舩井幸雄の「この人いいよ!」

このページでは、超幅広い舩井幸雄の人脈の中から、舩井幸雄がぜひ皆さまに紹介したいと思う人を、さまざまな角度からご紹介します。

すべての分野・あらゆる場面で
必要とされている「感性」

今回紹介するのは、「感性」を研究し、『感性ラボ』を主宰する志岐幸子さんです。
志岐さんは、早稲田大学大学院在学中にミス・ユニバースの日本代表に選ばれ、その後はスポーツ番組などのキャスターやコメンテーターを務められたというとても華やかなご経歴を持つ女性です。現在は主に、スポーツを入り口として研究された「感性」を、ビジネスなど様々な分野に活かすことに取り組まれています。
思わず見とれてしまうほど美しい志岐さんに、「感性」についてのお話を伺いました。

志岐幸子さん

博士(人間科学)・感性カウンセラー 志岐幸子 さん
プロフィール
●志岐 幸子(しき ゆきこ)
  感性ラボ主宰・博士(人間科学)・感性カウンセラー

感性ラボ主宰。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。JOC、JOAによる海外派遣でスポーツ交流に参加するなど、学生時代は様々なスポーツ活動に携わる。修士課程修了後、スポーツ番組等でキャスター・コメンテーターを務めた。その後「感性」の研究を行い、2003年同大学大学院人間科学研究科博士課程修了。現在、早稲田大学等で非常勤講師を務める。同大学感性領域総合研究所・スポーツ医学リサーチ研究所客員研究員、日本感性工学会・日本スポーツ心理学会員。
―志岐さんは、"感性"に注目し、それについてずっと研究をされているのですよね。"感性"とは、ニュアンスでは何となく分かるのですが、具体的にはどういうことを言うのでしょうか?
志岐:そうですね、"感性"についての捉え方は、人によって様々だと思いますが、研究者の間で"感性"はローマ字で「KANSEI」と使っています。"感性"を普通に英語の辞書でひくと、「sensibility」あたりになるのですが、普段、私たち日本人が使っている"感性"という言葉には、センスやフィーリングなどの要素も含まれていますから、「sensibility」の一言では表現しきれないという理由からです。
 私が研究をする上で定義した「感性」というのは、一番シンプルに申しますと、「研ぎ澄まされた五感プラス第六感の両方を含むもの」です。感性の働きには、たくさんの要素が関わっていますから、例えば道徳性や倫理観なども含まれます。私は、主にスポーツからの「感性」へのアプローチによって、このような定義を導き出したのですが、「感性」は、どの分野でもベストパフォーマンスや良い結果を生むために不可欠なものだと思っています。
―なるほど。ところで志岐さんの行っている「感性」についての研究は、具体的にどのようにして行われたのでしょうか? 分かりやすいものがあれば教えていただけますでしょうか?
志岐:そうですね。まず私は、いろいろな職業の方や大学生に、「感性とは何か」というテーマで調査を行って、他にはビジネスや心理学、芸術、哲学などの文献を調べまして、それをまとめたものから、「感性」の定義について共通項を抽出しました。さらに、スポーツに的を絞って、「競技における感性」「ベストパフォーマンスを生む感性とはどのようなものか」ということを中心に探るために、いろいろな競技のトップアスリートに、調査をさせて頂きました。
 アスリートがベストパフォーマンスを生み出している時の心身の状況や感覚についてお話を伺っていくうちに、不思議な体験をしている選手たちがいること、そして、その体験から共通する感覚のことが徐々にわかってきたのです。「共通する感覚」として導き出されたものが、先程申し上げた「感性」の定義にあたります。詳しく申し上げるともっと長くなりますが、この定義はどの分野にも当てはまるものだと思っています。
 どの分野でも頂点を極めた方というのは、「感性」が研ぎ澄まされていますから、ベストのものを生むためには何が必要かを、理屈ではなく心の深いところでご存知のはずです。ですから、一流の方々がベストパフォーマンスを生み出す前に取っていた行動や、競技以外の生活習慣や普段やっていること、子供の頃にやっていたことなども伺って、その共通点から「感性」の働きを良くするためのヒントを見出したんです。この研究には、大勢の方々のお力添えを頂きました。長い時間がかかりましたが、研究のお陰で、なかなか聞けないアスリートの貴重なお話を伺えたこと、そして、たくさんのことを学ばせて頂いて、本当に感謝しています。
―そうなんですね。ところで、志岐さんは早稲田大学大学院在学中にミス・ユニバースの日本代表に選ばれ、その後は、スポーツ番組などでキャスターやコメンテーターをされるという華やかな経歴をお持ちですね。そのようなご経験もいまの感性の研究につながっているのでしょうか?
志岐:そうですね。もともとは、学生時代からスポーツに携わることが好きでした。大学院在学中から、スポーツ番組などで仕事をさせていただきました。当時は、スポーツの取材をして報道をするという立場にいましたので、その経験から、「トップアスリートの感性」というものに関心を持ちました。
 それともう一つ、「伝える側」を経験したことで気づいたこともあります。それもきっかけになっています。
―「伝える側」にいて気づいたこととは、どういうことなのでしょう?
志岐:まず、テレビ画面から視聴者に伝わるものというのは、映像として映っている人の姿や言葉だけでなく、もっと多くのものがそれを見ている視聴者に伝わってしまうのだということを感じたのです。
 というのは、テレビというのは、画面に映像が映る前までに、大勢の人々が様々な役割で携わります。ですから、映像が作られ、発信されるまでの間に、そのことに関わる人々が日常で交わす何気ない言葉や振る舞いだったり、その場の雰囲気だったり―それも私には「感性」が関係していると思えるのですが―それらのものすべてが、テレビの画面から伝わるように感じたのです。
 もちろん、かつての私のように、実際に画面に映し出される人たちはその場を象徴する立場になるわけですから、出る人の感性の責任は大きいと思います。でも、直接画面には映らなくても、社会に何かを伝えるということに関わる大勢の人々の感性の総和が、画面からそのまま出るように感じられたので、そこのところも考えなくてはいけないと思ったんですね。
志岐幸子さん
志岐幸子 さん
―なるほど。全体の感性的なものが、テレビ画面という一つの媒体を通して視聴者にも伝わってしまうということですか?
志岐:はい、そういうことだと思います。私は、それは船井先生のおっしゃっている"氣"というものに通じると思うのですが、映像や音だけではなく、人の"気"というものがテレビの画面を通して社会に伝播していくんだなということを実感したのです。
 それが好ましいものであれば、視聴者の心身には良い影響がもたらされるはずです。ですから、すべてがそうであればよいのですが、正直に申し上げますと、残念ながら違う場合もあると思います。もちろん、それは自分も含めて言えることですので、自戒を込めて申し上げますが…。
―それでは、志岐さんが「感性」というものに興味を持ちはじめたのは、テレビ番組に携わることを経験し、画面に直接は出てこない伝える側の"気"が視聴者に伝わってしまうと感じたことも大きなきっかけなのですね?
志岐:はい、そうですね。"気"というのは、感性で感じたり、観たりするものだと私は思いますので・・・。それに、"気"が何かを媒介して伝わるということは、テレビだけではなく、インターネットや雑誌、新聞といった他のメディアや文化も同じだと感じたんです。もちろん、私たちは、家庭や職場などでも人と接していますから、そこで受ける人の"気"の影響も考えなくてはなりません。
―なるほど。ところで、「感性」というのは、ある程度普遍的なものだといえるのでしょうか。たとえば、テレビなどの画面を通して発信されるものが、ある人にとっては悪い影響を及ぼすけど、また別の人にとってはいいものになったりということはないのでしょうか?
志岐:そうですね、そこのところは、私自身、まだわかっていないことが多いですが、"気"のレベルで考えますと、やはり普遍的なものだと思います。例えば、インターネットの陰湿な書き込みのようなものは、誰にとっても明らかに「悪い影響を及ぼす」とわかりますよね。でも、そうではない、言葉や映像といった五感で認識できる部分ではわからなくても、もっと深いレベル―つまり、"気"のレベルで悪影響を及ぼすものもあります。五感では認識しづらい「感性」での影響力は、誰にとっても同じだと思います。以前では信じられなかったような事件が多発する背景にも、このレベルの影響が見逃せないと思うのです。
 反対に、良い影響についてですが、私は、「感性」とは、究極的には宇宙との一体感を得る感覚だと思っているのです。
志岐幸子さんの著書『岡田武史監督と考えた「スポーツと感性」』(日本経済新聞出版社刊)
志岐幸子さんの著書『岡田武史監督と考えた「スポーツと感性」』(日本経済新聞出版社刊)
 ある時期、「感性ってなんだろう」と集中的に考えていたことがありました。そしてある晩、ふと「感性とは、宇宙との一体感だ」とひらめいたことがあったのです。
 その直後に、王貞治監督の師匠として知られる荒川博さんにたまたまお会いできる機会がありました。その時荒川さんがおっしゃったことが、「感性とは、宇宙との一体感なんだよ」ということだったのです。荒川さんのその言葉を聞いて、「やっぱりそうなんだ!」と確信しました。人間は「感性の力」を最大限に発揮した時、「宇宙との一体感」を得られる域に達するのだと思います。おそらくそのような「宇宙との一体感」というのは、もともと人間が本来備えていた感覚だったと思うのです。それが、時代や、いろいろな状況の変化で損なわれてきたのではないかと……。
―なるほど。舩井の言っていることとつながってきますね。ところで最後に、日常で簡単にできる感性を高める方法などはあるのでしょうか?
志岐:そうですね、感性の働きを高めるためには、まず、人であれ、作品であれ、本物にできるだけたくさん触れることですね。例えば、芸術なら舞台やコンサートに行ったり、美術館に行ったりして、生で触れるのがいいと思います。本物が発する良い「氣」にはメディアを通した間接的なものよりは、直に触れることの方がお勧めですね。
 人であれば、心身ともに元気でなおかつ「温かさ」が感じられて、爽やかな空気を漂わせている人がいいと思います。一流と言われている人であっても、「冷たい」という印象を受ける場合は、避けた方がよいかもしれません。人だったら、その人の講演会やトークショーといった場に出かけて行くことでもいいと思います。
 こういったことで感性を刺激することは、例えば仕事で「この人を信頼して一緒に仕事をしてよいかどうか」ということを見極める目を磨くことにもなりますから、ビジネスや人生での成功にも遠からずつながってくると感じています。
―そうですね、日常生活にぜひそういうものを味わう時間を持ちたいですね。志岐さん、今日は興味深いお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。
舩井幸雄よりのコメント
志岐幸子さんは、私の友人のお嬢さんです。
人間にとってもっとも大事なものは「本物の感性」のように私は思っています。それは、本物と付き合うとよく分かります。
本物というのは「真・善・美」といえそうだからです。
幸子さんの感性が、多くの面で活かされることを期待しています。
舩井幸雄よりのコメント
★志岐幸子さんが主宰する『感性ラボ』ホームページ:http://www2.itc.kansai-u.ac.jp/~shiki/index.html
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