トップが語る、「いま、伝えたいこと」
ホルムズ海峡が実質的に封鎖されている状態はいつになったら解決に向かうのでしょうか。トランプ大統領が、アメリカが勝手に戦争を止めるということを示唆したことで市場はそれをプラスに受け止めて原油価格も下がり株価も上がっていました。ただ、いざ国民向けの演説を聞いてみると徹底的にイランを攻撃するという内容で、いつものようにTACO(トランプはいつも腰砕けになる)でなかったことの失望感から、ちょうど会見中にマーケットが開いていた日本市場の株価が暴落しました。金融市場はいつものことですがトランプ大統領の言動に振り回されています。
翌日はその反動からか半値戻しぐらいの水準で推移しましたが、なんとなく情報を集めてみるとホルムズ海峡危機(イランや中東の方には申し訳ありませんが金融市場からみれば当面はここに焦点が集まっています)は半年ぐらい続くのではないかというのがコンセンサスに近いような気がします。トランプ大統領はやめる気満々なのですが、どうもイスラエルが止めさせてくれないのではないかという見方もあります。さすがに考え過ぎのような気もしますが、トランプ大統領も巻き込まれそうなエプスタイン事件はイスラエルのモサドという情報機関が仕掛けたもので、アメリカの有力者はほとんど弱みを握られてしまいイスラエルに逆らえない状態になっているのではないかという見方もあるようです。
イスラエルから見たら、せっかくアメリカを巻き込んでイランへの本格的な攻撃を実行したのならば成果がでるまでトコトンやるのが一番国益に叶います。建国以来ずっと危ない状態をなんとか潜り抜けてきたイスラエルにとっては、イランと支援されているテロ勢力を除くと安全保障上の大きな問題はなくなっているのが現状です。万が一にもイランが核武装するようなことがあれば、その安全保障が崩れてしまうことになるので、エネルギー価格が上がるぐらいの犠牲を世界のマーケットに与えても何とかイランの体制転換にまでこぎつけたいと思っていると考えられます。国を守るためなら世界から嫌われることは厭わないのが危機的な状況に絶えずさらされてきたイスラエルのあり方です。
トランプ大統領は一次政権の時に繰り返した悪い癖で自分の思い通りにならなくなってくると長官の首を切るのですが、まずは司法長官を更迭しました。まだ、気に入らない閣僚が何人かいるという報道もありますので、普通の政権ならば末期的な症状になりそうな悪いパターンを繰り返すことになりそうです。以前と様相が違うのは盤石だったトランプの岩盤支持層にもエプスタイン問題とイランへの苛烈ともいうべき攻撃で支持離れの傾向がでてきたこと。このままいくと中間選挙で負けてしまうことが、ちらつき始めたというところなのかもしれません。
国家レベルの危機管理とは次元が違うのですが、今回紹介させていただく本は、大村大次郎著『完全図解版 税金を払わずに生きてゆく逃税術』(ビジネス社)で、我々の危機管理にとって、とても大事な税金について考えていきたいと思います。大村先生とは、「ザ・フナイ」で対談させていただいたこともありますし、同誌でご連載をしていただいたこともあります。税金に対する深い知見は税務署のご出身の税理士の先生方とは違う意味でのすごみを感じさせてくれる存在です。
税金は我々を常に悩ませるものです。所得税から消費税まで、あらゆる部分に存在し、税金と無縁で生活するのはほぼ不可能ですし、日々頭を悩ませている方も少なからずいらっしゃるのだと思います。どうにかして税金を節約したいですが、非合法な手段を利用するのは当然あり得ない行為で絶対にやってはいけません。聞きかじりで節税をするのはあらゆる意味でリスクの高い行為ですし、専門家にお願いするのもハードルが高い面もあります。大事なポイントとして悪口ではなく、税理士の先生はいざという時は税務署側に付くのだと考えておいた方がいいと思っています。それをわかった上でアドバイスをもらうというのが正しいあり方です。
しかし元国税調査官の大村先生はどちらかというと反税務署の立場で実務経験を基に合法的で問題なく税金から逃れる方法を解説する情報を多数発信していて、誰に取っても手に取る価値のある一冊です。良くも悪くも話題になる海外を利用した節税方法や意外と正確に把握している方が少ないと思われる個人事業主や経営者目線の経費等がどこまで適応されるのかなど、比較的社会的地位や金銭面で裕福な人間に対するスキーム。さらに、よく使われている住宅関係を利用した節税の詳細な解説や、話題になることの多いサラリーマンに対する重たい税金を少しでも解消する手段、そして誰もが活用できる所得控除や資産運用、贈与税などを利用した方法など、あらゆる人にとってどこかには気になる部分のある内容となっています。
あらゆる部分に税金はかかっており、改めてその重さを感じるとともに、逆に税金の仕組みを知っている人間と知らない人間では、個人の危機管理としてとても大きな差が生まれる事を実感させられます。その為本書を読んで学ぶことで、かなりのアドバンテージを得ることができるのは間違いないでしょう。私のお金の師匠であった故・竹田和平さんは、たくさん稼いでたくさん納税することの大切さを説いていました。和平さんの時代は、いまよりも所得税の累進課税などが厳しい頃で、経営者としては大なり小なり何らかの節税方法に励まないとやっていけない時代でした。ただ、あまり節税という後ろ向きのことばかり考えていると、経営に不可欠の前向きの姿勢が失われていくことを警告してくれていました。
節税には気をつけなければならない点もあります。一つは倫理的な問題。特に海外を活用した税の回避については、世間的に大きな批判を受ける可能性があるモノである事を理解しておく必要があります。また、現在は合法であっても将来的には認められなくなる可能性も否定できないので、紹介された方法を活用する前に改めて確認をする必要があります。税務署からすれば極端で露骨な回避方法は心象が悪くなり、目を付けられて将来的に何らかの不利益を被る可能性もあります。
ロバート・キヨサキ先生の名著『金持ち父さん、貧乏父さん』(筑摩書房)に明確に書かれているのは、お金持ちになるためには賢く節税をするというか、節税ができる立場になることが大切だということです。節税に関しては、昭和の時代は目をつむってもらえることを前提とされていた部分もありましたが、いまは社会的に、その許容量が激減していることをしっかり理解した上で、制度に沿った正々堂々とした方法で税金について考えていきたいものです。税金のあり方を見ると国が国民に何を求めているかがよくわかりますので、その方針に沿ったやり方をしていると大手を振って生きていけるので、お金持ちになれるのかもしれません。これも、危機管理の一種としてしっかりと向き合っていきたいものです。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |










株式会社船井本社 代表取締役社長



















