タロットの秘密を「美術史」で解く

2023.10.1
タロットの秘密を「美術史」で解く

成泰 / NARITAI です。
占術や言語学の研究をしております。

生まれは、1963年。建築士のキャリアを37年間歩むかたわら、1998年から2003年にかけて、イタリアで美術史を学んだ際、マルセイユ・タロットに触れる経験をしました。
帰国後、英・独・仏・伊・露語の語源分析に従事する一方、心理学を研究。
2021年、タロットが潜在意識のリーディングツールであることを知り、深掘りの道へ。
2023年、マルセイユ・タロットを美術史・言語学の観点から独自に解釈した書籍を刊行。あわせて、オリジナル「NARITAI タロット」を制作・出版し、現在に至ります。

今回は、タロットについて、私の考えを述べたいと思います。

1.タロットに隠された秘伝
タロット(tarots)は、もともとは「王侯貴族がゲームに使う絵札」でした。
実際、フランス国王シャルル6世の会計帳(1392年頃)には、〈多色塗りで金箔を施され、数パターンに装飾された3組のカードを、国王陛下の余興用に持参させるために、画家ジャックマン・グランゴヌール宛てに〉※1代金を支払う、と記載されています。
※1 The Gringonneur Case, PRIMARY SOURCES, 1392 (?), Trionfi.com

これらのカードのうち〈十七枚がパリ国立図書館に現存〉※2し、その内訳は、〈「女帝」「教皇」「恋人」「戦車」「正義」「隠者」「運命の輪」「力」「吊るされた男」「死」「節制」「神の家」「月」「太陽」「審判」「愚者」それに「刀剣の従者」〉※2です。
つまり、16枚の「大アルカナ」(主札)と、1枚の「小アルカナ」ということです。
※2 林宏太郎, トランプとタロット, 平凡社(平凡社カラー新書), 1978, p.32

アルカナ(Arcana)とは「大きな箱・箪笥(たんす)(ラテン語:arca)」が語源で、「隠されたもの」や「秘密」「秘伝」を示すようになりました。

「タロットはゲームに使う絵札」と言いましたが、そこには「ある秘密(=アルカナ)が隠されている」のです。
結論を言ってしまうと、その「秘密」とは、10世紀から13世紀にかけ、南フランスと北イタリアで展開した思想グループ「カタリ派」の秘伝です。

カタリ派は、カトリック教会(ローマ教会)から異端認定されたため、迫害から逃れるために、「キリスト教の教義や人物の姿」を借り、「ゲーム用絵札」の体裁を装って、自分たちの「教義」を「大アルカナ」(22枚の主札)に封印したのです。

2.大アルカナの秘伝を解くカギは「美術史」
さて、私たちは、タロットを「占い」に使っているわけですが、大アルカナには、スピリチュアルなメッセージが2重に封印されています。

その封印は、次のような「2重構造」になっています。
@表層:ルネサンス、古代ギリシャ・ローマ、エジプト、バビロニアの思想・哲学
A深層:カタリ派の異端教義

先ほど触れた「カタリ派の教義(秘伝)」は、「A深層」に当たります。
絵柄に込められた「@表層」の象意が解ければ、「A深層」 に至ることができます。

ところが、「象意」を知ろうとしても、世にある「タロット解説書」のほとんどは、カード一枚一枚の「解釈ワードを羅列する」のに終始しているのが実態です。
その「勉強」がイヤになり、放り出してしまうひとも多いようです。

でも、それっておかしくないか?
メッセージは「絵札」に込められたのだから、描かれている「絵」の印象を、素直に受け取ることが大事なのでは?

そんな疑問を抱えつつ、「絵そのもの」と向き合ううちに、イタリアで美術史に親しんだ記憶が蘇り、「タロットは美術作品と関係がある」ことに気がつきました。

なお、イタリアで私が出会ったタロットは、数ある種類のうち、「マルセイユ・タロット」
といわれるバージョン(版)です。

そのマルセイユ版を注視した結果、「大アルカナ・22枚」のうち、多くのカードが「ルネサンス美術の有名作品にとても似ている」ことにピンと来たわけです。

さっそく、カードの絵柄を一枚一枚、美術史学の方法で分析する作業を経て、「大アルカナ・22枚」について、「美術史上のルーツ」を推定することができました。

そこから、「@表層」の象意を深く理解することができ、「A深層」に込められた「カタリ派の秘伝」も知ることができました。(詳細は、前掲書をご覧ください。)

3.大アルカナ・22枚がつくる物語
これも解説書には書かれていないのですが、大アルカナの順序には意味があります。 各カードがページとなり、全体で22ページの本(物語)を構成しているともいえます。 つまり、カタリ派の教義が語られている「本」ということです。

下図は、この物語を「螺旋マンダラ」として視覚化したものです(前掲書 page 033)。

プレイヤー(主人公)は「00 愚者」。
カードは「01 魔術師」から出発し、右回りの円を描いて「10 運命の輪」に至ります(第1ラウンド)。
つづいて、「11 力」から再出発し、外側の円を描いて「21 世界」に至ります(第2ラウンド)。
グレーの10本の「指」は、10個の「数秘」を表しています。

このストーリーを、オペラ仕立ての「人生絵巻」として描くと次のようになります。

◆第1幕
【家庭】幼児(00 愚者)が、少年(01 魔術師)、思春期の乙女(02 女教皇)になっていきます。
その成長を、母・妻(03 女帝)、父・夫(04 皇帝)が見守ります。

【社会】大人になり社会に出ると、教師・規範(05 法王)の支配下に入り、恋愛・結婚(06 恋人)し、仕事(07 戦車)に就いていきます。その営み・成果は評価・裁定され(08 正義)、やがて引退を迎えます(09 隠者)。

【間奏曲】世俗の役目を終えた主人公は、人生いろいろだったことを回想しつつ、第2幕が準備されることになります(10 運命の輪)。

◆第2幕
【人智】スピリチュアルな人生に向け、再奮起(11 力)。しかし、なかなかうまくいかず、頓挫しながら視点を変えてみたり(12 吊るし人)、心機一転したり(13 死)の果てに、流れに任せて(14 節制)みますが、誘惑に囚われて(15 悪魔)しまいます。

【天理】人智は脆(もろ)く・儚い(16 塔)ことを知り、星に願いをかけます(17 星)。潜在意識に不安を抱えつつ(18 月)、モヤモヤとした想いはやがて晴れ(19 太陽)、最後に、気づき(20 審判)に至ります。

【フィナーレ】この世は完全無欠であること(21 世界)を悟りつつ、次なるステップへのゲートをくぐります(再び、第1幕に戻ることになります)。

4.オリジナルタロット
今回、「タロット本」の出版と並行し、オリジナルタロットの制作を行いました。
マルセイユ・タロットの大アルカナ22枚を独自の美術史研究により再構築。
ルネッサンス期の色彩を復元したほか、人物には漫画的手法で心理描写を施しました。
成泰 著『タロット 隠されたメッセージ』に、詳細説明があります。
「タロット本」とあわせて、楽しんでいただけると幸いです。

5.マルセイユ版以後
1909年、ロンドンで「ライダー・ウェイト・スミス版」がリリースされました。
とても人気を呼び、タロットの現在の主流はこちらの版になっています。

今回は、以上となります。ありがとうございました。


《ご案内》

(1) タロットに隠された秘伝について詳しく書き記したのが、拙著『タロット 隠されたメッセージ』です。2023年6月20日にヒカルランドから出版されました。ぜひ、読んでみてください。


なお、SNSに、解説記事やカラー画像を投稿しています。
・X(旧Twitter) https://twitter.com/naritai_com
・Instagram https://www.instagram.com/naritaitarot/



(2) 成泰タロット《ザ・マルセイユ》
マルセイユ・タロットの大アルカナ22枚を独自の美術史研究により再構築。
ルネッサンス期の色彩を復元したほか、人物には漫画的手法で心理描写を施しました。
成泰 著『タロット 隠されたメッセージ』(2023.06.20)に、詳細説明があります。
「タロット本」とあわせて、楽しんでいただけると幸いです。





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