トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2022年7月25日
“ほんもの”のリーダーシップ (※佐野浩一執筆)

人はいつでも、
いつからでも、
いつまででも、
変わることができる

 このことだけは、どうか忘れないでください。
 ぼくは、そう信じています。

 過日、認定NPO法人テラ・ルネッサンスの創立20周年記念パーティに参加させていただきました。鬼丸昌也さんの最後のメッセージがこちらでした。

 胸がぐーっと熱くなりました……。
 ふつふつと勇気が湧いてきました。

 現在は、ウガンダ在住の小川真吾さんが代表となられていますが、創設者は鬼丸昌也さんで、お二人のお名前はご存じの方も多いのではないかと思います。
 テラ・ルネッサンスは、「地雷」、「小型武器」、「子ども兵」、「平和教育」という4つの課題に対して、現場での国際協力と同時に、国内での啓発・提言活動を行うことによって、課題の解決を目指すNPO団体です。
 そもそもは、鬼丸さんが大学4年生の時。初めて訪れたカンボジアで、地雷原(※)を訪問する機会があり、そこには日ごろ当たり前に存在する「音」がないことに気づかれたことから始まったといいます。人が生きていると必ずある「音」。子どもたちが楽しそうに遊んでいる。家族が一緒になって食事を囲んで、楽しそうに会話を楽しんでいる。恋人同士が、愛を語り合っている。そんな生活にかかわるすべての「音」が地雷原にはなかったのだと……。(※地雷原:多数の地雷が埋められている地帯)
 もくもくと作業する地雷除去要員の息遣い。地雷らしきものに金属探知機が触れた時に鳴る甲高い「ピー」という音。そんな音しか響かない場所に、鬼丸さんは衝撃を受けられたのでした。人間からあらゆるものを奪い去る地雷に対して、「自分に何ができるのか?」という問いかけをしたところから、テラ・ルネッサンスは始まりました。
 そこから20年……。
 いまでは、全国を講演活動を中心に東奔西走されている鬼丸さんですが、はじめての講演会は、お客さまが2人だったそうです。活動の幅もどんどん広げていらっしゃいます。  
 記念パーティでご挨拶された方々が口をそろえて、鬼丸さんと小川さんは「クレイジー」だったとおっしゃることに、とてもポジティブに共感すると同時に、心からの尊敬を深める日々です。
 ちなみに、テラ・ルネッサンスのHPには、つぎのように記されています。

●テラ・ルネッサンスの設立目的
世界平和の実現=すべての生命が安心して生活できる社会の実現

●テラ・ルネッサンスのミッション(使命)
当会の事業を通じ、人々に『次世代に対する責任』を啓発し、それぞれが個人、家庭人、社会人、そして地球市民として、未来の子どもたちの生活をも視野に入れた生活(簡素な生活)を実践することにより、人類共通の理想『世界平和』を実現する。

●テラ・ルネッサンスの活動理念
[ 1 ]私たちは一人ひとりに「未来をつくる力」があると信じ、市民の可能性を追求しています。
[ 2 ]私たちは内なる変化がすべての変化の始まりであり、変革の主体者は私自身であることを理解しています。そして、他人も変革の主体者であることを理解し、相手を尊敬しています。
[ 3 ]私たちはあらゆることは常に変化することを理解し、あきらめずに活動し続けています。

 私が、鬼丸さんに教えていただいた一番大きなことは、「私たちは微力だけど、無力じゃない」ということ。この言葉に、何度背中を押されてきたことかわかりません。しかも、実際に、「ゼロ」からのスタートですべてをコツコツ積み重ねてこられた鬼丸さんの言葉だからこそ、心に刺さったのだと思います。
 ぜひ、テラ・ルネッサンスのHPを訪れてみてください。強烈なショックを受けるところもありますが、自分の中のとても優しく、温かいものが鼓動を打ち始めるはずです。そして、きっと「自分にはなにができるか」を真摯にお考えになることと思います。
 
 20周年記念パーティにおいて、基調講演をされた野田智義先生。ロンドン大学ビジネススクール助教授、インシアード経営大学院(フランス、シンガポール)助教授を経て帰国。財界トップ有志の支援を得て、2001年7月NPO法人アイ・エス・エル(ISL、Institute for Strategic Leadership)を創設。MBAを超えた独自の全人格経営リーダーシップ教育を実践し、これまでに上場企業の経営トップ、地方企業の経営者、社会起業家など1,600人を超える卒業生を輩出されています。
 野田先生は、冒頭にいきなり大きな問題提起をなさいました。
「日本には、まじめな不良が必要」
「いまは、そこそこが良いが通っている」
「目標の設定が、そこそこになっている」
「アクティブノンアクション、要するに、忙しいけれど、なにもやっていないことと同じ  
だ」と……。
 いま、この大きな大きな時代の転換点であることは誰もが承知しているわけですが、そこであらためて「個のリーダーシップ」が求められていることに気づいてほしい……。
 常識、組織、惰性からの脱却……。
 日本でもっとも求められているのは真のリーダーシップなのですが、もっとも誤解されていることの一つだとおっしゃいました。
 一般的にいう「リーダーシップ」とは?
・人の上に立つこと
・リーダーはフォロワーを前提とすること
・人々の人心を掌握し、導く人
・卓越した能力、魅力、スキルと判断能力を備えている 等々

 でも、これらは「一面」からしか捉えられていないというのです。
 さらに続く、つぎのお言葉には、ハッとさせられました。
「組織には不純物がある」
それは、「ヒエラルキー」だと……。

 マザーテレサは、紛れもないリーダーでした。
 リーダーシップは必ず一人から始まるのです。
 振り返ると人が現れる……。
 能力があるからではなく、やっていく中で育まれていく……。
 そして、何より、リーダーシップは変革と創造が主導になるということ。

 マルチン・ルーサー・キングJr、あのキング牧師は、卓越した「見えないものを見ようとする力」に溢れていました。
 あの歴史を変えた演説。

「私には夢がある。それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条を、真の意味で実現させるという夢である。・・・・・・・・・・・・・」

 まさに、これこそが、見えないものを見ようとする力。キング牧師には、明確に見えていたのです。 

 でも、野田先生は、こうもおっしゃったのです。
「ビジョンなんて鮮明に見えなくていい」と。
 不安や不確実に溢れた世界。まさに、正解がない世界です。
 本当に、心の底から信じていないと、大海原に漕ぎ出していけません。
 だから、世界を俯瞰し、外からのモチベーションではなく、内からの意志で動くこと。だから、自分の鏡と常に対峙することが大事なのだということです。

「リーダーシップとは自分の意志で生き切ること」
「リーダーとは、インナーボイスを聞こうとする人」

 これこそが、真のリーダーシップ。“ほんもの”のリーダーシップなのだと気づかせていただきました。もちろん、他者からの呼びかけやアプローチによって、そのインナーボイスが起動されることもあるので、いかにコミュニケーションやネットワークを大事にするかということです。まさしく、鬼丸昌也さんは、それを長らく実践し続けてこられたのだと確信したのです。
 自分の夢がみんなの夢になっていくためには、人の共感と信頼をいただくことが必要です。そのためには、実践しかないのですね。そして、自分より大きなものに挑み続けながら、確実に成果を出していくことなのです。

「リーダーシップは自分の人生を生き切ろうとする人すべてにあるもの」

 とんでもなく大きく、重要な気づきでした。

 ちなみに、野田智義先生のご著書「リーダーシップの旅」(光文社)には、つぎのように書かれています。
 起きた物事に対して自分から行動をすることでリーダーに1歩近づいていきます。1人1人が物事に対して感じることや、考えることは様々で、当然、行動パターンも異なります。自分が大切にしていることや興味があることも違って当然です。
 起きた物事に対して自分は何ができるのか考え、まだ見ぬ未来に向かって行動を続けることで、誰もがリーダーの切符を手にできると述べていらっしゃいます。
 ならば、何に対して取り組むのか?
 それは、自身が熱い気持ちをもって、取り組めること。そこに情熱を注ぐのです。心が動くことに向かって行動を起こすと、自分自身を最大限に活かすことができます。自分の考えや思いを大切にしつつ、どんな自分でありたいかを明確にすることが最初にやるべきことです。
 つまり、真のリーダーシップとは、まずは、自分自身が自分自身を引っ張っていくリーダーであることが大切だと述べられています。
 自分自身のリーダーはいつも自分です。自分がどう生きたいかというライフビジョンでもあります。自分の気持ちに深くフォーカスし、人に伝えることが多くの人を惹きつけ、強いリーダーシップにつながっていくからです。
 何か新しいことを始める時は当然1人です。先述した、マザーテレサもキング牧師もはじめは「1人」でした。伝えていくうち、行動していくうち、思いと行動をともにしたいと思ってくれた人が少しずつ集まり、やがて1人の自分の夢が広がり、たくさんの人の夢になっていきます。

 思えば、舩井幸雄の「本物」(現在は、“ほんもの”と表現しています)への思いも、たった1人から始まりました。そして、その思いの具現化として、2003年に「株式会社本物研究所」は産声を上げました。
 その当時のキャストは、私を含めて3名。
 あれから20年……。テラ・ルネッサンスと同じです。
 その間、本物研究所を動かしてくれるキャストは、700名を超えました。
 社員、販売店、メーカー、関係者……。
 少しは、自身をあるいは私たちを褒めてあげてもいいのかな……と、野田先生のお話を伺いながら感じていました。ただただありがたいことだと深く感じ入っています。
 いまの時代、リスクは様々に存在するわけですが、それらを抱き抱えながら、前に進んでいこう……。そして、より多くの人たちに価値を提供していこう……。
 そんなふうにあらためて覚悟することができました。
 野田先生は、「良き企み」を実践し、さらに「企む力」を育もうと、さらに勇気をくださいました。
 まさに、テラ・ルネッサンスは、だれもが歩んだことのない道なき道を開拓し続けてきた20年だったのですね。この「良き企み」が、今後もさらに広がり、深まっていかれることを、心から敬意を表し、微力ながら応援し続けていきたいと思っています。

 自分が「そこ」にいる意味がわかること。
 それこそが、新時代のウェルビーイングだと教えていただきました。
 つまり、自分自身の人生を生き切ることこそが、本来のウェルビーイングだということですね。

人はいつでも、
いつからでも、
いつまででも、
変わることができる。

 その思いを持ち続け、変わろうとすることもまた、自分のなかのリーダーシップなのですね。
                             感謝

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2022.07.25:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】“ほんもの”のリーダーシップ (※佐野浩一執筆)
2022.07.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】時代に挑む (※舩井勝仁執筆)
2022.07.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】レジリエンスと自己コントロール (※佐野浩一執筆)
2022.07.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】宝島 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けている。
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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