ヤスのちょっとスピリチュアルな世界情勢予測
このページは、社会分析アナリストで著述家のヤス先生こと高島康司さんによるコラムページです。
アメリカ在住経験もあることから、アメリカ文化を知り、英語を自由に使いこなせるのが強みでもあるヤス先生は、世界中の情報を積極的に収集し、バランスのとれた分析、予測をされています。
スピリチュアルなことも上手く取り入れる柔軟な感性で、ヤス先生が混迷する今後の日本、そして世界の情勢を予測していきます。
日本ではまったく報道されていないが、トランプに抗議する大規模な運動が全米に拡大しつつある。いまの状況を詳しく紹介する。
やはり、アメリカ人のトランプ政権に対するストレスと反発は、かなり高まっているようだ。たしかに、公式に発表されている米経済の数値は比較的によい。2025年第2四半期のGDP成長率は前期比年率3.0%だし、失業率は4.2%だ。平均時給は前月比で0.3%増加している。雇用統計は予想を下回ったものの、消費者物価指数は 2.7%と落ち着いている。
景気は絶好調という状態ではないが、安定的に推移している。それを反映して、8月19日のダウ平均は44,922.27ドルだ。これは前日比で10.45ドルの上昇だ。公式の数値で見る限り、アメリカの景気は決して悪くはない。
しかし、アメリカ人の生活実感は公式統計とはほど遠い状態を示している。TikTokなどのSNSには、生活できない普通のアメリカ人の悲鳴があふれている。
公式統計の数値はあくまでも平均値であり、生活必需品の高騰は続いている。例えば7月、牛肉の価格は過去最高を記録した。これは、市場が持続的な需要の増加と国内生産の長期的な問題に直面しているためだ。牛肉と子牛肉の価格指数は、過去12ヶ月間で11.3%の増加となった。
また、6月から7月にかけて、新鮮な野菜と乾燥野菜の価格は38.9%上昇したことが分かった。これは、1947年以降のデータで見ると、夏の時期の最大の急上昇だった。1947年以降のデータで見た夏期の最大の上昇率となった。
また、コーヒーの価格は3ヶ月間で25%上昇している。これはブラジルからのコーヒー輸出に50%の関税が課される前のことだ。米国成人の約3分の2がコーヒーを飲む。これは、アメリカ人が購入する最も基本的なもののひとつだ。多くの人々がコーヒーの消費量を減らすか、あるいは完全に飲むのをやめることになるだろう。
エアコンも急速に「贅沢品」になりつつある。全国的に、電気料金は過去1年間で生活費全体の2倍以上のペースで上昇している。特に夏の酷暑期には、エアコンがフル稼働するため、その影響は深刻だ。
現在、TikTokには、生活費の高騰に感情的に抗議する人々の動画が数え切れないほど投稿されている。ある動画では、自分がどれだけ働いても「生活費を払えなくなった」と悲鳴を上げている。
●たまるストレスとトランプ政権に対する苛立ち
このように、アメリカでは庶民の生活が急速に逼迫しつつあるのが分かる。生活必需品高騰の背景にはトランプの高関税政策がある。トランプは高関税の適用によって海外の生産拠点が米国内に回帰し、国内の投資の活性化から一挙に景気は上昇するとしているが、そのような状況にはまったくなっていない。反対に、高関税適用のマイナス面である物価の高騰のほうが圧倒的に目立っている。相互関税の影響はこれから拡大するため、物価の高騰はさらに悪化することは間違いない。
このような状況のため、アメリカ人のストレスは臨界点に達しつつある。8月18日に発表された「LifeStance Health」の調査によると、心理的なストレスの高まりを示す「ストレスフレーション」はほとんどのアメリカ人に影響を及ぼしており、83%がインフレ、大規模な解雇、生活費の高騰、不況の懸念による財政的ストレスを報告している。30代のミレニアル世代と20代を中心としたジェネレーションZは、最も深刻なメンタルヘルスへの影響を報告している。
財政的制約により、メンタルヘルスケアの受診を断念した回答者の割合は一貫して60%と高く、2024年から2ポイント増加している。高い経済的ストレスを抱える人は、費用の問題でメンタルヘルスケアを諦める可能性が2倍以上高く、経済的負担がメンタルヘルスの課題を悪化させ、ケアへのアクセスを制限するメンタルヘルス格差が浮き彫りになっている。
こうした状況なので、トランプ政権に対する怒りは高まるばかりである。今年の1月20日にトランプ政権が発足してからというもの、トランプのあまりに過激な政策に対する激しい抗議運動は、幾度となく起こっている。歴代政権と比べても、今回のトランプ政権に対する抗議運動の多さは群を抜いている。以下にまとめて見た。
1. 「Hands Off」抗議デモ
ワシントンD.C.、ボストン、ニューヨークなど全米各地で発生。
主催者によると、全米50州で1200件以上のデモが計画された。主な抗議対象は、トランプ政権による連邦政府の縮小と、イーロン・マスクが率いる「政府効率化省(DOGE)」による連邦職員の大量解雇計画。
抗議者は、社会保障、退役軍人の医療、ハリケーン対策など、政府が果たすべき役割が失われることへの懸念を訴えた。「Hands Off」(手を出すな)というスローガンを掲げ、「われわれの民主主義を守ろう」「社会保障に手をつけるな」といったプラカードを持った人々が参加した。
2. 「Fight the Trump Takeover」抗議デモ
テキサス州をはじめ、全米34州で約280のイベントが開催された。テキサス州の地方議会での共和党による選挙区再編案に抗議するため、大規模な集会が全国的に行われた。抗議活動は、「テキサスだけでなく、ミズーリ、オハイオ、フロリダなど、あらゆる州を狙って議会を奪い取ろうとしているトランプに立ち向かう」という主催者のメッセージを掲げている。
●新たな抗議運動、ミュージック・フェスティバル
そしていま、新たな抗議運動が全米を席巻しつつある。それは、「ミュージック・フェスティバル」の隠語で呼ばれている運動である。トランプ政権は首都ワシントンの警察機構を司法省の管轄下に置き、実質的な軍隊である州兵を動員した。案の定、これに反発する抗議運動が起こっているのだ。もともとロサンゼルスで6月に始まった運動が、首都ワシントンに拡大している。
最近TikTokをスクロールしていると、全米各地で今年最大の音楽フェスティバルを開催していると思うかもしれない。しかし、チケットもステージもラインナップもない。これは「アルゴスピーク」の一例だ。
「アルゴスピーク」とは、クリエイターがTikTokのコンテンツ規制をすり抜けるために使うフレーズだ。「パンデミック」を「パニーニ」、「中絶」を「キャンプに行く」、「自殺」を「下水道の滑り台」という隠語で置き換えている。
反トランプの抗議活動を直接的に呼びかける代わりに、TikTokユーザーはデモを「ミュージック・フェスティバル」としてリブランドしている。キャプション、ハッシュタグ、コメントには有名アーティストの名前が挙げられている。これでアルゴリズムを活性化させ、コンテンツの拡散を促している。こうすることで、抗議活動の主催者、支持者、参加者は、プラットフォームによって自動的に抑制されることなく、生の映像や最新情報を共有できるのだ。うまいことを考えたものである。
もともとこれは、ロサンゼルスで数週間にわたって続く「移民税関捜査局(ICE)」の反対デモだったが、いま首都ワシントンをはじめ全米に拡大しつつある。シアトル、サンフランシスコ、ポートランド、ニューヨーク、ダラス、デンバー、フィラデルフィア、フェニックス、サンアントニオなど、全国各地のTikTokユーザーが同じ戦術を使って同じ目標を追求している。それは、主要メディアが報道していない時にもメッセージを拡散し、自分たちの主張を目に見える形で発信し続けるためだ。
運動には中心的な主催者のようなものはない。TikTokを中心に、まさに草の根的に拡大している。抗議運動の動画はYouTubeでは見られない。「ミュージック・フェスティバル」のキーワードで検索しても本当の音楽祭の動画しか出てこない。抗議運動の現場の動画が見られるのは、TikTokだけである。以下にまとめた。抗議運動の規模の大きさが分かる。
・首都ワシントン
https://vt.tiktok.com/ZSAY1uxTj/
・ロサンゼルス
https://vt.tiktok.com/ZSAY123E5/
・サンディエゴ
https://vt.tiktok.com/ZSAY1NXkb/
・シカゴ
https://vt.tiktok.com/ZSAY1mMDP/
・デンバー
https://vt.tiktok.com/ZSAY1uKs5/
●これからどうなるのか?
もちろんいま、アメリカ人のストレスの原因になっているのは、トランプ関税がもたらしたインフレと生活の悪化だけではない。いま、ウクライナ和平に向けたトランプとプーチンの首脳会談のニュースで持ちきりで、「ミュージック・フェスティバル」の抗議運動は主要メディアではほとんど報道されていない。だが、エプスタインの児童性愛問題に対するアメリカ人の怒りは凄まじい。
最近、エプスタインの児童性愛ネットワークのクライアントであった英王室のアンドリュー王子の自伝が発刊された。この本には、エプスタインとのかかわりも書かれているようだ。トランプとの関係がどの程度書かれているのかは分からないが、この本の発刊によってエプスタイン問題は改めて注目され、トランプに対する怒りはさらに爆破している。トランプの岩盤支持層である「MAGA派」も怒り心頭である。
この怒りによって、トランプへの抗議運動が手が付けられない状態にまでなる可能性は十分にある。また新たな混乱期にアメリカが入るのかどうか、様子を見るべきだろう。
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●「ヤスの勉強会」第138回のご案内●
「ヤスの勉強会」の第138回を開催します。世界の混乱がさらに加速しています。アメリカを中心とした欧米の本格的な凋落と、中ロを中心としたとしたBRICS経済圏への多極化の動きはどんどん加速しています。しかし欧米は、簡単には支配的地位を手放しはしません。混乱を拡大しながらも、支配的地位にしがみつくでしょう。これから、さらなる混乱期に突入します。どうなるか、全力で予測します。
※録画ビデオの配信
コロナのパンデミックは収まっているが、やはり大人数での勉強会の開催には用心が必要だ。今月の勉強会も、ダウンロードして見ることのできる録画ビデオでの配信となる。ご了承いただきたい。
【主な内容】
・日本のこれから、いったいどうなるのか?
・暗号通貨の国際決済と米経済の崩壊
・アメリカの福音派の予想できない動き
・日本では報道されない中国の実態
・憎まれて消滅しつつあるイスラエル
・本当に我々の意識は進化しているのか?
など。
よろしかったらぜひご参加ください。
日時:9月27日、土曜日の夜までにビデオを配信
料金:4000円
懇親会:リアル飲み会とZOOMで開催
以下のメルアドから申し込んでください。
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社会分析アナリスト、著述家、コンサルタント。
異言語コミュニケーションのセミナーを主宰。ビジネス書、ならびに語学書を多数発表。実践的英語力が身につく書籍として好評を得ている。現在ブログ「ヤスの備忘録 歴史と予知、哲学のあいだ」を運営。さまざまなシンクタンクの予測情報のみならず、予言などのイレギュラーな方法などにも注目し、社会変動のタイムスケジュールを解析。その分析力は他に類を見ない。
著書は、『「支配−被支配の従来型経済システム」の完全放棄で 日本はこう変わる』(2011年1月 ヒカルランド刊)、『コルマンインデックス後 私たちの運命を決める 近未来サイクル』
(2012年2月 徳間書店刊)、『日本、残された方向と選択』
(2013年3月 ヴォイス刊)他多数。
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