トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2023年1月2日
繁盛店の生き残り策 (※舩井勝仁執筆)

 あけましておめでとうございます。本年も舩井幸雄.comならびに舩井本社グループの媒体をどうぞよろしくお願いいたします。
 今年は一体どんな年になるのでしょうか。年末には、多くの方に質問されましたが、答えはわかりません。わからないというか、近未来も含めて社会の行方は、私たち一人ひとりが持っている集合的無意識が決めていくので、今年の行方は我々の意識次第だということになるのだと思います。それだけ、私たちの意識の力が直接社会に反映されるようになってきたとも言えるのかもしれません。創造力を駆使して、無理のない範囲で想像可能な今年がどんなに良い年になるのかをお正月の間に考えていただければと思います。

 昨年は一時、150円を超える円安になりびっくりさせられました。背景には欧米で進む激しいインフレとそれに対処するために主にFRBが実施した利上げ政策がありました。それに対して日銀はかたくなに金融緩和策を修正しないということを言い続けていたのですが、12月20日の金融政策決定会合でついにYCC(イールドカーブコントロール)政策の見直しを迫られ、長期金利(10年物の国債)の水準を0.25%以下から0.5%以下へ修正しました。
 11月までに海外勢は11兆円にも上る長期国債の売りを仕掛けていて、近年では初めて日銀が市場に屈した事例(長期国債の価格が下落したことで、売っていたヘッジファンド等がかなり利益を出した)になったのではないかと言われています。
 今年の4月に任期を迎える黒田総裁の後任がこの事態に追い込まれるのは確実視されていたのですが、見ようによっては、黒田総裁は自分の手で市場への対話の責任を果たしたということになるのかもしれません。この政策が直接のきっかけになったわけではありませんが、結果論として130円台前半の、一時に比べればかなり円高水準で為替相場は推移しているので、日銀としても一番大事なものは守ったのではないかと個人的には感じています。
 今年も様々な金融相場の動きに翻弄されることになりそうですが、より大局的に見ていきながら私なりの解説をさせていただければと思っています。

 新年最初にご紹介する本は下川部康雄著『お金をかけずにお客様が戻ってくる 繁盛店の作り方』(ぱる出版)です。著者の下川部さんは北海道で『活食・隠れ酒蔵かけはし 北2条店』という飲食店を経営されていて、赤塚高仁先生の北海道変容塾のメンバーです。私も同塾の講師として札幌に行った時の懇親会でお邪魔したことがあります。先月、全国の変容塾の最後になる沖縄に私はゲスト講師として参加させていただいたのですが、下川部さんは、はるばる北海道から沖縄までやってこられていました。その懇親会の時に赤塚さんから強く勧められて本書を読んでみました。
 飲食店は、その多くが数年以内に閉店すると言われていますが、下川部さんはそんな厳しい競争の中、30年以上飲食店経営を継続されてこられた、いわば生き残りのプロとも言える経営者です。経営の中で多くの工夫をされることで、北海道地震や新型コロナの影響で何度も窮地に陥りながらも、その度に逆境を乗り越えてこられた強者です。そして、その生き残りのコツは一人で考えずに誰かに相談することで、相談できる人をたくさん持っているのが下川部さんの生き残り策の極意のような気がしました。
 30年以上の経験を持つ経営者の視点から語られる内容は、飲食店を始めようとする方には非常に有用な一冊になるはずです。
 特に要点を度々太字で強調されていることで、本を読み慣れていない方にもやさしく、頭に入ってきやすい構成になっています。そして、飲食店を経営しているわけではない私が読んでいても参考になることがたくさんあり、経営者としても人間としても多くのことが学べる本になっていると思います。
 下川部さんのお店は「日本一椎茸の焼き方にうるさい店」だそうです。日本一をつくることがお店の経営にとって大事なことは、お分かりいただけると思います。その日本一を基に様々な工夫をされていることが、シンプルで大事な経営のコツになっています。このノウハウは、異業種の方にも本当に参考になる情報だと感じます。
 その他にも、例えば、経営のコツとして紹介されている方法の中には、食材の生産者様と直接かかわる重要性、スタッフとのコミュニケーション、SNSを活用した発信、お客さんに見せられる調理場作り、名刺やそれを活用した宣伝方法、同業者と良好な関係を築くなどがあります。 
 それらに一貫しているのは、コミュニケーションが重要だという点です。繋がりの中から成功や逆境を乗り越える術は生まれる、自分の世界に閉じこもらない。インターネットを利用すればそこからさらに広がりはできる。そうしていれば、人が集まり、経営も上手くいく。人間関係の構築は、いざという時のセーフティネットとしての機能も果たします。
 特に飲食店経営は、経済的に追い込まれることで自ら命を絶つ経営者なども、多く存在すると言います。ですが追い詰められた時、そこから抜け出す方法を見つけ出す最適な方法は、信頼できる相手に相談する事。お金を集めるにしても、一度撤退するにしても、繋がりを持つことは、解決策を見つけるきっかけにもなります。
 かけはしという店名は、生産者さんの心を伝えられる、かけはしのような場所にしたいという下川部さんの想いから付けられたそうです。
 チェーン展開など、規模を拡大して大きな利益を上げようとするのとは違う、ご縁を大切にする、そこに一つの飲食店経営としての理想形を見出せたように感じました。社会的にも経営レベルで見てもいろいろなことが起こるのであろう本年の冒頭を飾るにふさわしい本だと思います。ぜひお読みください。

 新鮮な食材や美味しい料理など、以下のサイトで販売中です。
 隠れ酒蔵かけはし 北2条店オンラインショップ
                       =以上=

バックナンバー
2023.01.30:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】デジタルは死なない (※舩井勝仁執筆)
2023.01.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】すぐに幸せになれる理由 (※佐野浩一執筆)
2023.01.16:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】アフターデジタル社会への適応 (※舩井勝仁執筆)
2023.01.09:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】新しい断捨離の時代 (※佐野浩一執筆)
2023.01.02:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】繁盛店の生き残り策 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
あたみ・パンダの森ほいくえん 学園長
株式会社ヴォイス 代表取締役会長 他
1964年8月5日、大阪生まれ。大阪府立北野高等学校、関西学院大学法学部政治学科卒業。
大学卒業後13年間、私立中高一貫教育校の英語科教員として従事。2001年4月、株式会社船井総合研究所に入社。舩井幸雄より「人づくり法」の直伝を受け、企業幹部向け研修「人財塾」として体系化、その主幹を務め、経営者向け、社内研修向けに150回以上の講演、研修を実施した。2003年4月、株式会社本物研究所を創設し、代表取締役社長(現在会長)に就任。商品の「本物」、技術の「本物」、生き方、人づくりの「本物」を研究、開発し、広く啓もう、普及活動を行う。また、2008年にライフカラーカウンセラー認定協会を、2012 年5月には株式会社51 Dreams’Companyを、2015年9月に株式会社51コラボレーションズを設立。(2023年本物研究所と合併)さらに、2015年1月、舩井幸雄の思想、哲学を世に広めるために、公益財団法人舩井幸雄記念館を設立し、代表理事となる。2021年2月には、株式会社51メディカルを創業。そして、2022年11月、小規模保育事業B型として、「あたみ・パンダの森ほいくえん」を設立。学園長に就任。
2026年6月にヴォイスグループ5社を経営統合し、代表取締役会長に就任。現在に至る。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく 幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた 船井幸雄のすべて』(成甲書房)、『本物の法則』(ビジネス社)※船井幸雄との共著、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(きれい・ねっと)※舩井勝仁との共著、『幸せになる働き方の法則』(創藝社)、『舩井幸雄の魂が今語りかけてきたこと』(ヒカルランド)※矢山利彦氏、舩井勝仁氏との共著がある。
講演は、年間講演、研修多数。会社経営、学校経営、幹部育成、健康、食育、カウンセリング、話し方など、幅広いテーマで多数の講演を行っている。
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