
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

米FOMCは予測通り今年2回目の利上げをしましたし、日銀の金融政策決定会合は大規模な緩和策の維持を決定しました。市場は完全に織り込み済みでしたので、大きな反応はありませんでしたが、利上げしたにも関わらず直後の日本やヨーロッパの市場では円高傾向に振れました。でもさすがに、1週回ったNY市場では日米の金利差を意識した円安が進み、それが材料になって金曜日の日経平均は大幅高になりました。ただ、2万円に近づいてくると個人の売りが出るのでなかなか2万円の大台を超えないのが、日本市場の面白いくて(少し皮肉を込めていますが)健全なところだと感じます。
アメリカでは一時的にアップル等の時価総額が大きいハイテク株が大きく値を下げ、いよいよ金融恐慌がやってきたのかという懸念が一時広まりましたが、すぐに元に戻りました。プログラム取引のいたずらで偶然、こんなことが起こった可能性が大きいのですが、もしかしたら誰かが何かの意図を持って仕掛けたのかもしれません。例えば、どれぐらいどのように売ればどれぐらい暴落させられるか実験しているような気もしなくもないので、本当に金融市場は何でもありだなと思います。
いま、伊勢の公益財団法人修養団の伊勢道場でこの原稿を書かせていただいています。にんげんクラブ主催の「悠久の伊勢に学ぶ会」が終わって、ほとんどの参加者が残っていただいて、午後からへそ道の入江富美子さんが主催される「伊勢の風を感じる会」にそのまま参加させていただくことになっています。普段は昼食を食べないので、連続参加の皆さまはおかげ横丁などに昼食に行かれている時間を利用して原稿を書いています。
昨日は外宮のそして今日は内宮の月次祭に参加させていただきます。月次祭は6月と12月に行われるお祭り(ご神事のことです)で、11月の神嘗祭と合わせて三節祭と言われる神宮の年間1500回にもなるお祭りの中でも一番大事なものの一つになります。昨年は雨のお祭りを楽しませていただいたのですが、今年は梅雨時にも関わらず好天に恵まれ、ご神事の本質を十分に堪能できてとても感動しています。
雨はお金のエネルギーに関係するので、雨に降られるとお金とご縁ができると言います。昨年の雨のお祭りのおかげかどうかは分かりませんが、確かに船井総研の業績が絶好調なので株価も上がっており、ありがたいことだと喜んでいます。また、少しは精進が進んでクリーニングも進んだのか今年はいい天気に恵まれて、今夜の五十鈴川での禊もきっと素晴らしいものになるだろうとワクワクしています。
ところで、少し前の話で恐縮ですが、ゴールデンウィークのある1日のことでした。朝から妻が出かけて不在だったので、2人の息子に「朝食を外で食べようか」と声をかけ、車を出しました。ホテルの気取った朝食などではなく大学生の息子と行ってみたい懐かしい場所がありました。それは「青デニ」。デニーズ南青山店です。青山墓地の向かい側にあり、六本木や乃木坂にもほど近いこちらのデニーズはバブル期前後に大学生だった我々世代には、大変なじみの深い場所でした。深夜になるとマスコミ業界人や顔をよく知っている著名人で店内があふれ、決して派手に大学生活を過ごしていなかった私などは、そっと隅でお代わり自由のコーヒーをすすっていたものです。
さすがゴールデンウィーク、なんと長蛇の列で順番待ちが8番目。朝ごはんではなく、昼ごはんになってしまうぐらいの込み方でした。「スクランブルエッグが食べたい!とすっかりデニーズモードが入っていた私は、四谷の船井本社の近くのデニーズへ車を走らせました。こちらは駐車場がある店ではないのですが、いつも使わせていただいている近くのビルの時間貸し駐車場に停めさせていただきました。ここはオフィス街だし、GWはすいているだろうと思ったのですが、すぐには入れましたが、セブン&アイHD本社のお膝元なので近隣の店がほとんど閉まっているこの日は社員食堂のような感じになっていました。
周りの社員らしき人たちを見ているといつの間にか話は小売業の業態論になっていました。しばし、コーヒーをお代わりしながら、マーケティングのプチ講義の時間となりました。都心の駐車場は高価で、話が弾んだ分ちょっと高い朝食(昼食の時間までいました)となりましたが、(子どもたちにとっては迷惑ですが、私にとっては)楽しいひとときでした。
父が得意だったのは、自動車社会の到来を見越したショッピングセンターの開発で、郊外の総合スーパー。映画館などを併設し郊外のイオンモールなどは、アメリカの田舎のショッピングセンターを思わせる巨大な敷地で、初めて行った時は心が躍ったものです。 商圏の変化で、いまは都内の立地がよいスーパーの売り上げは安定しているようですが、小売業はなかなか厳しく、ダントツで伸びているアマゾンなどの通販業界にますますシェアを取られていくことになるでしょう。
父は原理原則を外さない商売をして、時流を読めば経営は成功するという話もしていました。百貨店やGMS(総合大型店、東京の方ならかって隆盛を誇ったダイエーの碑文谷店をイメージしてみてください)という当時はほとんど原理原則だと思っていた一番店の総合大型店は絶対に強いという概念すら変化しています。目先の時流だけではなく、何十年単位のトレンドも読まなければいけない時代ですね。そんな中でも変わらない原理原則は、社員を大事にするという日本的経営のあり方だと改めて確信しています。
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2017.06.19:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】原理原則と時流 (※舩井勝仁執筆)
2017.06.12:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】超意識の目覚め (※舩井勝仁執筆)
2017.06.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】確率微分方程式 (※舩井勝仁執筆)

ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

