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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2014年12月1日
沈殿の美学 (※舩井勝仁執筆)

 “人生は選択して決意した瞬間に飛躍する。”
 なんの本に書いてあったのでしょうか。キルケゴールの言葉はいつも私の胸に引っかかっています。「人間は1日に2万回の選択をする」と読んだことがあります。朝、目覚まし時計を止めるかどうか、から始まり、会社を左右する仕事の大きな決定まで、意識的、無意識にかかわらず、数えきれない選択をしながら日常を送っています。
 瞑想のひとつの方法として、いま自分が何をしているのかしっかり直視するという方法があるそうです。右足を出して、左足を出して歩いている。心のもやもやを胸の真ん中で感じている。そんな毎日の行動の一つひとつをしっかりとして意識しながら行動してみると、本質である普遍意識が感じられるようになる訓練になるので、それも一種の瞑想だと言うのです。

 私のテーマである「いまここ」を徹底して生きていくためには、この選択により敏感にならねばと最近思うようになりました。1つ1つの行動は自分が自発的にえらびとったもののはずなのに、ついその行動に振り回されてしまいます。時間に追われるのも、自分が意思をもって選択したことの結果です。そう考えると、どんな不本意なできごとに直面しても、他者や環境のせいにできるものはなに1つないということです。
 キルケゴールの言う「選択」して「決意」する。この「決意」のプロセスをもっと大事にして意識すれば、自分の行動に一段とブラッシュアップが望めるということでしょう。次元の扉を開く、とはもしかしたら人のせいにしないことかもしれません。このように書き進めてきて、また新たな課題に向けて自分への問いかけが増えました。

 先日、『聖なる約束』を出版した赤塚高仁さんとの出版記念講演会で、『伊勢神話ものがたり』の松本祥平さんにお会いしました。伊勢で唯一の人力車を走らせている松本さんは、人力車で2年半かけて日本一周をしたという面白いエピソードの持ち主です。人力車に乗ると、目線が上がって風を感じ、自然が身近になって心が解放されると、松本さんは言います。

 また松本さんは、神話語りもライフワークにしており、トークライブでは古事記を語られるのですが、お代はお気持ち、感謝料としているそうです。
 神棚のない家庭に育ったにも関わらず、ひょんなことから出会った伊勢神宮の式年遷宮の対策委員会の代表の方から「君が日本中を回るなら行く先々の神社に参って手を合わせてくるといいよ。日本一周の旅のあと、君が叩く柏手を聴けば君がどれだけ参ってきたかわかるから」と言われます。松本さんはその言葉に素直に従って、日本全国の神社を参り、神様のこと、神話をしっかりと学びました。
 松本さんの語りに、ほんの少し耳を傾けさせていただく時間を持ちましたがとにかく素直できれいな心根を持つ人だなということはすぐにわかりました。それは、本で読んだことより、直接古老の話を聞いて集めた話や、自分自身の体験を通じておなかに落ちたことを語ることを大切にしているからだと気がつきました。

 ここでもよく書かせていただく人生の師から、以前「沈殿の美学」という言葉を教わりました。見聞きしたり、読んだことはすぐに軽々しく人に話すのではなく、一度自分の中に深く沈める。見識の上澄みから、その人の真価がたちのぼる……と。

 そのことを聞いて、週に2本のレギュラーコラムと有料メールマガジンを書き、月刊誌『ザ・フナイ』や『にんげんクラブ会報誌』の原稿を書き、その合間に新刊の執筆をして、多いときには月に10回以上ある講演の骨子を考える、自分の日々のインプットとアウトプットのサイクルについて深く考えさせられました。
 必要な人に、必要な新鮮な情報を届ける。そんな情報の伝達のスピード感も私のような仕事ではとても大事なことですが、「沈殿の美学」、いまの自分ではなく、これからの自分を作っていくためにいつも自問自答していることです。
 「熱をもってうまれたことばを大切にしたい。」自分より10歳以上若い、松本さんのそんな言葉に感動しました。今度は伊勢神宮で半日松本さんの人力車に乗って、ガイドを聴きながら、日本と自分のルーツについてゆっくり考える時間を持ちたいなと思っています。
 ご関心のある方はホームページをご覧の上、お問い合わせください。伊勢神宮のお参りの流儀などが詰まった松本さんお手製のリーフレットも送ってくださると思います。

 ところで、夏に出した『いのちの革命』の柴田久美子先生との出版記念講演会が決まりました。看取り師として全国で活躍されている柴田先生との共著ですが、父・舩井幸雄を見送って早いもので10ヵ月以上がたったいま、改めてこの本を読み返してみると、死への向き合い方、残されるもののあり方、そして人間にとって一番大切な魂を引き継ぐということが迫力をもって書かれてあり、自著で僭越ながら、じわじわと口コミでロングセラーになっているのがわかる気がします。
 赤塚さんとの『聖なる約束』と同様、どちらかと言うと私は柴田先生の伝えている本質を理屈で解説しようとしている様に思えてきましたが、その理屈を乗り越えることで、新たな世界が拡がっていく可能性を感じています。これからやってくる大きな変化の時代には、死を見つめて死が怖いことではない、という考えをおなかで納得することが大切になると確信しているのです。
 ぜひ、本も読んでいただき(きれい・ねっとへの注文が確実です)、講演会にも足を運んでいただけたらと思います。講演会の詳細等はにんげんクラブのウィークリー・レポートをご覧いただければと思います。
                                            =以上=

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