トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2023年3月27日
伝説の実在性 (※舩井勝仁執筆)

 アメリカのFRBは22日のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%の利上げを決定しました。シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻がクレディスイス銀行に飛び火(結局はスイスの金融当局が主導してUBS銀行による救済合併で落ち着いた)して金融システムの崩壊の危機が迫っているのではという危惧がささやかれています。友人の中には、もし金融危機が発生したらリーマンショックの20倍程度の規模になるのではないかという意見を持っている人もいて、パウエル議長をはじめとする金融当局者は、なんとしても銀行破綻の連鎖を止めたいと考えていると思います。
 しかし、上昇率が多少抑えられたとはいえ、まだ高インフレ状態が続いているので、一部でささやかれていたように、利上げのストップは議論をしたとは発表されましたが、結果的には小幅にはなりましたが、利上げの継続を選択しました。マーケットは年内の利下げや金融緩和措置の再開までをも取り込み始めていますが、まったく金融政策がどうなるかはFRBの当局者を含めて誰にも読めないので疑心暗鬼が渦巻いていて、ちょっとしたニュースで相場は乱高下する状態です。
 日本でインフレ傾向がどこまで続くかはわかりませんが、デフレの時代には有利な選択だった現金(預貯金を含む)で資産を持っておくことはインフレ状態が続けば確実に損失が出てしまいます。だから、資産を守るためには何らかの投資をする必要性が出てくるのですが、株式に投資をしようとしても乱高下状態で恐怖を感じますし、それなら国債などの比較的安全資産とされている債券投資をするという手もありますが、朝倉慶先生などは、債券市場のバブルが一番危ないのでないかとご意見を教えてくれているので、これも迂闊に手を出せない状態です。
 実際にアメリカでは利上げによる債券価格の低下により、銀行全体で80兆円の含み損を抱えていると言われていて、これが破綻行以外の中堅銀行が信頼されていない大きな原因になっています。FRBは、米国債については額面までを担保にして銀行に資金を貸し付けると発表しているので、含み損が現実化される事態は避けられていますが、中堅銀行がリスクを取り過ぎて過大な運用をしていたことに対する監督責任を問われていて、難しい状態にあることは間違いありません。
 インフレの状態も比較的マイルドで、アメリカに比べれば格段に銀行などの金融機関に対する規制も厳しい日本は金融システムも安定しています。来月から日銀総裁に就任する植田和男新総裁も当面は金融緩和措置を継続すると表明していますし、為替に大きく左右されますが、企業業績も好調に推移していると言われていますので、日本株をしっかり研究して投資を考えるのは悪くない選択かもしれないと思います。
 先日、「ザ・フナイ」の巻頭対談をさせていただいたトルコ出身で複眼経済塾の塾頭をされているエミン・ユルマズ先生は、四季報を全部読んでいるという話をしてくれました。
 私のお金の師匠であった竹田和平さんも、株式投資をするには四季報と日経新聞を読んでいれば十分だと話してくれていたことを思い出しました。私は、四季報を買ってもいませんが、そんな投資手法もあるのだということは興味深く感じました。3月17日に新しいものが出たばかりですので、ご興味がある方は一度四季報を購入されるか、まあ書店で立ち読みなどをしてみるのもいいかもしれません。自分なりの投資に向けての考え方を持つことは大事なことだと思いますので、興味の持てる分野から始めていただければと思います。

 今回紹介する本は、林房雄著『神武天皇実在論』(ハート出版)です。数年前に復刻版が出たものですが、オリジナル版は1971(昭和46)年に出たものです。タイトルにあるように、戦後のリベラルな考え方の影響を強く受けている一般的な論調としては、伝説的な存在で実在性が疑われている神武天皇は実際にいらっしゃったということについて書かれた本です。多く方が知らないとされる古事記以前の日本史を辿って行き、それを根拠として神武天皇やそれ以前にも天皇(大王と呼ばれていた)は存在したと主張していく内容です。
 神武天皇が奈良県の橿原で即位されたのは皇紀の考え方で言えば2683年前(西暦に660年足せば簡単に計算できます)の2月11日だということになっていますので、これが正しいとすれば、天皇家は断トツで世界最古の王朝となります。想像すると夢のある話であり、好奇心を刺激される内容ではあります。日本人のルーツ等、実際の研究を基にした一定の根拠と共に語られない年代の歴史を探っていくもので、現代における信ぴょう性についてはやや疑問も残りますが、筋道の立っている内容でもあります。
 実際、興味を持つきっかけを得る機会も少ない、神話的な存在とされる時代の歴史。民族のルーツなどを考える機会を、本書から与えられたかもしれません。思想的な部分も入っており、万人受けする内容ではないかもしれませんが、単純にあまり語られない時代の学説を読むと考えればどなたでも楽しめる内容です。当然古いものには諸説があり、歴史は最新の研究や流行によって有力説が変化する曖昧なものだと考えれば、一部の可能性として触れれば、歴史を見る際に面白さが増すエッセンスを加えてくれる歴史書なのかもしれません。
 私は解説を書かれている宮崎正弘先生のメルマガを愛読しているので、それで興味を持って購入したのですが、古事記や日本書紀以前の文章にもスポットライトを当てている本書は、現実と真実の意味を考えるというスタンスを持つと、神話としての天皇家の歴史は日本人としては共有したいものだと個人的には考えています。

 記紀以前の文献のひとつとして注目が集まっているものに「ホツマツタエ」があります。「ホツマツタエ」研究の第一人者のいときょう先生とご一緒させていただく十種の神宝(とくさのかんだから)のセミナーを4月2日(日)に開催します。三種の神器より古くから日本に降ろされたと言われる十種の神宝を使いこなすことができれば、天下が取れるのだと教えてくれた友人がいました。確かに、平清盛、足利義満、それに織田信長などは、一部の神宝を自由自在に使うことで天下を取ったのではないかという仮説を感じています。
 その辺りの研究成果を当日はお話させていただきたいと思いますし、十種の神宝のことも書かれているという「ホツマツタエ」の話をいときょう先生に存分にしていただきたいと思いますので、ご興味がある方はご参加いただければと存じます。舩井幸雄は「カタカムナ」の研究をされていた楢崎皐月先生を尊敬していましたが、「ホツマツタエ」の存在も注目していたのだろうと思います。封印されている日本の歴史にスポットライトを当てる時代になってきたのかもしれません。
                           =以上=

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2023.03.27:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】伝説の実在性 (※舩井勝仁執筆)
2023.03.20:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】正解のない時代 (※佐野浩一執筆)
2023.03.13:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】ループの力 (※舩井勝仁執筆)
2023.03.06:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「これでいいのだ!」 (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けている。
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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