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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
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2012年12月17日
これからの中国はどうなるか?

 先週のアメリカについての今後の予測につづいて、きょうはこれからの中国について予測してみたいと思います。先週も書きましたように、未来は分らないのが常識なので、予測はしない方がいいのですが、読者の御要望が多いので、あえて少ない情報、知識をもとに、私の直感、常識をつなぎ合わせて予測してみます。

 中国は共産党の一党独裁政治形態をとっていますが、これは13億人強もの人口をかかえ、10%前後の経済成長を続けないとどうにもならない中国の現状からみて、やむを得ない制度だと思います。先進国型民主主義ではムリでしょう。
 ただ、資本、エネルギーをできるだけ保持するために強引とも思える膨張政策を取らざるをえない中国は、いままでとちがって、経済面だけでなく、政治面でいやおうなく、今度はアメリカと正面から向きあわざるを得なくなるでしょう。アメリカとのいままでの「戦略的パートナーシップ」はもう破綻に追いこまれざるをえないと思います。
 そして、それには尖閣を含む日本との関係も表面化せざるをえないと思われます。それは決して芳しいことではありません。
 国内の貧富の差、政界(共産党内)の勢力争い、それに地方政界の腐敗も高まり、年間異動数20万件と言われる数字は、減ることはなさそうです。
 思想や自由の抑圧のための戦略、国民の意向を一致させるための「愛国無罪」の考え方による対日強硬策は、多少の経済犠牲を払っても引っこめるわけにはいかないでしょう。日本にとっては、イヤな国になりそうです。
 このような内外ともにむつかしい時に、習近平政権が発足しましたが、その国家運営能力は今のところは分りません。が、日本には強く当ってくるだろうし、ナショナリズムを強めることだけはまちがいないでしょう。それしか策がないはずです。
 他国からみると、有無を言わさぬ領土領海侵略などですが、これは相手国が日本やアメリカの場合は簡単に通用しないので、小さな摩擦が猛火になる可能性もありますし、台湾を巡ってアメリカとはいやおうなく正面衝突にならざるをえないということも考えられます。
 習主席とオバマ大統領がどう考え、どのような思想の持ち主であっても、ともに自国の国益を考えて動かざるを得ないから、これはやむをえないと思います。
 その上、習近平主席の近辺は、胡錦濤前主席よりも江沢民元国家主席のいわゆる上海閥というか太子党の人数が多いようですし、それが習主席の政権ポイントのような気もします。
 日本にはきびしく接してくるし、ナショナリズムは強くなってくるでしょう。偉人で万事を包みこめたケ小平、そしてどちらかといえば融和的だった胡錦濤時代とは、かなり日中間の様子が変わると考えておいた方がよいと思います。
 私は、中国を豊かにし、経済成長の礎を造ったのは「先富論」を実践したケ小平という偉人だったと思います。
 彼は苦労人であっただけに、尖閣などの争いになりそうなところにはわざと首をつっこみませんでした。
 毛沢東に付き従わねばならなかった彼が、本質的に毛沢東と合わず、2度の失脚から奇跡的に復帰したケ小平には、それだけの人徳と役割があったのだと思います。いや正しくは、4人組にも追われましたから、3度の失脚から奇跡的に彼は復帰したのです。
 周恩来、ケ小平、そして胡錦濤が国際的にも信用のできる中国を築いたと思うのですが、これからどうなるかは、胡錦濤のこれからのがんばり具合と、やはり習近平の人となり、成熟度によるだろうと思います。
 13億人という中国人全体よりも世界中の目が注がれているのが、これからの中国です。
 ともかく習近平に強く期待しておきましょう。ついでに去っていった胡錦濤にも。
 それはそれとして、アメリカを含めて、いままでの世界を真に動かしてきた勢力は、@中国と日本の衝突も、 A中国とアメリカの衝突も、 Bさらには中国の経済的成長、 Cそしてナショナリズムの強化も、わが意を得たりと思っているでしょう。
 彼らは大きな資本拡大、もっと分りやすくいえば「お金」を目的に動きます。そして将来まで見て、もっとも有利な支配のプロセスを大目標にかなり長期的な動きをするのが常識です。
 この常識からみると、日本のように内向きの政治、政策の国よりも、中国のように、はっきり動きが分り、外向き、前向きの政策や政治を行う国の方が御しやすいと思っているでしょう。要は、お金です。それはスクラップ アンド ビルドで成り立つのです。
 それは、きょうの儲けから最近は限りある資源の争奪と支配に向っています。
 アメリカと日本を含むその同盟国は、今後いやおうなく対中包囲網を強化し、中国軍の力を強化し、とりあえずアジアを常に即発状態にせざるをえないでしょう。
 また中国資本が世界に拡大することや中国の経済覇権の拡大などは、資本的にはむしろ歓迎されると思われます。
 ここでむつかしいのは、相対する勢力間で、先に戦争に訴えた方が敗者になるのも分っていることです。そのことを習近平主席は充分に知っていると思いますが、より大きな見えない敵が相手だけに、中国の舵取りは大変だと思います。
 基本的には、リーダーが欲を求めて欲の奴隷になるか、欲を包みこんで欲を上手に制御し、国民にその考え方を徹底させるかしかないわけだと思います。
 そういう意味で、前者の道を走りがちに見えますが、ひょっとすると中国には4000−5000年の知恵と歴史があり、賢明な後者の途を選ぶチャンスもあります。
 いずれにしても今年から10年の中国は、おおいに注目に価すると思います。
 日本人としては、できるだけ欲を制し、賢明に生きてほしいと望むことが大事です。
 というのは、中国のナショナリズム化に比例して日本でもナショナリズム化するからです。歴史的に日本も政治的には中国に後ろを見せられないのです。
 しかし、いまのところ、決めては中国の出方にかかっていると思います。一方、科学や武器は発達の一途を辿っています。地震兵器、気象兵器など、おそろしいことです。何でもありという状態です。
 一方、地球も宇宙も、人類にこれ以上の愚かさを許してくれないでしょう。
 大天変地異がおこる可能性も50%くらいはあります。
 そのキーをにぎっているのが、いまのところアメリカと中国のように思います。
 もっと良識と人智をマクロに両国の指導者に働かせてほしいと望み、このHPで2週間つづけた、アメリカと中国の今後についての私見はこの辺で一まず終ろうと思います。
                                           =以上=

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