ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測
このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。
9月10日にユタ州の大学で発生したチャーリー・カーク殺害事件以後、アメリカ国内はトランプ支持の「MAGA派」と民主党支持のリベラル派の憎しみは頂点に達しつつある。
日本の主要メディアではまったく報道されていないが、両者の憎しみが新たな暴力事件の連鎖を生む可能性も大きくなっている。かなり危険な状況に向かっているように見える。
そうした中、チャーリー・カークを追悼する式典が21日、アリゾナ州で開かれ、トランプ大統領が10万人近い参加者を前に、カークを「偉大なアメリカの英雄」で「殉教者」だと称賛した。
式典には、メインスピーカーのトランプのほか、ヴァンス副大統領ら政権幹部、カークが設立した組織で大学キャンパスにおいて保守的な活動を進める「ターニング・ポイントUSA」のメンバー、保守系運動の著名人、カークの活動や福音派の世界観に影響を受けたと話す人々らが参加。今月10日に銃殺されたカークの政治的レガシーをたたえた。
会場となったフィーニックス近郊のステート・ファーム・スタジアムの雰囲気は、騒々しい政治集会に似ていた。開場前に何万人もがスタジアムの外で列を作って長時間並び、前夜から席の確保のために野営する人もいた。多くの人が、「MAGA」の帽子やトランプ関連のグッズ、赤・白・青の服を身に着けるなどしていた。
他方、殺害犯と目される22歳の大学生、タイラー・ロビンソンがリベラル寄りの思想を持ち、恋人がトランスジェンダーであったことから、「MAGA派」のリベラル派に対する憎しみは高まっている。第一次トランプ政権で大統領主席戦略官を努め、いまも熱烈なトランプ支持のスティーブン・バノンは、保守層を代表する人気キャスター、メイガン・ケリーとのインタビューで、リベラル派の本丸を徹底的に攻撃する時がきたとして、近い将来の革命を宣言している。
●カークの殺害を口実にリベラル派を徹底弾圧する
このような、民主党寄りのリベラル派への「MAGA派」による強い敵意が全米に蔓延している状況は、トランプ陣営にとってリベラル派をおおっぴらに弾圧するための口実を与えたようだ。
まずトランプは、民主党左派で極左の組織、「アンティファ」をテロ組織として指定した。またトランプは、パム・ボンディー司法長官に宛てたSNSの投稿で、自身に反対する民主党の有力議員や州知事、また州の司法長官を起訴するように指示を出した。
さらにピート・ヘグサス国防長官は、報道機関が取り上げるすべての情報は国防総省による事前の許可が必要だとして、政府による報道機関への規制を強めている。憲法に保証された言論の自由は終わりつつあるという論評も多くなっている。トランプ政権によるリベラル派の強権的な弾圧は、これからも加速する可能性は非常に高い。
●タイラー・ロビンソンは殺害犯ではない?
一方、このような状況で、タイラー・ロビンソンが実は真犯人ではないのではないかとする情報も多い。FBIに逮捕されたロビンソンは犯行を否定しており、また、FBIは公表しているカーク殺害の経緯も矛盾に満ちている。細かくなるので、疑惑の点を分かりやすくまとめた。
・ロビンソンは、全長1.1メートルのライフルを分解してバックパックに入れて運び、射撃場所となった施設の屋上に移動した。そこでライフルを組み立て、射撃した。そのときロビンソンは3回ほど着ているものを着替えている。そして逃げるときに銃の組み立てに使ったドライバーを屋上に置き忘れた。
・ロビンソンはバックパックひとつで逃げた。そして、逃亡する途中でライフルを林の中に捨てた。発見されたライフル銃は組み立てられていた。銃を分解してバックパックに入れはずなのに、いつ組み立てたのかなぞである。
・FBIによると、ロビンソンは約130メートル(142ヤード)先から射撃している。使われた弾丸は「30-06スプリングフィールド弾」という非常に強力な弾丸だ。この距離でカークの喉元に命中すると、頭部全体が吹き飛んでしまう。殺害に使われた弾丸は、はるかに小口径の銃弾だった可能性がある。
・カーク殺害の15分後、ロビンソンは地元の「ウェンディーズ」に現れ、ハンバーガーを買っている。そのときは赤いTシャツを着ていた。殺害後15分で着替えてハンバーガーを買うことは可能なのだろうか?
・カーク殺害の動画を詳しく検討すると、カークの背後から弾丸らしきものが飛んできてカークの首に当たり、喉から抜けているように見える。複数の銃の専門家はこの見方に同意している。さらに、カークの演壇の背後にある施設の上階には、ライフルを持っているように見える人物がいる。この人物が真犯人ではないのか? 尚、FBIはカークの遺体の司法解剖の結果を一切公表していない。
このように見ると、実行犯とされているロビンソンの行動にはつじつまが合わないことが多く、またカークが背後から銃撃された可能性も否定できない。FBIは何かを隠しているという疑惑は高まるばかりだ。
●カーク殺害とイスラエルの関与
このような疑惑が事実だとすれば、実際にはカークを殺害したのは誰なのだろうか? まだ証明はされていないものの、カークはイスラエルのネタニヤフから強い圧力を受けていたことは分かっている。カークの殺害直後、著名な調査ジャーナリストのマックス・ブルーメンソルがスクープ記事を書き、そこで真実を暴露した。ポイントを分かりやすくまとめた。
・福音派のキリスト教ナショナリストでシオニストのカークは、もとともと熱烈なイスラエル支持であった。しかし、最近のガザの実態とネタニヤフ政権の戦争継続の姿勢を見て、イスラエルへの支持を撤回しつつあった。
・2023年10月7日に発生したハマスによるイスラエル攻撃前、イスラエルは完全な分裂状態にあった。ネタニヤフ政権は崩壊の瀬戸際だった。カークは、ネタニヤフはハマスの攻撃を事前に知っており、政権を維持する目的からあえて攻撃を引き起こした可能性を疑っていた。
・ところでカークの設立した「MAGA派」の組織、「ターニング・ポイントUSA」の最大献金者は、米国内の熱烈なシオニストの億万長者たちである。カークは殺害される2週間ほど前、最大献金者の一人であるヘッジファンドマネージャーのビル・アックマンに自宅に呼び出された。1億4000万ドルの献金をイスラエルから受けること、イスラエルを訪問しネタニヤフと会談することを要求された。カークはネタニヤフに対する疑念があるとして、これをすべて拒否した。これはイスラエルロビーの逆鱗に触れた。
・カークは、死の前日まで、ほぼ毎日、米国にいるネタニヤフの代理人たち、シオニストの有力者たち、そして資金提供者たちとのZoomでのオンライン会議を行わなければならなかった。彼らはカークに圧力をかけ、カークの今後の講演ツアーと彼がそこで何を話すかを非常に心配していた。そして、彼らは基本的にカークが何を言うべきかを指示していた。
・通話に参加していた人物の中には、イーロン・マスクと非常に親しいベンチャーキャピタリストのショーン・マグワイアもいた。彼はイスラエルに自宅を持ち、「セコイア・キャピタル」で働いている。もう1人は、「ニュースウィーク誌」のジョシュア・ハマーで、メディアにおけるネタニヤフの重要な代弁者の1人だ。
このように、殺害される前日までカークはネタニヤフに近い人々から自分たちに従うように強く圧力をかけられていた。このような状況から見て、カークを殺害したのはイスラエルのネタニヤフ政権ではないのかという強い疑念が起こっている。もちろん、イスラエルが実際に殺害に関与していた証拠はない。ただ、FBIの説明にはつじつまが合わないことが多く、ロビンソンとは異なる別な人物が背後から狙撃した可能性があることから、やはりカークを殺害したのはイスラエルではないかという強い疑念が拡散している。
●専門家も認めるイスラエルの関与、ミヤシャイマーの記事
マックス・ブルーメンソルが暴露したスクープ記事の情報ソースは、カークの側近でビル・アックマンの自宅やZOOMミーティングにも参加して、カークと一緒に圧力を受けていた人物だ。そのため、イスラエルの関与を示唆するこの情報はかなり信憑性が高いとして、多くの専門家も認めている。国際政治学の世界的な権威でシカゴ大学の教授のジョン・ミヤシャイマーは次のように記事で書いている。
「2025年9月にチャーリー・カークが死去したことで、論争に彩られた彼のキャリアは幕を閉じた。しかし彼の政治的遺産は、アメリカの対外政策に広範な影響を及ぼすものとなった。晩年、カークはイスラエルに関する保守派の長年のコンセンサスから離反した。この転換は多くの同盟者を驚かせ、アメリカ政治体制内の深い亀裂を露呈させた。これは単なるイデオロギーや人物をめぐる争いではなかった。
同盟関係の脆弱性と権力政治の厳しい現実を警告する一撃であった。ポピュリスト右派と密接に結びついた人物が、イスラエルへの無条件支援の代償に疑問を呈し始めた時、それは個人の離脱以上の意味を持つ。
これは米国内政と国際システムそのものに存在する構造的圧力を反映している。米国が海外での大国間競争と国内の分断拡大に直面するにつれ、この圧力はさらに強まるだろう。チャーリー・カークの死は彼の声を沈黙させたかもしれないが、彼が最期に断ち切ったもの、米国政治で最も根強い前提の一つ、すなわちイスラエル支持という揺るぎない保守派のコンセンサス─が壊れる可能性を示唆した」
このように、カークのイスラエル離反は事実として受け取られ、これが米国内のイスラエルロビー崩壊の序曲になるとしている。
●イスラエルの反撃、TikTokを買う
一方、イスラエルも黙ってはいない。カークの死をめぐるこうしたトレンドに反撃している。それは、米国内のシオニストの億万長者によるメディアの買収である。
先頃トランプ政権は、SNSのTikTokの買収で習近平政権と合意した。そのTikTokを買収しようとしているのが、米国のイスラエルロビーなのだ。
現在、ネタニヤフの懐にいる億万長者の一人にラリー・エリソンがいる。エリソンの「オラクル社(データ企業)」はCIAの支援で設立され、CIAの主要契約業者の一つである。いま、いわゆるAI革命を推進するため全米にデータセンターを建設中だ。ラリー・エリソンは狂信的なシオニストであり、自身が所有するハワイの島、「エリソン島」でネタニヤフを接待した。その息子デイヴィッド・エリソンも過激なシオニストである。
そのラリー・エリソンは現在、TikTok買収運動の最前線に立っているのだ。その目的は、TikTokからのイスラエルを批判するパレスチナ関連コンテンツの抑圧、数百万から数十億のインプレッションを獲得するイスラエル批判派インフルエンサーの検閲、そして米国におけるシオニスト系メディア独占体制の構築にある。
さらに、ラリー・エリソンの息子デイビッドは「CBSニュース」の買収を進めている。買収後は米国内でネタニヤフ支持でシオニストの論客であるバリ・ワイスを編集長に据える計画だ。またラリー・エリソンは、「CNN」の買収の意向も表明している。このようにして、ガザで実行されているジェノサイドが報道されない体制の構築を目指している。
●高まる敵意
しかし、イスラエルのこうした行状はどんどん明らかになりつつある。それに伴い、現在のトランプ政権が結局イスラエルに支配され、トランプはネタニヤフにコントロールされているという怒りは、「MAGA派」を中心に爆発しつつある。「MAGA派」によるリベラル派を完全に消滅させるべきだとする強烈な敵意が一気に拡大する一方で、イスラエルに対する怒りも高まりつつある。
まさにトランプのアメリカは、敵意が充満する怒りの爆発の時期に入ったと言えるだろう。内戦の前夜を思わせるような緊張状態に突入している。この雰囲気が日本で報道されることはない。とにかく要注意だ。
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●「ヤスの勉強会」第139回のご案内●
「ヤスの勉強会」の第139回を開催します。日本は自民党の総裁選も終わりましたが、これから衆議院が解散されて、政権交代する可能性もあります。新しい政権があまりに混沌とした世界情勢に対応できるでしょうか? もしかしたら日本は、新たな危機のプロセスに突入するにかもしれません。全力で分析します。
※録画ビデオの配信
コロナのパンデミックは収まっているが、やはり大人数での勉強会の開催には用心が必要だ。今月の勉強会も、ダウンロードして見ることのできる録画ビデオでの配信となる。ご了承いただきたい。
【主な内容】
・日本のこれから、いったいどうなるのか?
・チャーリー・カークの暗殺で内戦突入のアメリカ
・金融システムの根本的な変化と危機
・米軍の東アジアからの撤退?
・中国とロシア、新しい国際秩序の準備
・ファシズム化するトランプ
・本当に我々の意識は進化しているのか?
など。
よろしかったらぜひご参加ください。
日時:10月25日、土曜日の夜までにビデオを配信
料金:4000円
懇親会:リアル飲み会とZOOMで開催
以下のメルアドから申し込んでください。
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社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』
(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』
(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
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