トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2026年1月19日
脳はカンタンに活性化できる! (※佐野浩一執筆)

 過日(1月15日)、NHKで観た「あしたが変わるトリセツショー」で、効果的な体操やトレーニングについて特集されていました。メニューとしては、「片足立ち」や「スクワット」のように、基本ではあるけれど、いろんな筋肉が動かせてその分効果も出やすいものばかりでした。ただ、やはり一番問題になるのは、いいとわかっていても継続できるかどうか……。私も、3日坊主を繰り返しています。番組内では、大切なことは、「まずは、一カ月続けること」と伝えていました。しんどい日は休んでもいいから、まずは一カ月。さあ、続くかどうか自信はありませんが、トライしてみます。
 さて、「脳トレ」という言葉を耳にするようになって久しいですが、こちらも「時間を決めて、特別なことをやらなければならない」と思われている方が少なくないと思います。実は、脳のトレーニングは筋トレとは違い、わざわざ時間を確保しなくてもできたりします。日常生活の中で、ほんの少し意識を変えるだけで、脳の神経ネットワークは作り替えられ、より豊かになっていきます。だったら、やらない手はありません。
 心理学を学んでいると、必ずぶつかるのが、「ワクワクできているか」なんです。最近、心が弾むような瞬間はあったでしょうか。毎日が同じことの繰り返しで、特に変化も刺激もない、と感じていないでしょうか。ここが、脳トレとの接点となります。
 実は、決まった作業を淡々とこなすだけの生活を続けていると、脳の中で「前頭前野」という重要な部分の働きが低下してしまいます。前頭前野は、考える力や判断力、意欲に関わる中枢です。慣れきった作業をしているとき、この部分はほとんど活動していないことがわかっています。「いつも通り」「面倒だからやらない」を優先する生活は、前頭前野を使わない生活でもあります。その結果、脳は少しずつ老化していってしまうのです。
 さらに問題なのは、「やる気」を生み出す「線条体」という部位も使われなくなることです。線条体は、行動を始める力、続ける力、そして「楽しい」「やってよかった」という感覚をつくる中心的な役割を担っています。ここが働かなくなると、意欲そのものが湧きにくくなり、ワクワクを感じにくくなる悪循環に陥ってしまいます。
 私たちがドキドキしたり、楽しみにしていたりするとき、線条体は活発に働き、ドーパミンという物質が分泌されます。ドーパミンは「快感のホルモン」として知られていますが、それだけでなく、実は記憶を良くしたり、スキルの上達を助けたり、脳のつながりを強める働きもしています。
 面白いことに、ドーパミンは「実際に良いことが起きたとき」よりも、「これから良いことが起こりそうだ」と予測したときのほうが、より強く出ることがわかっています。つまり、「楽しみだな」「終わったら気持ちよさそうだな」と思うこと自体が、脳にとって大きな刺激になるのです。
 たとえば、「ジョギングをしたらチョコを一粒食べる」と決めて続けていると、やがて「走ろう」と思っただけで気分が上がり、やる気が出てきます。これは、行動と快感が脳の中で結びついた結果です。仕事や家事も同じで、「これをやれば、ちょっと気分が良くなる」と思いながら取り組むだけで、脳は活性化します。
 とはいえ、やる気がまったく出ない日もありますよね。そんなときは、やるべきことをできるだけ小さく分けてやるといいようです。「5分だけやる」「資料を開くだけ」といった具合です。線条体は、行動を始めると活発になる性質があるため、とにかく始めてしまえば、意外と続いてしまうことが多いのです。
 また、「バリバリ片付ける」「サッと座ってガッと始める」といったオノマトペを口に出すのも効果的です。勢いのある言葉を使うと、脳は「やる気がある」と錯覚し、線条体が刺激されやすくなります。「まず始める」というのは大事なことなんですね!
 ただ、結果が思ったほど出なかったとき、気を付けてください!「自分責め」ではなく「自分褒め」です!「始めただけでもえらい」「今日はここまでできた」と認めることで、脳は報酬を得たと判断し、次の行動への意欲が生まれます。
 2つ目は、「予習と復習」、そしてイメージトレーニングです。失敗したとき、「ああ、またやってしまった」と落ち込むのではなく、「次はこうしよう」と具体的にイメージすることが重要です。間違えたと強く意識すると、脳の中で自分の行動を振り返る部分が活性化し、その後の学習が進みやすくなることがわかっています。
 買い物を忘れてしまったなら、「次はメモを右ポケットに入れて、途中で確認する」と、動作を頭の中で再生してみるんです。実際に体を動かさなくても、イメージするだけで、脳の神経のつながりは強化されます。
 一流のアスリートが練習後に日記を書くのも、復習とイメージトレーニングを兼ねているからだと言われています。大人になってからも、この習慣は大いに役立ちますよね。
 3つ目は、「人に話す・教える」ことです。脳には「アウトプットしようとすると記憶が定着しやすくなる」という性質があります。頭の中で覚えようとするだけより、誰かに話したり、書いたりするほうが、脳の情報ネットワークは強く広がります。
 今日見たニュース、心に残った出来事、本や映画の感想などを、ぜひ人に話してみてください。文章を書くときも、「誰かに説明するつもり」で書くと、理解も記憶も深まります。人との会話は、認知機能を守るうえでも大切な刺激になります。コミュニケーション機会が増えることは、いわゆる認知症対策にも有効です。
 最後に少し蛇足を書こうと思います。「AIとの付き合い方」についてです。これまた「脳トレ」に有効です。ChatGPTの登場で、AIがとても身近になりました。ただ、シンプルに一問一答のように、答えを受け取るだけの使い方では、脳はあまり働きません。大切なのは、まず自分で考え、その上でAIを使うこと、そして返ってきた答えにさらに質問を重ねていくことです。つまり、AIと言葉のキャッチボールをすることです。先述した、「人に話す・教える」ことにも通じます。AIを思考の代わりに使うのではなく、思考を深める相棒として使う……。この姿勢が、これからの時代には欠かせないように思います。
日常の中で、ワクワクすること、小さく始めること、振り返ること、人に伝えること、そして能動的にAIを使うこと。これらを少し意識するだけで、脳は確実に元気を取り戻していくように思います。
 脳はずっと休みなく動いてくれています。ならば、その脳にも気持ちよく、働いてもらったほうがいいですよね!
 新しい一年を、脳にとっても「成長の年」にしたいですね!

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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