トップが語る、「いま、伝えたいこと」
「幸せになりたい。」
この言葉は、あまりにも当たり前の願いのように見えます。
学生のころはテストで良い点を取れば褒められ、大人になれば仕事で成果を出せば認められる……。何かを得ること、勝ち取ること、叶えること……。その先にこそ「幸せ」は待っていると、ぼくたちはほとんど無意識に信じ込んできました。
けれど、いつからだろう……。
その「幸せ」は、どんどん先へ、先へと逃げていく……。
ふと気づくと、そんなふうに感じる日々が、そこにあったんじゃないですか?
もっと収入が上がったら……。
もっと人に優しくなれたら……。
もっと自信が持てるようになったら……。
もっと素敵な人と出会えたら……。
もっと、もっと、もっと……。
気がつけば、人生は“足りないもの”の山の中を歩く旅になっていた……。
幸せ探しのはずが、足りないもの探しになっていたのです。
12月28日、脳梗塞で入院し、ベッドに座れるようになってからは、気づけば、ひすいこたろうさんのご本を読んでいたように思います。
やっぱり、何か“光”のようなものを求めていたのかもしれませんね。
「3秒でハッピーになる 名言セラピー」
「3秒でもっとハッピーになる 名言セラピー+(プラス)」
「THE BEST OF 3秒でHappyになる名言セラピー」
「人生最後の日に ガッツポーズして死ねる たったひとつの生き方」
「あなたの人生がつまらないと思うんなら、 それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。1秒でこの世界が変わる70の答え」
これくらいでしょうか……。
ひたすら読んでいました。
そのうち、立ち上がって、病院内を歩けるようになって……。
たった2週間の入院期間でしたが、いろんなことを考えたり、感じたりしていました。
言葉のエネルギーって、すごいです!
マイナス発想からプラスに持っていけるプロセスは、近くて遠い気がします……。
でも、不思議と少しマイナス発想になっている自分を責めることはなく、ゆっくりゆっくり前向きになっていったように思います。
それも、ひすいさんの伝える言葉の力にずいぶん助けていただいたように思います。
ありがとうございます!
あれから少しずつ元気になってきて、体力もかなり戻ってきたいま、あらためて、ひすいこたろうさんの新著『幸せにならなくたっていいんだよ』のページを開きました。
ページの中から、あたたかい声が聞こえてくるようでした。
「ねえ、もうがんばらなくてもいいんだよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
“がんばるのをやめる……”
きっと、無意識に、ある意味、頑なに自分に許してこなかったこと……。
あなたもそうじゃないですか?
「まだ足りない」「もっとちゃんとしなきゃ」と追い立ててきましたよね……。
でも、ひすいさんは言います。
「あなたは、いまのままで、もう尊いんだよ。」
優しいのに、どこか揺るぎない……。この言葉は、大げさではなく、きっと多くの人たちの「救い」になると思います。
「幸せになりたい」という願いは、ときに自分を苦しめます。
なぜならその願いは、「いまの自分は幸せではない」という前提から始まるからです。
そうすると、人はいつまでも「自分は未完成だ」と感じ続けてしまいます。足りないところばかりが目につき、できなかったことを責め、他人と比べては落ち込む……。
これは、心がずっと「未合格通知」を貼られているような状態ですね。
ひすいさんは、そこでこう言います。
「人は、存在しているだけで100点満点なんだよ。」
できているか
優れているか
役に立っているか
そんな尺度の前に、「ただ、生きている」そのこと自体が尊い……。
この視点は、人生の前提をまるごとひっくり返すように思います。
ひすいさんは、「視点」にとても敏感な人です。彼の本には、やわらかく視野を変える質問がよく出てきます。
「今日、よかったことを3つ挙げてみませんか?」
大きなことじゃなくていい。
むしろ、できるだけ小さいほうがいい。
・空が少しだけ明るかったこと
・コーヒーの香りが心地よかったこと
・駅で知らない人が道を譲ってくれたこと
・ただ生きて、今日をはじめられたこと
“よかったこと探し”は、意識の方向の問題です。人は、探したものしか見つけられません。「欠けているもの」を探せば、どこまでも不足が見えてしまいます。「すでにあるもの」を探せば、人生はじんわり満ちていくのです……。
幸せは、「あるもの」に気づいた瞬間、そこに立ち上がります。
ぼくも、かつて同様のことをテーマにして本を書かせていただきました。
「あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力―「エヴァの時代」。いまを生きる原動力とは!」という一冊ですが、そのなかで伝えたかったことを、ひすいさんは100倍以上素敵に伝えていらっしゃいます。
さて、幸せを語るとき、一つ忘れてはいけないことがあるように思います。
それは、ぼくたちは、自分を責めることに慣れすぎている……ということ。
うまくできなかった自分を、
人と比べてしまった自分を、
弱さを見せてしまった自分を。
でも、ひすいさんはこう言うのです。
「あのときの自分は、あの自分なりの精一杯だったんだよ。」
たとえ、不器用でも、拙くてもいい……。そう思えたとき、胸の奥にいた「小さな自分」が、そっと顔を上げてくれます。
歯を食いしばってがんばってきた自分を、やっと抱きしめにいけるのです。
ひすいさんの言葉で表現すると、
その日から、人生は変わり始めます。
努力ではなく、回復が始まります。
戦いではなく、帰る旅が始まります。
そう、「自分と仲直りする日」が始まるのです。
そして、いよいよ『幸せにならなくたっていいんだよ』の意味するところを考えてみたいと思います。
「幸せを目指さなくていいの?」
「理想を持たなくていいの?」
そうではないですよね!
これは、あきらめの言葉ではなく、「回復」の言葉だと思うのです。
「いまのあなたを、そのまま抱きしめてから、もし行きたい場所があるなら、一緒に行こう」という言葉であると思うのです。
幸せは、努力の結果、いただける賞品ではありません。
誰かに証明するものでもありません。
ましてや、外から、誰かからもらうものでもありません。
幸せとは、“いま、ここにあるものに気づく力”。つまり、ぼくの言葉を使うなら、「幸感力」(幸せを感じる力)なんです。
今日、ひすいさんの真似をして、ひとつだけおススメできることを伝えるなら……。
深呼吸をひとつ……どうぞ!
そして、自分自身に伝えてみませんか?
「今日のぼく(私)、よくやってるよ!」
実は、それだけで、十分なのです。そこからすべてが始まります。
幸せにならなくたっていい……。
もう、ここに、ただ、いるだけで、素晴らしく、とてつもなく幸せなんですよ。
そのことに気づけた日から、人生はやわらかくなるように思います。
ひすいこたろうさん、いつかまた、お会いしましょう!
いつか、直接、「ありがとう」を伝えたい……。
2025.11.03:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】サムシンググレートの聖書 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |











株式会社船井本社 代表取締役社長



















