ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測

このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。

2016.09.01(第31回)
ポケモンGOの本当の実態

 日本ではブームも落ち着きつつありますが、今回は「ポケモンGO」というゲームアプリの実態について報告しましょう。読者のみなさんはやってみたことはありますか? 私は東京都の八王子に住んでいますが、一時期駅前のコンコースでは、スマホ片手に「ポケモンGO」に興じる青年でごった返していました。
 これは無料アプリなので、私も早速ダウンロードしてやってみました。でも私のようにゲームにまったく関心のない人間にとっては、これはおもしろくもなんともなく、15分で飽きてしまいました。
 いずれにせよ、少し陰りが見えてきたというものの、以前として「ポケモンGO」が世代や国境を越えて人々を魅了しているのは事実でしょう。

●ロシアによる「ポケモンGO」の禁止
 すでに日本の主要メディアでも報じられているので周知かもしれませんが、ロシア政府は、ロシア国内での「ポケモンGO」の使用を禁止しました。その代わりにロシア政府は、モスクワ市政府監修の「ディスカバー・モスクワ」というロシアの歴史にゆかりのあるキャラクターを捕まえるゲームアプリを8月末まで提供するとしています。
 ロシア政府が「ポケモンGO」を禁止した理由ですが、ロシア上院国防安全保障委員会のクリンツェビッチ第1副委員長は、「群衆を集めたり特定の情報を拡散したりして、政変を起こす道具として使われる可能性がある」と指摘し、また、ロシア共産党のポロネンコフ下院議員は「『ポケモンGO』はアメリカの情報機関によって作られた可能性がある」と言っているので、こうした疑念が禁止に結び付いた可能性が高いと報じられています。いずれにせよ日本や欧米では、これは根拠のない陰謀論をロシアがまともに信じた結果だとするニュアンスの報道がほとんどです。

 しかし、少し調べてみるとそうではないことがはっきりします。クレムリンは「ポケモンGO」の内部調査を行っており、その結果として「ポケモンGO」は、CIAやその他の情報機関が広範囲にデータを収集するために特別に開発されたアプリであることが明らかになったとしています。クレムリンの調査機関によると、「ポケモンGO」にはユーザー情報の追跡を許す機能が内蔵されており、非常に危険だとしています。
 事実、「ポケモンGO」を開発した「ニアンテック社」のCEO、ジョン・ハンケは2001年にグーグルマップとグーグルアースの開発に貢献した「キーホール社」を設立した人物です。「キーホール社」は2004年にグーグルによって買収されましたが、もともとこの会社は、CIAが有望なベンチャービジネスへの投資を行うことを目的に2000年に設立した「インキュテル社(In-Q-Tel)」の出資で設立された会社です。さらに「インキュテル社(In-Q-Tel)」は、米国防省の「米国家地球空間情報局(NGA)」の出資でできた会社です。この機関は、国家の安全保障に必要な地理空間情報の提供をおもな任務にしている部署です。

 「ポケモンGO」をジョン・ハンケの会社が開発したということは、CIAや「米国家地球空間情報局(NGA)」がゲームのユーザーからデータを収集する目的で開発された可能性は極めて高いと見たほうがよいでしょう。

●データがすべてサーバに
 このように、「ポケモンGO」は普通のゲームではありません。では「ポケモンGO」にはユーザーにとってどのような危険性があるのでしょうか?

 「ポケモンGO」はスマホに内蔵したGPSとカメラの機能を使いながら、キャラクターを収集するゲームです。ゲームをプレイしているときは、周囲の風景がカメラで写り、GPSで現在の位置が示されます。これらのデータはすべて「ポケモンGO」のサーバにアップロードされているはずです。
 したがって、もっとも分かりやすい危険性のひとつは、自分がいる周囲の風景や自身の画像、または周囲の人物の画像がGPSの位置情報とともに、「ポケモンGO」サーバからアクセス可能になってしまうということです。これは「ポケモンGO」を管理している会社であれば簡単に行うことができるはずです。
 「ポケモンGO」のキャラクターを、たとえばデータを収集したい建物や地域に配置すると、不特定多数の人々がここに殺到するので、ターゲットの画像を怪しまれずに撮影できてしまいます。これはサーバにアップロードされるので、後でアクセスすればよいだけです。要するに、ゲームのプレーヤー一人一人が意図しないでスパイの役割を果たすことができるということです。

●グーグルのアカウントとリンク
 しかし、おそらく「ポケモンGO」の危険性はこんなものではないはずです。もっと積極的な機能がある可能性が高いのです。「ポケモンGO」を使うにはアカウントを登録しなければなりませんが、グーグルのアカウントが使えるので、これでプレイしている人が圧倒的に多いはずです。新規の登録が必要ないので簡単です。ただ、グーグルのアカウントはセキュリティーがとても緩く、個人情報はすべて読み取り可能になってしまいます。

 そして、もし「ポケモンGO」のプレーヤーのカメラが撮った画像データやGPSの位置情報がゲームのサーバにアップロードされ、外部からアクセス可能になっているのであれば、グーグルから漏れたアカウントとの対応関係は容易に得ることができます。すると、個々のプレーヤーのプロフィールと、画像や位置情報がリンクされます。つまり、どのような人物がどこにいて、なにを撮影したのかが分かってしまうということです。筒抜けの状態です。隠れることは不可能です。

●メタデータを利用するともっと危険
 しかし、危険性はこれだけではないようです。スマホに蓄積されているメタデータとリンクすると、もっと恐るべきことは分かってしまうようなのです。
 3年前の2013年、「国家安全保障局(NSA)」の元エージェントのエドワード・スノーデンは恐るべき情報をリークしました。

 スノーデンによると、「NSA」はネットが対象の「プリズム」と「マリーナ」、そして電話が対象の「ニュークリオン」と「メーンウエー」という4つの盗聴システムを運営しているといいます。
 ちなみに、「プリズム」と「ニュークリオン」は電子メールや通話の内容そのものを、「マリーナ」と「メーンウエー」はネットの接続履歴や通話履歴などメタデータと呼ばれる付随情報を収集しています。
 メタデータには、携帯電話の発信元と着信先の電話番号、発信時間、通話記録が含まれます。
 そして、すべての携帯電話には、一台一台に固有の「IMEI」という加入者識別番号が付与されています。「NSA」がこれを知ると、メタデータが記録している通話の着信先や発信日時を追跡できるだけでなく、発信者がどこから電話をかけたのかも追跡できてしまいます。「IMEI」はスマホや携帯の製造時にハードウェアーに刻印されています。携帯電話のキャリア(※携帯電話の通信サービスを提供している会社)がサーバに登録する必要はありません。

 「IMEI」を確認するのは簡単です。以下の番号を入力すると、画面に15桁の番号が表示されます。

 *#06#

 iphoneの場合、パソコンに接続すればiTunesでも確認することができます。私もやってみましたが、すぐに表示されました。読者の方々もぜひやってみるとよいでしょう。

 さて、このようは状況で「ポケモンGO」をプレイするとどうなるでしょうか? グーグルのアカウントを介して、「ポケモンGO」のサーバにアップロードされたデータが誰のものなのかは簡単に特定されます。さらに、そのユーザーが使っているスマホの「IMEI」が特定されてしまうと、そのスマホに蓄積された過去のすべての通話記録、通話先、GPSの移動データ、インターネットのアクセス記録などすべてが外部からアクセス可能になる可能性があるようです。

 いまのところ、「ポケモンGO」の危険性の詳細な分析を発表している記事はほとんどありませんので、このような危険性があるとは100%断言できる段階ではないでしょう。
 しかしながら、スノーデンがリークした情報を「ポケモンGO」の機能と組み合わせると、このような危険性があることは決して否定できないはずです。

●ロシアや中国の警戒は当然
 「ポケモンGO」がCIAと深いつながりのある人物によって開発され、人々の個人情報を包括的に収集するこのような機能があるのであれば、ロシアや中国が「ポケモンGO」の使用を警戒するのは当然です。
 また「ポケモンGO」は、特定の場所にキャラクターを集中的に配置することで、多くの人々をその場所に集合させることができます。すると、反政府集会や抗議運動で盛り上がっている広場にキャラクターを集中的に配置すると、さほど政治には関心がない人々が、キャラクターを収集する目的で結集し、抗議運動がはからずも巨大化させることだってできるはずです。
 これまでアメリカは、「カラー革命」や「アラブの春」など多くの革命を、ターゲットになった国々の体制転換のために画策してきました。これは陰謀論でもなんでもなく、これを綿密に調査したあらゆる記事、書籍やドキュメンタリーなどで明らかになっています。
 すでに2011年の「アラブの春」では、ユーゴスラビアのベオグラードに拠点があり、革命コンサルタントを名乗る革命訓練機関の「CNAVAS」が、リアルなオンラインゲームを使って、抗議集会の組織方法や、革命を引き起こす方法をトレーニングしていました。もしかしたら「ポケモンGO」も、同じような意図で開発されたのかもしれません。

 近い将来、革命や暴動などの大きな社会変動がどこかの地域で起こり、それに「ポケモンGO」が大きな役割を果たしたことが報じられることもあるかもしれません。

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Profile:高島 康司(たかしま やすし)
高島 康司(たかしま やすし)

社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
★ヤスの備忘録: http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
★ヤスの英語: http://www.yasunoeigo.com/

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