トップが語る、「いま、伝えたいこと」
先週のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRBは市場の予想通り3会合連続で0.25%の利下げを決めました。委員の意見が分かれていて少し不安を感じますが、市場の予想よりもハト派(利下げを進めていく)的な発表だったと受けとめられてマーケットは一安心というところです。オラクルの業績が思ったほどの水準ではなかったということを材料に12月11日(木)には日米とも株式相場は大きく下げましたが、上がり過ぎていたものを修正するいい口実だったというのが市場の受け止め方で、まだ上昇基調の潮目は変わっていないと思います。実際に、12日(金)には日米ともかなり上げて、このトレンドが確認できました。
(13日(土)の朝の時点で日経平均の先物が760円安の5万円ちょうどになっています。週明けはかなり下げて始まると思われます。本当に乱高下が繰り返されますね。要因はAI等のハイテク株が上がり過ぎている懸念で米ナスダック市場の急落です。)
今週、日銀が金融政策決定会合を開きますが、こちらは多分0.25%の利上げをしていくことになると思います。足下のインフレ率が下がらないことの警戒感を日銀は強く感じているので、こちらも大きな波乱はないのではと予想されています。中央銀行に対して強硬なイメージが強い現在の日米両国の政府ですが、ジャブは繰り出しますが、いまのところ金融秩序を壊すような行動には至っていませんので安心感が漂っている状態です。アメリカはパウエル議長の後任人事、日本は大きな補正予算が提出されたことによる財政秩序の問題という懸念はありますので、まったく安心できるわけではありません。ただ、大きく言うとマネーが投資先を探して右往左往している状態なので、株価の右肩上がりの状態が中期的にはまだ続くと見ていて問題ないと思います。
いつも書いていることですが、インフレ下で預貯金などの現金にしておくと実質的に価値が目減りしていきます。いまの株高は株価が上がっているというよりも現金の価値が下がっていると考えた方がいいのだと思います。日本人は個人資産の50%超をいまだに現預金で持っています。投資はリスクがありますが、株式や投資信託を買える人と買えない人の格差がどんどん広がっていきます。私のお金の師匠だった竹田和平さんは、投資の極意は不要不急の資金でやること、基本的には長期投資(最もいいのは積立投資)で、買ったことを忘れるぐらいになること。忘れるのが無理なら、値段のチェックをしないことと言っていました。
投資を始める人が最初によくやるパターンは少し値上がりすると喜んで利益を確定させるために売ってしまうこと。また、値下がりしたら売らないで塩漬けにしてしまうこと。下がった株は頃合いを見て損切りをして損失を確定させ、それから新しい銘柄を探すことが大事です。そして、ちょっとの値上がりで売らずに我慢することも成功するポイントです。これができないと少しの値上がりを積み重ねた利益が損切りできずに膨らんだ損失に負けてしまうことになりがちです。それとネット証券会社を使った方が手数料は安いのですが、あまり売買をしないのなら無理をしてネットで頑張らなくても証券会社の窓口で手続きをして電話で売買の注文を出すようにするのもアリです。インターネット証券会社に口座が開けなくて投資をあきらめる人の話を聞きますので、自分がやりやすい方法論を探すことも大事です。
今回は眞嶋英郎著『ビジネスYouTuber3.0 中小企業のための信頼構築型動画戦略』(セルバ出版)をご紹介したいと思います。著者の眞嶋先生は総合商社や大手アパレル小売業での経験を活かし、コンサルティング活動をされています。25年ぐらい続いている異業種交流会のメンバーでもあり、3カ月に一度ぐらい食事を共にしながらお話をさせていただいています。
動画コンテンツはビジネスにおいて切っても切り離せないものとなっており、今後力を入れようとする企業は確実に増えています。しかし何のノウハウも持たない方が多く、また効果的な活用方法を見出せない方が大半ではないかと思います。この本では有効な使い方、以前から変化した現在の社会ならではの最新の活用方法について解説してくれます。
例えば第1章の部分。進化が進んだ『3.0』と評される時代、詳しくない我々からするとYouTubeや SNSは再生数や登録者、フォロワー数こそが重要であると考える傾向にありますが、これらのみに注視するのはすでに時代遅れであると解説されています。その理由は数字=成果に繋がらないから。例えば実際に動画配信自体を生業にする方ならそれらの指標も重要であるのでしょうが、ビジネスとして企業側が活用する場合はまた話が変わってくるのは確かに納得ではあります、いくら数を集めようが、本業に寄与しなければ何の意味もないわけですから。
今の時代は広く浅くではなく、狭くて良いの深く視聴者にアプローチをするべきであり、自己をPRする、会社に興味を持った相手に好印象を与える自己紹介的なツールとして活用する方法も有効でありそうで、その為に必要な方法についても詳細に書かれているので、教科書として非常に役立ちそうです。バズりを狙う従来のやり方とは違い、こちらは偶発的な要素に頼るのではなく、計画的に組み立てができるので、今のインターネットの世界に適応しているとは言い難い方でも比較的手を出しやすい方法であるように感じます。商品や自らの事業について売り込むのですから、動画の専門家ではなくそのジャンルの専門家であることが生きるやり方であるのも、その道のプロの方が多く在籍する会社であればなお効果的でしょう。
また SNSとの連携についても解説があり、上手く活用することでよりニッチな層にダイレクトで繋がることが可能となります。人手や資金に余裕のない中小企業でも、これらの方法なら低コストで本当に求めている相手にアプローチすることが可能になります。ビジネスYouTubeに興味がある、しかしやり方が分からずに手を出せない、実際に試みたが上手くいかなかった。そんな方、特にタイトルにもあるように中小企業であるなら尚更、道標として価値のある本であるように感じました。
目立つ数字だけを追い求めない、本当に必要とされるYouTubeの活用方法、この本を読んで、ぜひ試してみてください。
=以上=
2025.12.08:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】未来への一歩。こうしてぼくたちは出会った……。 (※佐野浩一執筆)
2025.12.01:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】副島先生の中国本 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |










株式会社船井本社 代表取締役社長



















