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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2019年8月12日
インテグラル理論 (※舩井勝仁執筆)

 この原稿をイスラエルのテルアビブで書いています。テルアビブの人口は40万人弱。都市圏でみると380万人の人口を要する地中海を代表する大都市になりました。テルアビブの高層ビルや高級ホテルが立ち並ぶ中心街は治安がよく夜でも安心して歩けます。一番美味しいと言われているスシバーの予約が取れたのはなんと22時30分。それでも、お店は超満員で、そこだけではなく人気の高級レストランはどこも若い人であふれかえっていました。また、世界で有数のゲイに優しい街としても有名でユダヤ教の厳しい戒律からは考えられない世界が広がっています。

 100年前にユダヤ人の入植がはじまった頃は砂浜で何もなかったという話をきいたことがあります。長い時間をかけてものを作りあげていく力はものすごく強いものがありますが、開拓を続けて行くというところで、アメリカとイスラエルは同じ精神を持つ国家であるということをいつもここに来ると感じます。
 8月の初めからイスラエルに来ていますが、この間に金融マーケットは大きな動きを示すようになってきました。きっかけはアメリカが中国に対して追加関税をかけることを発表したことですが、中国が人民元を安くすることでこれに対抗する動きをみせたことで、新興国などの中央銀行も次々に利下げを発表し、通貨安競争が始まった感があります。そんな中で、円は安全資産と言うことで買われていき円高が一層進んでくることになりました。
 異次元の金融緩和を続けている日銀ですが、すでに買えるだけの国債を買ってしまっていますし、マイナス金利政策をこれ以上踏み込むのは難しいということもあり、手詰まり感が否めません。米中の貿易戦争を黙って見守るしかないというのが本音のところかもしれません。来年の東京オリンピックまでは持つかもしれませんが、元安や円高の影響が徐々に出てきて、日本経済を力強く刺激しているインバウンドの勢いが止まってしまう可能性もあるのではと感じています。

 新・舩井メールクラブで、私も月に一度執筆させていただいています。様々なバックグランドを持つ超プロの執筆陣とご一緒させていただいておりますので、水面下でかなり勉強をするようになりました。前半は締め切りギリギリまで、国際的な経済情勢とにらめっこし、私なりの考察と予測展望を記しています。
 後半は、おすすめの1冊で、この「いま知らせたいこと」との差別化を図るために、皆さんが気になっていてもなかなか読み切ることができないものがあえてよいだろうと、最低300ページ以上のボリュームのある話題の本の書評と決めているのですが、これが、買ってみないと読んでみないとわからないこと多数で、結果かなりの冊数を毎月読んでおります。
 今回、こちらで紹介する「インテグラル理論」(ケン・ウイルバー)(日本能率協会マネージメントセンター)も、約400ページ、3000円近くする本です。以前、「ティール組織」をご紹介して好評だったので、こちらも、と思いましたが、新・舩井メールクラブで他に取り上げたい本が出てきたため惜しくも漏れました。著者は、心理学の理論家、思想家として世界的に大変な影響力を持ち、アメリカの政府高官がこぞって彼の本のファンだったり、映画マトリックスのコメンタリーを担当したりもしているそうです。
 帯には著者への推薦文として「東洋と西洋の叡智を統合する試みにおいて彼ほどの知性と情熱を持って、取り組んでいる人物は他にはいない」という一文をハーバードの教授が寄せています。
 「ティール組織」の土台となっている「インテグラル理論」を簡単に説明すると、人は生まれた時は自己中心的な状態ではあるけれど、学校や職場など組織に所属する経験で、その集団の事を考え、最終的には世界や宇宙のことに思いを馳せ、視点が育っていきます。その人間の自然な発達心理を読み解き、利用して、自身と集団の成長を図るにはどうしたらいいかということを書いています。
 私は東洋におけるこの考えは「真善美」だなと感じながら、読み進めていきましたらまさにそうで、この理論はもう1つ足して、個人の内面、外面、集団の内面、そしてそこに集団の外面を加えて4象限にしています。人のタイプもわかりやすく分けて、段階的な成長についても明晰に分類されています。
 前述の4つの面をその人らしく調和させ、成長できれば、自分が所属する集団で倫理的なものに苦しまず、物理世界でも自分らしく生きていける、それが個人のみならず、組織・社会の進化になるという考えです。その発達段階のスパイラルに色をつけているところは、「ティール組織」を勉強された方にはお馴染みだと思います。
 経営者の目線で、この本に明晰なフレームワークを期待してもはっきりとは出口は見つからないように思います。しかし、自己啓発本やスピリチュアルで、表面的なことに救いを求めるより、少々歯ごたえのある内容ではありますが、様々なパターンの人間の成長モデルをじっくりと読み解くと、日々の自分の心のケア、そして人生の悩みジャンルのナンバー1である人間関係の目線にも厚み、重みが出てくると思いました。
 いつもの新・舩井メールクラブではこのコラムの字数の倍以上を費やしているので、少し端折った感は否めませんが、腰を据えて読む1冊としてお勧めしておきます。
                                            =以上=

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