トップが語る、「いま、伝えたいこと」
4月16日(木)に日経平均株価は最高値を更新しました。日本だけではなく、世界の主要なマーケットの株価もおおむねアメリカとイスラエルのイラン攻撃前の水準に戻していて、トランプ大統領の気まぐれとも思える不確実性を市場は織り込んだとみてもいいかもしれません。正直に懺悔しますと、私は少なくとも日経平均で5万円を切る水準ぐらいの調整はするだろうと思っていましたので、予想を外したことになります。まだ、事態の不確実性は残っており根本的な対立の構図も変わっていませんが、お金という実利が絡んでいるある意味とても厳しい相場の世界は読み切ったと考えているようです。
証券会社のアナリストたちは、夏には6万2千円という見方を出し始めたりしていて、株価はまだまだ上がっていくと考えてもいいのだと思います。私は予測を外したばかりなので、投資はあくまで自己責任でお願いするのが大前提ですが、今の株価は経済や企業業績が好調だから上がっているのではなくて、インフレ傾向が定着したことによるヘッジとして買われています。預貯金を含む現金で資産を置いておくとインフレで目減りしてしまいます。だから、実態を伴うもので流動性の高い(いざという時にすぐに現金に変えられる、つまり逃げられる)ものを買っておこうという強烈なニーズが発生しています。
理論的には、PER(株価収益率:企業の利益の何倍の株価になっているか)が20倍水準になってきて、まだバブルではありませんが割安でもないので、無条件に買い進められる水準は超えてきています。ただ、他に代替できるだけの規模と流動性を備えた市場も見当たらないのでどうしても株式市場に投資や投機の資金が集まる構図になっています。金や暗号資産(ビットコインやイーサリアム等)は面白いのですが、市場規模が小さいので乱高下しますし、国債に代表される債券市場も歴史と取引規模が違い過ぎます。だから株を黙って(もちろん、一定の勉強をしていただいた上で)買っていくのが王道になります。
勉強したくない人のために投資信託という手段もあるのですが、個人的には最近はあまりお勧めしなくなってきています。例えば、全世界株式(通称オルカン)という分散投資でリスクヘッジができるという触れ込みの投資信託もあるのですが、アメリカのビッグテックの時価総額が余りにも多くて、分散投資のつもりでも実質的にこれらの会社の株を買うこととほとんど同義になってしまいます。また、運用しているプラットフォーム(ブラックロックのアラジン)が一説には21兆ドル(約3350兆円)の資産の管理監視をしているとも言われていて、一極集中の弊害が出てくる可能性もささやかれるようになってきました。
オルカンやS&P500だけを買っていてもまったく勉強になりませんので、個別株を買ってみていただくのがいいと思っています。多少の損失にめげずに実体験を伴った売買は経済を知る第一歩になります。現物のストレートな取引をしている限り損失は限定されますので、ネット証券会社に口座を開いていただいて四季報を買って勉強していただきながら楽しんでいただければと思います。不要不急のお金で余資の運用をするという基本さえ守っていれば中長期で見ればいい結果になる確率が高いと思いますので、勇気を持って新しい世界に踏み出していただければと思います。
このような混迷の時代にあって、むしろ目に見えない世界に軸足を置いた一冊に出会いました。瀬知洋司著『となりの小さいおじさん〜大切なことのほぼ9割は手のひらサイズに教わった〜』(アルソス)です。世界情勢や相場の世界にはまったく関係がありませんが、こうした時代にどう情報に接して、それに基づいてどのように生きていくべきかを考える上で、とても参考になる本だと感じます。著者は、舩井幸雄の担当編集も務めた人で、私はあまりお話ししたことがないのですが、本物研究所の佐野浩一会長が親しくて佐野が舩井メールクラブで中矢伸一先生との対談で本書のことを紹介していました。
小さなおじさんとは、どのようなものか。自分のそばに存在する、他の人には見えない不思議な、若き日から瀬知さんだけに見えるようになった存在です。そのおじさんはどのような人物であり、影響を及ぼしてきたのかが赤裸々に語られています。冒頭で大胆に自己開示をしている記述がありますが、確かにこれは突拍子もない発言であるように感じられます。しかし小説調でドラマティックでもなく淡々と語られる話は、どこか空想の世界のようなスピリチュアル的な書籍とは違い不思議なリアリティがあり、一線を画しているようにも感じられます。
著者のことを多少存じ上げているからなのかもしれませんが、同種のスピリチュアルな読み物は何冊かあり、それはそれでとても参考になると思って知人や講演で勧めてみたこともあるのですが、小さなおじさんに対しては不思議な現実味を感じることができました。ユーモアがあり、豊富な知識を持ち合わせ、とても有益な言葉を投げかけてくれる小さなおじさん。自由奔放なその存在が、瀬知さんにとって非常に重要であることが、言葉の節々から伝わってきます。そして、それを通して読者一人ひとりにも大事なメッセージを伝えてくれているのです。
想像上の友だちのようなモノなのか、それとも周波数が合うので引き寄せられてやってきた違うモノなのか。何か特別な啓示をくれるのか、自分の中にある答えを第三者として伝えてくれるのか。様々な解釈が可能ではあると思いますが、個性的で面白い(ただ実在すると少し困った存在の)おじさんであり、可視化することができれば自分を助けてくれる存在であることはきっと間違いないのでしょう。誰しもが持っている(近くにいる)かもしれないおじさん。是非とも自分も見てみたい、そう思わせてくれる一冊でした。
父もとても大切にしていた目に見えない摩訶不思議な世界。それを頭から否定するのではなく、かといって全面的に依存してしまうのでもなく、ちょうどいい距離感で、その存在を認め、平常心でお付き合いする心構え。こういう自分の内面を平和に保つことが案外、この混迷の時代を乗り切る大きなヒントになるのではと感じています。
=以上=
2026.04.13:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】倉田百三が説く西田幾多郎の『純粋経験』 (※佐野浩一執筆)
2026.04.06:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】お金持ちになる方法 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |










株式会社船井本社 代表取締役社長



















