“本物主義”時代の幸せな生き方
このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
今朝、偶然にも、ヨグマタ・相川圭子さんから、新著が贈られてきました。
タイトルは、『八正道』。今回は、本書を参考にしつつ、学んだこと、考えたことを書かせていただこうと思います。
私は、基本は「無宗教」をとおしていますが、最近は、「禅」の考え方にこれからの未来を解く鍵があると感じて、少しずつ学びを続けています。
さて、お釈迦様の最初の説法は、「人間は際限の無い割愛のため、苦に苛まれている。この苦を克服して、涅槃に至るためには、苦と楽の両極端に走らないで、中道の生き方をすべきである。そのためには中道の実践修行である八正道による生き方をすべきである」と説かれたそうです。
そもそも、八正道とは何なのか。
八正道とは、苦を滅する方法である「道諦(どうたい)」という、四諦の概念で説明される方法論のことです。
苦を滅する方法を説く「道諦」の具体的な方法論が、八正道であると教わりました。
この八正道とは、苦を滅する方法ということですが、さらにカンタンに言うと、「涅槃に至るための基本的な修行」だと考えられます。
涅槃というのは、釈尊の他界を意味する言葉であり、「寂滅」(じゃくめつ)といって、全ての煩悩から解脱(げだつ)した境地のことでもあります。
その涅槃に到るための修行の基本が、この「八正道」というわけです。
つぎに、その前提として知っておきたいのは、「八正道」の「正」です。一般的には、「正」と言うと、単純に「正しい」という意味であったり、ある決まり事を守っていることを「正しい」と表現します。そして、その「正」の反対が「悪」という概念であると理解してよさそうです。
しかし、仏教における「正」は、「善と悪」「正と邪」というような、相対的な捉え方や考え方ではなく、「拘りや偏りがなく、物事にとらわれずに行うべきこと」と理解できます。中道、すなわち八正道とは、苦と楽の極端に偏らないことといってよいでしょう。だからといって、足して2で割る「真ん中」という意味ではありません。「真理にあっている」とか、「調和が取れている」ということです。
ここまでを前提として、この「八正道」には、読んで字のごとく8つの教えがあります。
「正見」=「ただ見るということ。あるがままに、とらわれずに見る」
「正思」=「過去にも未来にもとらわれない、ただ、『今にいる』ことができる」
「正語」=愛のある純粋な言葉で、思いやりをもった『愛語』を口にする」
「正業」=「殺さず、傷めず、強いず、偏らず、心を、体を正しく使う」
「正命」=人を幸せにする生業、愛を積む生活をおこなう」
「正精進」=「外側も内側も教えを実践する。常によい行為を繰り返す」
「正念」=「深く強く、思い続ける。静かで深い集中を続ける」
「正定」=「平和で静かなところに留まる。何にもとらわれず、平和で自由に生きる」
このなかで、私たちは、まず「正見」に取り組めたらいいと直感的に感じたのです。
そもそも、私たちの情報の8割は目から得ているという話を聴いたことがあります。ということは、より幸せに生きるためには、「いかに見るか」がとても大事なことの一つだということになります。
私たちの人生には、さまざまな苦しみ、不安、悩みがつきまといます。ましてや、このいまのような、新しい時代の夜明け前は、世の中も混とんとした状態が続きます。心を静かにしておかないと、いろんな感情に振り回されてしまいます。
だからこそ、「正しく見る」ということを学ぶ必要があります。
“私たちは、本当に正しく見ているのでしょうか?”
実際には、目という感覚器官を使って、「ただ、見ている」というわけではありません。実は、過去の経験や体験をとおして、何らかの先入観をもって見ていると認識したほうがよさそうです。あるいは、世の中の常識や、周囲から教わったこと、好き嫌い、そのときの感情、自分の判断、知識、情報……など、意識するかどうかは別として、これらのフィルターをとおして見ています。
だから、苦しくなったり、悩んだりするのだそうです。
本書によると……、
(引用開始)
多くの人は、心や体を「自分」だと思っていますが、ヒマラヤの教えでは、心と体がその人自身とは考えません。
心のさらにもっと深くにある「セルフ=自己」とは魂ですが、人は魂を忘れています。心に蓄積した記憶や知識や執着が曇りとなって、魂を厚く覆ってしまい、その魂が見えないし、感じられないからです。セルフあるいは自己、つまり魂というあなたの本質を悟っていかなければ、心から解放されないのです。
(引用終了)
そのために瞑想を行い、自身の内側を見つめることが示唆されています。
本書は、ヒマラヤ聖者の立場から書かれていますので、もちろんヒマラヤ瞑想がすすめられていますが、基本的には、心を静かにする習慣を持つことが本質だと考えます。
目をつぶって、視覚情報をいったん遮断して、呼吸にしっかり意識を向けて、脳を休ませる……。それによって、“魂を覆っている曇り”を少しでも除く習慣をつけることだと思います。
新しい時代へ向けて、その準備として私たちが行っておきたいこと。
そうして意識を変えることで、きっと私たちが迎える未来も良い方向にシフトするように思えてなりません。
今回は、そのような視点から、「正見」をご紹介し、そのための方法論として「瞑想」の必要性をお伝えしました。
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1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。
2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。
講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。