日日日是好日 〜熱海だより〜 -熱海秘書　相澤智子-

このページは、２００９年１１月から（株）船井本社　熱海本社で船井幸雄の秘書として勤務することになった相澤智子（あいざわ　さとこ）によるコラムページです。
日々、船井幸雄やまわりの人たちと接する中で気づいたこと、学んだことなどを皆さまにお伝えしていきます。

熱海事務所に咲いている芙蓉です。

　皆さまこんにちは。
　時折吹く涼しい風に秋の気配を感じる今日この頃です。
　過ごしやすくなってきて、どこかへ出かけたくなりますね。



　さて３．１１以降、人々の防災意識がますます高まってきていることを感じます。
　
　皆さまも防災グッズをそろえたり、避難場所や家族との連絡の取り方を確認したり、いろいろとされているのではないでしょうか。
　
　日本は自然災害の多い国です。
　災害には、地震、津波、洪水、崖崩れ、地すべり‥‥など、さまざまなものがあります。

　先日も日本に大きな台風が上陸しましたが、日本は雨が多い国ですね。
　台風や梅雨という季節があり、冬には降雪もあります。
　そのため日本は水にまつわる自然災害が多い国です。


　地震については、世界で起きる地震の約１割が日本で発生しており、マグニチュード６．０以上の地震は、全地球の約２割もの地震が起きています
　世界の国土の０．２６％と小さな日本ですが、この日本だけでこんなに起きているのですから日本は地震大国といえます。


　さて、『環境防災学』という言葉をご存知でしょうか。

　「環境」と「防災」、それぞれ独立したもののように思える言葉ですが、この二つの分野を一つの体系として考えることの大切さを提唱されている方がいます。

　竹林征三さんという方です。


　先日船井から、竹林さんの『環境防災学−災害大国日本を考える文理シナジーの実学』（技報堂出版）という本を紹介されました。
　
　竹林さんについて、船井は「この人は僕の後輩で、日本一のダムづくりの名人だよ。勉強になるからぜひ読むといいよ」と教えてくれました。

　竹林さんは、京都大学工学部土木工学科を卒業後、同大学院修士課程を修了し、建設省に３０年弱入省され、建設省土木研究所　ダム所長、建設省土木研究所　環境部長、建設省土木研究所　地質官を務められました。
　現在、富士常葉大学名誉教授をされています。

　　
　船井は同じく京大の卒業生ですが、「京大の土木というのは、朝から晩まで一生懸命し、そうしないと卒業できないほど、本当に難しいものだったんだよ。昔は遊んでいる暇なんてなかったんだ」と教えてくれました。
　船井は京大の土木は日本一であると言っています。そして、日本一であると同時に世界一であると言っていました。
　
　ここで、同書のまえがきの一部をご紹介いたします。

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【「まえがき」より】

　「環境防災」とは何か―これは、まったく関係のない「環境」と「防災」という二つの概念をただ並べたものではない。この二つの概念は、互いに密接不可分な関係にあり、互いに補完し合わなければ、健全な体系にはならない宿命を背負っている。
　災害は最大の環境破壊である。その災害を減らそうとする防災は、環境保全対策の最も重要な根幹をなすものである。従って防災を考えるとき、望まれる環境形成にいかに資するかとい視点が最も重要な目標であらねばならない。

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　自然の力は、人間の力の及ぶものではなく、底知れないものです。
　日本人は東日本大震災を経験して、「絶対に安全というものはない」ということを実感しました。原子力発電や、津波から守る防波堤なども、これで完璧というものはありません。

　今までの歴史の中でも、先人達は何度も何度も災害の経験から学び、工夫を繰り返してきました。

　いつも自然の力は人間の想定できることを超えています。いくら科学が進んでも、自然とはそういうものであることを忘れてはならないと感じます。


　人間が自然の中でより良い環境の中で生きるにはどうしたらよいか。
　防災とは何なのか。
　災害とは何なのか。
　今私たちに必要なことが本書には書かれていると感じました。

　皆さまもぜひお読みください。

落ちた芙蓉の花。ぽてっとして 　　　かわいいです。

熱海事務所には大きな楠木が 　　　あります。

事務所のまわりは緑がいっぱいです。