船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

　皆様、こんにちは。「ＪＵＳＴ」編集長の人見ルミです。
　秋ですね〜。蝉の鳴き声が少しづつ減って、コウロギや鈴虫たちの登場ですね。

　今回は、船井会長の「滅多に怒らない」不思議についてお話します。
　船井会長が本気で怒ったら、恐らく船井幸雄グループ会社全社員がグッタリ寝込むほど“怖い”と思います。
　未だ、社員全員が寝込んだことはない・・・ということは、船井会長が「怒った」表情や姿を見た人は、ほとんどいないということです。

　私がこれまで９年半船井会長に接してきて、本気で怒った表情は、見たことがありません。
“あ、今、ひょっとして怒っているのかなあ・・”と心で感じたことは、たまーにありますが、そんな時も船井会長は、“ちょと口をとんがらせるような可愛い表情”をされるくらいで、口には出しません。

　随分前ですが、船井会長がある時「相手に対してムカッときて、そいつを本気でやっつけてやりたいと思ったら、その人が本当に腹痛を起こして、具合が悪くなってしまったんだ。だから怒ったり、悪い念を飛ばさないようになったんや」という話しを聞いたことがありました。

　そうは言ってもトップであり、責任者であり、多くの方々から色々な意見や批判も直に受け止めていかねばならない立場であれば、「怒らない」でいることは、神業だと思います。
　もちろん、かつては、「ケンカの船井」「社員を怒鳴り飛ばした船井」だったことは有名ですが、ある時期から、“怒らなくなった”と言います。

　以前、私が遭遇した出来事で、人生で初めて「胕が煮え返るような」事件がありました。船井会長に関わることでしたので、当然、船井会長もさすがに爆発するだろうと思っていました。
　私が鼻息も荒く獰猛な犬のように「ウーッ」といきり立っていると、船井会長は、いつものようにニコニコ笑いながら「わしは、別に腹を立てていないよ」と言います。
　しかし、私は、どうしても相手の方を許せませんでした。会長は超然としていて「まあ、そう怒るなよ」と私を諌めました。それどころか、相手の方を「わしは、それでも奴が可愛いなと思うよ」と言います。
　私は、一体会長の頭の中はどうなっているんだろう・・・？と混乱しました。
　恐らく、同じステージで物事を考えておられないのでしょう。なかなか、凡人にはできないことです。

　船井会長とひとしきりお話をしてから、会長室を出る時に、会長は、私の背後からもう一度、今度は“気”を入れるようにして、はっきりとした声で言いました。
「ともかく、人見さん！オ・コ・ル・ナ・ヨ」
　鼻息の荒かった私が、ビクッとして、深呼吸をしました。
　そして、あ、今「気」を入れられた・・・とハッキリ感じました。
　荒々しい犬のようだった「私の怒り」が、どこかへシャボン玉のようにほわーんと消えて、さきほどまでの鼻息が、ゆったり呼吸に変わったのです。
　（あらまあ・・・不思議だわ〜。ほな、おこるのやめよ・・）と思い、ふわふわとした気分で、室内犬のように「キュンキュン」と尻尾を巻いて、大人しくデスクに戻ったのでした。
　近いうちに船井会長に、「怒り」が涌いてきた時に収めるコツを、今度聞いてみようと思います。


１周目：「お父さんのような会長なのです」
２周目：「船井会長の涙」
３周目：「夜中のＦＡＸ　（テーマ：私からみた船井幸雄）」
４周目：「船井会長からの「赤」入れ　（テーマ：私からみた船井幸雄）」　
５周目：「悪口は言わない！　（テーマ：私からみた船井幸雄）」　
６周目：「船井会長から学び、これからも守り抜きたいこと　（テーマ：私からみた船井幸雄）」　
７周目：「人間コンピューター船井幸雄　（テーマ：私からみた船井幸雄）」