船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです（このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください）。

映画『ブラッド・ダイヤモンド』

　みなさま、明けましてあめでとうございます。
　（株）船井ビジョンクリエイツの大神（おおがみ）です。
　本年もよろしくお願いいたします。
　このお正月休みは例年より少し長くいただけましたので、大好きな映画をたくさん観ることができました。

　いくつか観た映画の中で昨年話題になった「ブラッド・ダイヤモンド」が印象深かったです。
　タイトルの「ブラッド・ダイヤモンド」とは、アフリカで不法に採掘され、武器輸入などの資金源となるダイヤ、紛争ダイヤモンドを意味しています。
　映画に出てくる物語はフィクションですが、現実に問題となっている紛争ダイヤモンドの現状について多くの人に喚起を促した点で、良い映画だと思いました。
　
　内戦最中の国から不法に輸出されたダイヤ（紛争ダイヤ）の代金が、反乱軍の武器購入費に充てられ、内戦を長引かせる一因になっている。だからダイヤ販売企業も一般消費者も紛争ダイヤを買わないようにしようと、最後に呼びかける一文がテロップで流れてきます。
　でも紛争ダイヤかどうか、その出所を知るすべは実は私たち消費者にはないようです。
　キンバリープロセス認証制度（ＫＰＣＳ）と呼ばれる国際的なダイヤモンドの認証制度ができましたが、それでも紛争ダイヤがこの合法的な制度に流れ込めば、合法的な手段で採掘されたダイヤとして売られてしまうからです。

　映画を観れば婚約時には給料３か月分のダイヤモンドを、というのがダイヤ市場を牛耳ろうとし、紛争ダイヤだろうが裏取引で買い叩いているダイヤ卸産業界の口車に乗せられていることもよくわかります。


　「ダイヤやプラチナをむやみに欲しがる女になるな」
　「ダイヤじゃなく、あなたが輝きなさい」

　私が高校生だったときの、地理の先生からの忘れられない言葉です。
　当時まだ南アフリカのアパルヘイト体制が続いており、ダイヤ採掘場で強制労働させられ、粉塵にまみれて死にいく多くの黒人の惨状を地理の先生から教わりました。
　綺麗だと思っても、その裏に引き換えにされた多くの命があるのだと、先生が熱く語っていたのを今も忘れられません。

　今なおダイヤの裏には罪なき多くの人々の悲しみがひそみます。
　自分でダイヤが買えるようになりましたが、ダイヤではなく自分が輝けるよう日々磨きをかけようと心を新たにした新年でした。


６周目：「出会いが人生を変える　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」
７周目：「ルワンダ紛争より　（テーマ：私から皆さまにお伝えしたいこと）」