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2011年7月14日
旧制1高と3高寮歌にみるエリート教育

 『ザ・フナイ』7月号の「幸筆」(巻頭言)に「良い好きな歌を口ずさもう」という一文を書きました。
 その冒頭の私の文をちょっと紹介します。

良い好きな歌を口ずさもう

 昭和20年代、私の学生時代は、各大学の校歌や旧制高校の寮歌とは、ほとんど縁のない時代でした。
 京大で学び、京大を卒業した私も、京大の校歌(正しくは学歌)すら知りません。旧制第三高等学校の有名な「紅(くれない)萌(も)ゆる」という寮歌は、三高は京大と合併した学校なので知っていましたが、大声で歌った記憶はほとんどありません。
 もちろん音痴だったからとも言えそうですが、寮歌は音痴であろうがなかろうが、だれでも歌える歌詞と曲からなっています。当時はそのような時代だったのです。
 その中で、たえず、口ずさんでいた寮歌があります。一つは三高寮歌です。
 もう一つは、「嗚呼(ああ)玉杯(ぎょくはい)に花うけて、緑酒(りょくしゅ)に月の影やどし、治安の夢に耽(ふけ)りたる、栄華の巷(ちまた)低く見て、向ヶ岡にそそりたつ、五寮の健児意気高し」という旧制一高(※)の寮歌なのです。
 矢野勘治(やのかんじ 1880〜1962)作詞、楠正一(くすのきしょういち 1880〜1945)作曲というこの名歌は、この二人が一高生の時につくったものです。いまでも気がつくと時々は「紅萌ゆる」とともに口ずさんでいます。
 一高のこの歌は、明治35年に生まれました。
 ともかく当時の旧制高校生は、エリートであり漢籍の知識のあったことが分ります。
 自治、自由にあふれ、特に一高や三高の生徒たちはのびのびと青春の一刻を過ごしていたように思います。
 しかも、大きな夢と将来への希望や意図が感じられますし、良い意味でのエリート意識が湧き出ています。現代人は、それをイヤだと思う人も多いでしょう。 
(※)旧制一高:現在の東京大学教養学部、および千葉大学医学部、同薬学部の前身となった旧制第一高等学校のこと。(転載ここまで)


 いまの若い人は旧制の学校制度をほとんど知らないと思います。
 ともかくアメリカというよりGHQ(占領軍)が、「日本人を骨ぬきにし、二度と立ち上れない民族にしよう」と考えて行ったのが、日本国憲法を押しつけたことと、学校制度の変更(特に旧制高校の廃止)だと言われるくらいですし、私は、あと一年早く生まれていると旧制高校のさいごの学年に入れる可能性もあっただけに、この辺のことはよく知っているのです。
 戦後、GHQは、日本の官僚制度は、そのまま残しましたが、旧制高校の経験者がいなくなってからの’90年以降の日本は、本当に官愚の国、そして必然的に政愚の国になってしまいました。
 その辺のことを「幸筆」に書きたかったのです。
 かつて李登輝さんが台湾総統であった時(彼は台北高校から京大の農林経済学科に進んだ人で、京大の農林経済学科を卒業した私の10年ほど先輩になります。
 ただ日本の敗戦で、台湾に帰国させられたので、彼は京大は卒業していません。が、後輩として特別にいろいろなことを話してくれました。)
 総統府で、彼は、戦前の日本をつくったのは旧制高校の制度を含めた学校制度にある……と詳しく話してくれたのです。
 これは私も同感です。
 しかも、その理由が、いまの最先端の量子物理学ではっきりしてきたのです。
 これを知りますと、当時のエリート中のエリート高校だった旧制一高と三高の代表的な寮歌を、時々口ずさむクセのある自分を、それなりに許せるし、みとめる気になりました。
 その辺もそれとなく幸筆に書きました。
 多分、いまの皆さん方にとっては、歌詞を読むと、ともにおもしろくない歌だと思われるかもしれませんが、それなりの意義のあった歌として以下に二つの両高校の代表的な寮歌を紹介します。客観的に歌詞をお読みください。どちらも私が時々無意識に口ずさんでいるものです。

「嗚呼玉杯に花うけて」
     (一高第12回記念祭寮歌)
矢野勘治作詞・楠正一作曲

嗚呼(ああ)玉杯に花うけて
緑酒(りょくしゅ)に月の影宿(やど)し
治安の夢に耽(ふけ)りたる
栄華(えいが)の巷(ちまた)低く見て
向ケ岡(むこうがおか)にそそり立つ
五寮の健児(けんじ)意気高し

芙蓉(ふよう)の雪の精をとり
芳野(よしの)の花の華(か)を奪い
清き心の益良雄(ますらお)が
剣(つるぎ)と筆とをとり持ちて
一たび起たば何事か
人世の偉業成らざらん

濁れる海に漂(ただよ)える
我国民(わがくにたみ)を救わんと
逆巻く浪をかきわけて
自治の大船勇ましく
尚武の風を帆にはらみ
船出せしより十二年

花咲き花はうつろいて
露おき露のひるがごと
星霜移り人は去り
舵とる舟師(かこ)は変るとも
我(わが)のる船は常(とこし)えに
理想の自治に進むなり

行途(ゆくて)を拒むものあらば
斬りて捨つるに何かある
破邪の剣を抜き持ちて
舳(へさき)に立ちて我呼べば
魑魅魍魎(ちみもうりょう)も影ひそめ
金波銀波の海静か

「紅萌ゆる丘の花(三高逍遥の歌)」
沢村専太郎作詞・k.y.作曲

紅(くれない)萌(も)ゆる丘の花
早緑(さみどり)匂う岸の色
都の花に嘯(うそぶ)けば
月こそかかれ吉田山(よしだやま)

緑の夏の芝露(しばつゆ)に
残れる星を仰ぐ時
希望は高く溢(あふ)れつつ
我等が胸に湧返(わきかえ)る

千載(ぜんざい)秋の水清く
銀漢(ぎんかん)空にさゆる時
通える夢は崑崙(こんろん)の
高嶺(たかね)の此方(こなた)ゴビの原

ラインの城やアルペンの
谷間の氷雨(ひさめ)なだれ雪
夕べは辿る北溟(ほくめい)の
日の影暗き冬の波

嗚呼(ああ)故里よ野よ花よ
ここにも萌ゆる六百の
光も胸も春の戸に
嘯き見ずや古都(こと)の月

それ京洛(けいらく)の岸に散る
三年(みとせ)の秋の初紅葉
それ京洛の山に咲く
三年の春の花嵐

左手(ゆんで)の書(ふみ)にうなずきつ
夕(ゆうべ)の風に吟(ぎん)ずれば
砕(くだ)けて飛べる白雲(はくうん)の
空には高し如意ケ嶽(にょいがだけ)

神楽ケ岡(かぐらがおか)の初時雨
老樹の梢(こずえ)伝う時
檠燈(けいとう)かかげ口誦(くちずさ)む
先哲至理(せんてつしり)の教(おしえ)にも

嗚呼又遠き二千年
血潮の史(ふみ)や西の子の
栄枯の跡を思うにも
胸こそ躍(おど)れ若き身に

希望は照れり東海の
み富士の裾の山桜
歴史を誇る二千載(にせんざい)
神武(じんむ)の子等(こら)が立てる今

見よ洛陽(らくよう)の花霞(はながすみ)
桜の下(もと)の男の子等が
今逍遥(しょうよう)に月白く
静かに照れり吉田山(歌詞ここまで)


 私が何を言いたいかぜひ量子力学の勉強をされるとともにこの歌詞からお汲みとりください。
                                            =以上=

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