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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2015年3月2日
信用創造 (※舩井勝仁執筆)

 先日59歳で亡くなられた坂東三津五郎さんの訃報に接し、歌舞伎界の宝がまた1つ若くして消えたことに胸がふさがれる思いがしました。ご冥福をお祈りします。
 告別式でのご子息 巳之助さんのご挨拶、「父の芸は、誰にでもできるような小さな努力を、誰にもまねできないほど膨大な数を積み重ねた、ひとつの究極の形だったと思います」、の言葉にハッとしました。
 歌舞伎は劇場に足を運んで見たことがありません(実は来月はじめて見せていただきます)が、テレビで見た三津五郎さんの、そぎ落とされた美の究極ともいえる舞は、鮮やかに心に焼き付いています。

 ご子息の言われた努力と精進の姿、生きている世界は違えども、私も心の真ん中に置きたいと思います。先日、母と話していると、母は歌舞伎が大好きなようで幽玄な世界に誘われて本質に出会う体験ができる確率がかなり高いと話していました。私も来月の観劇を楽しみにしていますし、父がいつも言っていた守破離の世界を三津五郎さんの芸とそれを受け継がれるご子息の言葉から実感させていただきたいと思っています。

 毎日、さまざまなところで講演などをさせていただいています。
 これから日本の景気がどうなるか、我々の暮らしはどうなるかということをやはりよく聞かれます。私は経済評論家ではありませんが、普段超プロの先生方から、未来予測だけではなく、見方もしっかりと教わる機会があります。長年そのような時間を持つと、自分なりの見方、発想が出てきまして、最近すごいことに気が付きました。
 実は、資本主義はとっくの昔に終わっていたのです。

 みなさんは「信用創造」という言葉をご存知でしょうか。調べてみたら2012年11月に『舩井幸雄.com』の中に当時「『天律時代』の到来に向けて」というコラムを書かせていただいていたのですが、ちょうど安倍総理が就任される直前のまさにアベノミクスが始まろうというタイミングで「信用創造と日本独自の金融政策」という小論を書いていました。いま読み返すと、稚拙な内容に少し恥ずかしくなりますが、基本的なポイントは押さえています。

 「信用創造」という言葉は金融の教科書には必ず出てくる言葉です。「信用創造」が金融面から見て、資本主義の一番根本的な機能だからです。
 銀行が貸し出しを繰り返すことによって、銀行全体として、最初に受け入れた預金額の何倍も預金通貨をつくりだすことをさします。本来の信用創造は100万円が100倍になって1億円になる仕組みです。
 信用創造が成り立つためには、信用が絶対にゆらいでいないことが必要です。だから、銀行は何があっても貸したお金を回収しようとします。
 しかし、一番大事な信用は銀行間の信用です。実は、1997年にこの銀行間のマーケットでデフォルトが起こったことで日本の信用創造は機能しなくなりました。その後、日銀は仕方がなくゼロ金利政策や量的緩和政策を実施して信用創造の代替手段としていたのです。つまり、1997年というかゼロ金利政策が実施された1999年には、日本では金融面から見ると資本主義が終わっていたのです。

 2008年のリーマン・ショック後、欧米もその世界に遅ればせながら参入してきました。信用創造が成り立っていないので、すでに資本主義は崩壊しています。FRBは何とか信用創造を復活させるために量的緩和政策を昨年終了し、今年は ゼロ金利政策をやめようとしています。
 しかし、実は2000年と2006年に日銀がすでに出口戦略を試みましたが、失敗しています。景気が悪くなれば、絶対に出口戦略は取れないので、FRBの政策が成功するためには永久に景気が良い状態を演出し続けなければいけません。そんなことは資本主義経済では不可能なので、やっぱり出口戦略は成功しません。つまり、資本主義の復活はありえないのです。

 でも、私たちの暮らしは量的緩和政策を続けて問題を先送りしても何も困りません。だから、私は自然と資本主義経済システムが終わり、新しいやり方が広がっていけばいいと
思っています。
 日米欧の先進国は、金融資本主義経済の経営理念に則って国の運営をしていますが、経営理念を変えるとき、もしくはブラッシュアップする時期に来ているようです。

 先日、某所でこんなようなお話をさせていただきましたら、ふだん経済に興味のない主婦の方や学生さんに、「わかりやすかったです!」とお声がけいただき、うれしかったです。詳しくは3月5日の舩井メールクラブに書いていますし、今年中に詳しい本を執筆しようと思っているのでご期待ください。舩井メールクラブのお問い合わせはコチラまでよろしくお願いいたします。
                                            =以上=

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