。
 「政府系ファンド」とは、政府が自国の資金を増やすことを目的に投資するファンドであり、その資金源は、原油や天然ガス等に代表される資源収入です。
 中国、インド、ロシア等の新興国が著しく経済成長を遂げる中、資源価格は確実に上昇し、各資源大国は資金を確実に蓄え、その資金を自国の通貨のために外貨準備をドルで積み上げてきました。しかし今回のサブプライム問題を契機にドルの価値が毀損(きそん)し、各国はリスク分散のため外貨準備をドルから他の資産に振り替える動きが顕著になってきたのです。
 こう説明すれば上述した内容にも納得がいくと思います。

 巨額政府マネーも運用に忙しいこのような状況下、皆様の今年の運用はいかがでしょうか。こういった世界の潮流をきちんと整理しながら将来を落ち着いて見据えることが重要だと思います。
 次回はこういった時期における運用についてふれてみたいと思います。



文責:(株)船井財産コンサルタンツ 久世 晋司

バックナンバー
より

私たちは「相続・継承・不動産」等を業務の主軸とし、個人財産、法人財産、財産運用等の
コンサルティング業務を展開、お客様の観点から「財産相談」すべてをお任せいただける
プロフェッショナル集団です。国内最大のコンサルティング会社として日本版プライベート
バンクを目指しております。
   
資産運用に関するご相談は
(株)船井本社財産コンサルタンツへ
http://www.funai-zc.co.jp/
TEL:03-5321-7020(代)

このページのトップへ