トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2026年5月4日
我欲の克服 (※舩井勝仁執筆)

 4月30日(木)の夜に政府日銀が為替介入を行い、その結果160円台後半まで進んでいた円ドル相場が5時間で5円以上円高になり155円台になりました。原稿を書いているのは翌5月1日の早朝ですが、現在はやや値を戻し156円台で推移しています。当局が一番恐れていたのは、GWの薄商いでこれ以上の円安が進んでいくことです。海外のマーケットは開いているのに日本市場が閉まっているということは実需がなくなるということなので仕掛ける方からするとやりやすいタイミングで、市場は一段の円安を狙っていたとも思えます。それを断固防いだという意味では効果があったと評価してもいいのだと感じます。
 もうひとつの背景はイラン情勢の解決のめどが立たないことで起こった原油高が主な原因で(代表的な先物指標であるWTIが1バレル110ドルに迫っていました)、4月30日の日本市場がトリプル安(株安、為替安、債券安(金利は上昇))になってしまったことがあげられると感じます。専門的にはトリプル安の状態はその国の経済がマーケットからの信認を失っているサインで継続するようならば金融市場は危機的な状態にあるとみられます。深読みすると、市場でかねてから囁かれていた為替介入をやるなら早くやってくれ、と誘導したとも見ることが可能だと思います。
 今回のソブリン(政府のこと)VS市場の戦いはほぼ互角だが印象的にはソブリンがやや優勢の勝負だったと見てもいいのかなと思います。ソブリンは連休中の為替の安定という時間を買うことに成功しました。マーケット側から見ると時間を売っておいて、本格的な勝負はGW明けに持ち越し、また改めて攻めどころを考えていこうという流れになるのでしょう。イラン情勢は日々動いていて、ちょっとしたニュースで大きくマーケットが変動する状態が続いていますので、勝負を焦らないでじっくりと待つという戦略なのだろうと感じます。
 日々の市場の流れはいろいろあります。日経平均株価は終値で6万円の大台を付けた後は大きく下げていますが、トレンドで見るとまだ上げ基調にあるのではないかと感じています。朝倉慶著『株はもう下がらない』(ビジネス社)や武者陵司先生と朝倉先生の共著『生き延びるために株を買えーインフレはどうなるのか?』(かや書房)を読んでいただくのがいまは相場をやる上で最も参考になると思っています。ただ、全面的に朝倉先生に賛成しているわけではありません。客観的に言うと、高市政権の経済政策の効果がはっきり見えてくるまでの間は少なくとも朝倉推しで相場に臨めばいいのではないかと考えています。

 為替介入やトリプル安など大きな変動があった時は、それの抽象的で概念的な意味を考えて感じてみることがとても有効だと思います。そんな直感的で天才的な能力を磨くことを推奨している菅仁著『3秒で夢実現! 量子力学シンキング 超思考で自分の天才性を解き放つ』(徳間書店)を今回は紹介させていただきたいと思います。
 著者は東大工学部を卒業後、エンジニア、コンサルティング、新規事業開発といういま得るべきだと考えられる能力を全て身につけるという成功体験を積んできました。しかし、組織での人間関係に悩み鬱になってしまい、30代で早期退職をして主夫になりました。すごいのはそこからで、キャリアを活かして体験に基づく超思考の方法を体系化して主に企業向けに販売してきました。
 そして、本書で初めていままではBtoB(企業向けのサービス)としてやっていたものをBtoC(個人向けのサービス)として世に問うことに挑戦しています。内容は、スピリチュアルと科学の融合、曖昧な部分を科学すること。科学を専門としながらも、自らの経験によって虫の知らせや直感など感覚的な部分にも、科学的な要素があるという視点を持った理論です。見えないものを科学する際に用いられるのは、ローカル脳とクラウド脳という概念。簡単に言えば自分の脳であるローカルと、皆の集合意識であるクラウドという認識で扱います。
 クラウド脳はその存在を意識した上でも取り扱いが難しい存在ですが、過去の偉人や成功者の多くはそれを持っていたように思います。しかしその電波をキャッチするためのアンテナの感受性を高める方法はあるということが本書の中でいくつか紹介されています。クラウド脳は生成AIと対話を繰り返す壁打ち的な役割や、自らに客観性をもたらしてくれる存在でもあり、それを鍛えると役に立つというのは、実感的には納得できます。ただ、正直に書くと、ここまでだとどこかで聞いたことのあるものに近いようにも思えました。
心理学や社会学的な視点で見れば違う方向から説明のできる内容の言い換えであるようにも感じられたのです。

 俄然、面白くなったのが終盤に出てくる我欲の項目です。著者の主張は我欲が最大の敵であり、それを超えて克服することが重要になってくるということです。そして、そこには舩井幸雄の言葉を引用しての解説がありました。その中に『自分自身のコーチングは、自分ではできない』という記述があります。確かに、コンサルタントを生業としている父を含めた舩井家の人間も、自らのマネジメントはあまり得意ではないように感じます。
優秀な方にこそよく見られる傾向であり、そのために必要な客観性をもたらしてくれるものが脳の使い方です。それを開発するために記されている様々なワークも提示されていて、この部分ではとても腑に落ちました。スピリチュアル的な要素に興味がない方も含めて万人ウケする本では無いのかもしれませんが、とても鋭く参考になるポイントが随所に感じられます。どう捉えるかは人それぞれですが、著者の指摘している点に寄り添って、自分に刺さるポイント(私なら我欲の克服)を見つけていくことで非常に有益な一冊になるのではないでしょうか。
                     =以上=

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2026.05.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】我欲の克服 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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