トップが語る、「いま、伝えたいこと」
2週間前の前回は、高市内閣が成立する前日で、それからトランプ大統領がやってくるわ、いわゆるサナエノミクスを期待する高市トレードで日経平均株価が51,000円の大台を超えるわで、目まぐるしい日々を私たちは送っています。為替相場も激しく動いていて原稿を執筆している10月31日(金)の早朝時点では、前日比2円以上の円安で154円台を2月以来の水準で付けています。10月末の金融会合でFRBが利下げし、日銀が利上げ含みの政策の余地を発表したにも関わらず、既定路線になっていた12月のアメリカの利下げをパウエル議長が慎重に対処するというタカ派(金利を上げてインフレに備える)路線を打ちだしたことに対するサプライズを受けての円安の動きです。
円安とアメリカ株が堅調ということで、日経平均も大きく下がることは考えにくいのですが、少し気になるのは秋が深まりつつある季節の流れです。株式相場は不思議な特徴を持っています。その後の世界経済に大きく作用するような事件はほぼ秋に起こっています。トランプ大統領はとても機嫌よく日本訪問を楽しまれましたが、来年に任期が迫っているパウエル議長の後任を年内にも発表するのではと言われていて、それによってアメリカの金融政策が大混乱する懸念がささやかれています。やはり、財政積極派の高市総理も日銀の利上げには拒否感を持っているのではないかという見通しも語られていて、日米とも金融政策に対する政府の介入が心配されています。
それが現実化するようなことになれば、突然の大暴落という事態すらあり得るのかもしれませんし、一部の方からは11月のアメリカの金融相場は気を付けた方がいいのではないかという見通しを教えていただきました。
7月5日に日本に大きな天変地異が来ると言われた警告と同様に懸念が共有されることで回避する力というか集合無意識が動く可能性もあるのだと思いますが、どちらにしてもかなり相場が前のめりになり過ぎている事実はあると思うので、一度ポジションの見直しを考えておくいい機会なのかなとも感じます。
いつも書いていますが、長期投資を指向されているのであれば、上がればハッピーですし、下がればラッキーで絶好の買い場がやってきたと思えばいいのですが、投機的なものはよく考えようという時期がやってきたのだと思います。お金は単なる情報です。入ってきたものは上手く出して循環させていくのが、お金と上手く付き合うコツだとも思いますので、できればもう少し大きな視野で社会全体を考えながら、例えば利益が出た分をどのように社会に還元していくかを考えていくことも大切になってきたと思います。
物価高で困っている支援団体はたくさんありますので、儲かっている一部を寄付に回していくのが大事なお金の活用方法であることを学ぶいい機会だと考えていただければ幸いです。本物研究所の佐野浩一会長から紹介された認定NPO法人D×Pや認定NPO法人テラ・ルネッサンス、それに公益社団法人難病の子どもたちとその家族に夢を等はいい候補になると思います。
今回は、赤塚高仁、石田平和、山元加津子著『聖書』(モナ森出版)を紹介したいと思います。聖書に対して、読む上でのハードルを下げるという意味ではなく(499ページ構成であり、文字数や厚み自体は本書も相当なものがあります)、我々現在を生きる人間が受け入れやすい形に再構成し、教えてくれる、そんな一冊と言えます。そもそも聖書はあくまでも宗教書であり、1%しかキリスト教を信仰していない日本人にとっては、その時点で手に取る難易度が高いのです。そこからの脱却というこの本の試みは非常に意欲的であり、イスラエルに多くの人を導いている赤塚高仁先生の活動の意義のひとつを達成するために必要であり、我々がそれを理解するためのピースとなるツールなのかもしれません。
既存の聖書を再構成、解釈する本当の違いについては内容もありますが、デザイン面が大きいかもしれません。独自の販路を持つモナ森出版だからこそ可能な、本屋には置きづらい革の表紙と箔押しが厳かな雰囲気を醸し出しており、内容についての説得力を増す効果を持っているように感じます。赤塚先生は実際に何度もイスラエルを訪れており、様々な関係者との繋がりの中で独自の発達した世界観を持っていることが理解でき、一般的な日本人が書いた聖書に関係する本と比較してある種の深みのようなものが存在するような気もします。
内容については聖書であり、独自解釈部分については宗教的な問題もあるのであまり触れずにおきますが、興味深い読み物として成立しており、聖書に触れてこなかった方ならば、小説として読むことも可能かもしません。電子版はもちろん一般書店でもアマゾンでの販売もありません。予備知識も無く、赤塚さんのファンでも無い方にはとてつもなくハードルが高く感じる一冊なのかもしれませんが、聖書に関心がありスピリチュアルに精通している方なら、読んで損がない一冊なのかもしれません。
赤塚先生やイスラエルの大学で古代聖書の研究をされた石田平和さんの考え方をよく知っている山元加津子さん(かっこちゃん)が、思想を伝えていくことを託された科学者の村上和雄先生(代表的な著作に『生命の暗号』(サンマーク出版)等があります)が提唱したサムシンググレート(大自然の見えざる力)の思想に基づいて再構築したものだと私には感じられています。一神教の罪を罰する怖いイメージの神を、優しさあふれるサムシンググレートの視点で再構成したと考えれば一番わかりやすいと思います。読みやすく、手に取るだけで心が温かくなる『聖書』をぜひお試しください。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |











株式会社船井本社 代表取締役社長



















