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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2012年5月14日
マクロに良識的に意志決定しよう。

 ゴールデンウィークも終りました。
 1年で一番いい気候というか私の好きな5月になりました。
 いまのところ、まだ体調が完全でなく、話しづらく、喰べづらく、外食も外宿もできない私は、ゴールデンウィーク中も、庭の草木や花を愛で、友人たちから集ってくる情報をたのしんで日々を過しました。
 その中で、『地球村通信』(高木善之さん主催発行)の2012年5月号の「原発再稼働について」という高木さんの書かれた文章に、おおいに考えさせられました。
 彼の了解を得て、まず、そのまま以下に転載いたします。

巻頭言 【原発再稼働について】
ネットワーク『地球村』代表・高木善之

★原発稼働ゼロ

日本の原発の総数 50基(4月19日付で福島第一原発第1〜4基が廃止されたため)
しかし、定期点検などで次々に停止、現時点で稼働しているのはわずか1基。
この1基は北海道泊(とまり)原発だが、これも5月5日に定期検査に入るため、めでたい「こどもの日」に、めでたく日本は「原発稼働ゼロ」になる。

★「原発・関ヶ原の戦い」
「原発稼働ゼロ」は、安全を求める市民にはめでたいことだ。
このまま「原発ゼロで夏季を乗り切る」ことができれば、「原発はなくてもいい」ことが証明され、新エネルギー(自然エネルギー)に進むことができる。
世界の「脱原発」にも大きな影響を与えるだろう。
しかし、こんな素晴らしいことが、原子力村(政府・官僚・電力会社)には「最悪の事態」なのだ。なぜなら、「原発がなければ日本は成り立たない」と宣伝してきたことが根底から崩れ、原子力村の利権も根底から崩れるからだ。
そうなれば、「原発=危険=不要⇒廃炉」となるのは必至。
お金を生み出す宝箱だった原発が一転、「最悪の厄介物」になるのだ。

★政府と電力会社は「なにがなんでも再稼働」
5月5日に「稼働ゼロ」になる前に再稼働したい。
最悪でも、夏までに原発を再稼働したい。
そうしなければ原子力村は崩壊する。
※4月16日、枝野氏は「再稼働は5月5日までには間に合わない」と発言。

★最有力候補 福井県大飯原発
東京電力は「夏は乗り切れる」と発表。
関西電力は「夏は18%不足」と発表。
そこで、再稼働の最有力候補は関西電力の福井県大飯原発になった

★政府のシナリオ

1.安全基準はおおむね確認された
2.原発なしでは夏は乗り切れない
3.地元の理解を得て再稼働する
4.再稼働を政治判断


この一つひとつについて説明します。
ぜひ、理解して周りの人にもお伝えください。

1.原発は安全か

・原発はロシアン・ルーレット

原発は地震、津波だけではなく、コンピュータの故障、人為的ミス、テロなどの可能性はいくらでもある。
原発は想定内、想定外に関わらず、いつか必ず大惨事を起こす。
つまり原発は「ロシアン・ルーレット」なのだ。

・原発の事故の確率は「飛行機の墜落より低い」?
原発が稼働してから約50年。原発の最悪の事故(レベル7)は、チェルノブイリ事故(1986年)、福島事故(2011年)の2回。
50年に2回は少ないと言えるだろうか。
原発の被災者は数十万人、汚染地域は数十年。数百年、住むことができない。
経済的な被害総額は数十兆円。
総合的なダメージは、他のあらゆる事故とは比較にならない。

・ストレステストの安全基準(抜粋)
地震の加速度600ガル・・・・福島原発は1000ガル以上で壊れた
防波堤の高さ10メートル・・・・最近の津波予想は20メートル以上
全電源喪失への対策・・・・・・現状、対策なし(今後数年で建設予定)
現状の安全基準は、きわめて危険である。

・福島原発事故の原因
津波到達前に、冷却水が流出し、放射線が感知された。
つまり地震によって配管が破断、冷却水が流出してメルトダウンした。
津波によって電源喪失、冷却がストップして、停止中の4号機も冷却がとまり爆発した。今回の地震より大きい地震でも配管などが破断しないことと、今回の津波より大きい津波でも電源喪失しないことが必要であることは明らかだが、どれほどの耐震強度や対策が必要なのかわかっていない。
さらに20メートル以上の津波を防ぐ方法もわかっていない。
それ以外に、コンピュータの故障、人為ミス、テロに対しての対策は不可能に近い。事故原因も究明されず、その対策もない現在、再稼働はあり得ない。

・新組織「原子力規制庁」(環境省)は延期
今回の原発事故の責任部署である原子力安全委員会と原子力安全・保安院を廃止して、新たな組織「原子力規制庁」を環境省に設置する予定だったが延期になっている。今回の事故責任を問われるべき組織で、いまだに推進派の人間が仕事をしている。原子力安全委員会の班目委員長は「一次評価だけでは意味がない。二次評価が重要」と国会で証言した。
一次評価=コンピュータによるシミュレーション(企業が作った数値)
二次評価=シビア・アクシデントの際の対策・・・今は、何も無い状態。

2.原発なしで夏を乗り切れるか

答は、ずばり「YES!」
というのは、すでに東京電力も東北電力も「夏は乗り切れる」と発表。
関西電力だけが「18%不足する」と発表したが、電力会社の予想は常に10%以上過大だった。昨年の大阪は、橋下知事の「電気は余っている。節電は必要ではない」という発言や、関西電力への反発から大阪府民は節電にはほとんど協力しなかった(それでも電力不足にならなかった)。
本当に電力が足りなくなるなら、大阪府民も本気で節電する。
東京が昨年15%以上の節電(ピークカット)をした実績から見ても、関西も15%以上の節電(ピークカット)は可能だ。
節電、停電より「ロシアン・ルーレット」を選択する人はいない。

3.地元の理解とは

4月2日の国会中継、私は注視していた。
福島党首が枝野大臣に「大飯原発の再稼働には地元の理解が必要というが、地元とはどこか」の質問を10回繰り返した。要は、原発マネーをもらっている福井県とおおい町だけの同意ではだめだ、ということなのだ。
30キロ圏に京都と近畿の水がめ「琵琶湖」を有する滋賀があり、100キロ圏には大阪、兵庫、岐阜、三重、奈良が含まれるのだから。
枝野大臣は、はじめは「のらりくらり」逃げていたが、追いつめられて最後は、「地元とは福井県だけではなく近隣の府県であり、直接間接被害を受ける全国だ」と答えた。さらに「現状、私は再稼働に反対だ」と本音をぽろり。
これで、「早期の再稼働の判断はあり得ない」と思われた。

4.政治的判断

★枝野大臣も再稼働に動く

枝野大臣が「地元とは福井県だけではなく周辺の府県」と発言した夜、枝野氏は野田首相、藤村官房長官、紺野原発事故担当相の3人から強く意見され、再稼働に立場を変えた(背後には原発推進の仙谷政調会長代行がいる)。

★大飯原発 安全対策工程表
4月9日、関西電力は大飯原発の安全対策の工程表(計画書)を提出。
「免震事務棟やフィルター付きベント装置の設置を1年前倒しにして、2015年とする」
これは、いまはまだ何の対策もしておらず、「危険である」ということを明記したものであるが、なんと政府は、「再稼働の条件を満たす」と判断したのだ。

★あなたの判断は?
@原発には安全保証はない。
A大惨事は26年に2回
B被害者は数十万人、汚染地域、被害総額は膨大

以上を理解した上で、再稼働について判断してみてください。
正常な人なら「NO」です。
政治的判断が「YES」なら、「政治」とはなんだろう。

★ドイツ政府の判断
ドイツ政府は10年前に「脱原発」を決定したが、2010年にメルケル首相は「脱原発」を12年延長した。しかし福島事故後、6月にそれを取り消した。
この決定は、「倫理委員会」によるものだった。
メルケル首相の「原発は経済優先や政治判断、技術論で決めることではない」
という判断によって、委員会は、社会学者、哲学者などによって構成された。
重要な問題は政府や企業が単独で決めるものではない。
ドイツのように倫理委員会か、イタリアのように国民投票で決するべきだ。

★日本政府の政治的判断
4月14日、政府は「大飯原発再稼働」を決定した。
その後には、枝野大臣が福井県に説明に行った。
なんと素早いこと!(北朝鮮のミサイル報道の遅さと比べて唖然!)
枝野大臣は福井県知事(西川氏)に、「大飯原発の安全は確認された。夏の電力不足を避けるために再稼働をお願いしたい」と頭を下げた。
福井県知事(西川氏)は即答を避けたが、記者会見では次のような主旨の意見を述べた。

政府の安全宣言にはほっとした。
しかし、政府の『脱原発』の方針は変わらないまま、「原発の再稼働を」と言われても釈然としない。また、近隣の人たちが電力供給の恩恵を受けながら、「脱原発」と主張したり、立地県の努力や苦労を理解していないことにも不満がある。使用済み燃料の保管など応分の負担も必要ではないか。

原発マネーと引き換えに原発を受け入れてきた立地県の知事が、いまになって、こういう論理を展開すると周辺の知事からの反発は必至。
政府は、近隣の知事にも説明に行くと発表したが、周辺知事の合意はますます困難になるだろう。政府が拙速、稚拙な動きをするならば、国民の大きな不安や不満を招き、内閣不信任、解散総選挙になり、またまた政権交代につながるだろう。しかし国民は、もう民主党にも自民党にも期待しないだろう。

大阪府、大阪市が「再稼動のための8提言」を発表した。
滋賀・京都知事が「国民的理解のための原発政策への提言」を共同提言した。
私たちも「脱原発」に向けて様々な関わりを強化していこう(転載ここまで)。


 私は、高木さんの意見は、どこから判断しても「もっともだ」と思います。
 原発によって生計をたてている地元の庶民の気持、地元の自治体の本音なども、それなりに分りますが、このような大事なことは、目先の「お金」や「便利さ」、さらに「利権」や過去の言動などから離れ、どんな人も分るように、そして納得するように、マクロに人間としての良識で意志決定をするべきだと思うのです。
 全員の意見の一致などは「ありえない」というのなら、総選挙をやって、その結果を見るか、国民投票で決めるべきでしょう。
 いまのところ、日本の政治家も官僚も、「マクロに人間としての良識」を忘れているように思えて仕方がありません。
 自分の本音を、「あっ」というまに翻した大臣がいると、高木さんは文中で書いていますが、そんな人を要職に就ける現在の内閣にも考えさせられます。
 ともかく、国民大衆が真にしっかりしないと、いまの政治家や官僚は信用できないな……とはっきり感じました。これは残念なことです。
 いまの世の中、どこか狂っているようです。これは自分の体験や良識とちがった行動を、いまの日本のリーダーたちがすることからも分らせられるのです。

 私は経営のプロです。組織運営については人一倍よく知っております。
 経営体というより組織体は、トップ1人で99.9%決まります。
 それだけに、まともなトップは組織内の「人」「物」「金」の大体の動きはもとより、かなり細部まで熟知しているものです。そうでないと組織体が運営できません。組織内で何億円もの「お金」が動いても、トップは「知らなかった。すべて秘書まかせだった」などということは、組織体運営の常識からも実際上も考えられないことですが、つい最近、そのような話しが日本の政界にはありました。
 いずれにしても、日本も世界も、真に良識的な納得できるリーダー層に早く変らねばならない時期に来ているように思います。
 去年から実質的に国家破綻しているギリシャ、そして来年には名実ともに破綻が確実だと思えるEU。これらのマクロには有識者には分りきっていることは、はっきりと言い、その言動に責任をもつリーダー層がぼちぼちというより早急に日本にも必要になるように思います。
 ともかく、読者各自が勉強して、正しいことを知り、マクロに良識的に考えて意志決定をし、一日も早くよい世の中を創ろうではありませんか。よろしく。
                                           =以上=

〜〜NPO法人ネットワーク『地球村』講演会のお知らせ〜〜

第19回 地球村『経営塾』in 東京
「衆知を集めるMM経営」〜困難な時代だからこそ〜

開催日:2012年5月19日(土)〜5月20日(日)
開催場所:東京都新宿区

★詳細・お申込みはコチラ
http://www.chikyumura.org/lecture/schedule/2012/05/19130000.html

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