トップが語る、「いま、伝えたいこと」
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
相変わらず株式市場は新年早々から乱高下を繰り返しています。変動率が大きいということはリスクが大きくなってきているということですが、それでも株式相場はトレンドとしては上げていますので、買わないリスクがあると感じます。海外の投資家が買い越して、日本の個人投資家が売り越したのが昨年の株式市場だったという報道がありました。利益を確定させることは大事ですが、現在の相場の根本原因はインフレになってきて金利が上がり現金の価値が下がってきていることにあるということは抑えておいた方がいいのかなと思います。
何度も書きますが、デフレの時代は預貯金を含む現金を持っていることが一番の正解だったので、私たちはそれをリスクがない状態だと考えていますが、インフレになるとリスクを取れなければ取り残される確率が高くなるという怖い事実をしっかり見ることが大事です。もちろん、株式でなくてもいいのですが、リスクを取っていく能力や勇気を持てるように勉強していきたいと思っています。
相場が乱高下している大きな要因はトランプ大統領と悪化している対中関係にあると捉えればいいと思います。トランプ大統領は今年行われる中間選挙に向けて選挙に勝つためになりふり構わぬ政策を実行していく覚悟のように感じます。トランプ氏は政治家にしては珍しく言ったことをちゃんとやっていく大統領です。もちろん、無理筋だと思えばすぐに引っ込めて政策を変えるのでTACO(トランプはいつもビビッて退く)と言われていますが、ビジネスマンにとって難しいと思ったら早く撤退することは優れた能力であり、それをしっかりやっていると前向きにとらえるべきなのかなと思います。
そして、TACOもやりますが、やると言ったことは手を変え品を変え実行していく粘り強さも感じられます。第2次世界大戦後、そして冷戦後の世界秩序を根本から壊していくものなのでインパクトが大きいですが、世界一の大国はまだまだアメリカなので、その動向からは目が離せない状態が続くとこちらも覚悟をする必要があるのだと思います。
中国関係も難しいと感じます。習近平が統治する中国はケ小平以降の共産党の一党独裁政権から方針を転換して、すべての権限を習氏に集中させる一人独裁政権になってきたということを、中国大使を歴任された垂(たるみ)秀夫著『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋)が教えてくれました。本書を今週紹介させていただく本にさせていただきたいと思います。自分に権力を集中させたいということもあるかもしれませんが、中国共産党が選挙を経ないで統治する正統性を確保するためには集団指導体制では無理だと考えられたことが大きな原因なのかなとも思います。
中国の国力はすでにピークを越えて衰退を始めているというのが本書の立場です。共産党の正当性は国民を豊かにすることで担保されていたのですが、これ以上は豊かにできなくなってきたので、国力が残っている間に台湾や尖閣問題などの曖昧にしてきた事例に決着をつけてしまい、それによって支持を得ていくという方針転換をしているのだと考えられます。日本に高市政権というタカ派の政権ができた機会をとらえて、徹底的に日本叩きをするという意思決定をしたのだと感じます。高市総理もそれに負けないで、アメリカや周辺諸国と連携して、有意性を保つという方針を持っており、落としどころを探るには時間がかかると考えておいた方がいいと思います。
今年は経済的要因よりも政治的外交的要因によって相場が動くと考えておけばいいのかなというのがいまのところの感想です。参考になるのが、渡邉哲也著『高市早苗「ジャパン・イズ・バック」』(徳間書店)です。この本に書いているように、高市総理やトランプ大統領が経済運営を上手くやっていけるとは私は思いませんが、いまの国際情勢の何が問題なのかはわかりやすく教えてくれます。その上で中国のことをより詳しく知るために、上記の垂大使の本を読むのがいいのかなと思います。垂大使は、自分は外務省の中では端牌(麻雀であまり使えない牌)だ、つまりエリートコースからは外れていると書かれています。
ただ、アメリカ大使館に勤務できるという外務省の中では出世コースに乗っかるチャンスを棒に振ってまで中国と香港、それに台湾という中国圏での仕事にこだわりました。普通なら中国大使にまで上り詰めないのかもしれませんが、民主党政権の時の中国との間にできた亀裂を埋めるために走り回っていたところ、中国にいたら危ないのではないかというぐらいの危機感を持たれた当時の菅官房長官に助けられて、一時帰国をしたまま北京に帰らないという異例の人事で守られました。そして、垂氏のことを高く評価していた菅総理の時に中国大使に抜擢されたのです。
どうせ、端牌なのだから中国の圧力に屈せずに、日本人としては珍しいぐらい中国に対して言うべきことは言う、やるべきことはやるということを貫いた「中国が最も恐れる男」とまで言われた大使だったようです。面白いことに、中国を代表する株式指数である上海総合指数も年末から一本調子で高騰しています。政治の季節になると株価が上がるという関連性は聞いたことがありませんが、日米中共に相場は基本的に怖い環境下ではありますが、上げ続けていることをどのように捉えるかを考えてみることが大切なようにも思います。
言うべきことを高市総理が言うためには、日本が強くならなければなりません。まず、経済力をつけなければいけないのが日本の現状です。相対的なアメリカの力や中国の経済力は確実に落ちていくと思います。日本は、戦争にならないように上手く立ち回りながら、逆にそのために軍事力を増強していく必要があるのかなと思います。本来であれば、軍事にお金を使うよりもやるべきことはあるのだと思います、日本から見るとちょっと困った隣の大国に対することができるように備えておくことが現状では最も大事なことなのかもしれません。
=以上=
2026.01.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】新年を“くまのプーさん”的に思う (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |










株式会社船井本社 代表取締役社長



















