“本物主義”時代の幸せな生き方
このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
舩井幸雄は、いまのような不透明で混沌とした時代だからこそ、しっかり学び、多くを知ることが大事だと、生涯、伝え続けてきました。
「プラス発想」という言葉がいつしか独り歩きしていますが、その前提として、しっかり学び、多くを知るからこそ、その対処法がわかり、前向きに生きられる……ということなんだ……と、これまた、何度耳にしたかわからないくらいです。
さて、「少子高齢化社会」の到来が示唆されて以来、世の中の風潮として、たしかに老後がテーマとなった商品やサービスについて目にする機会が増えてきました。しかし、それだけでは、まるで「木を見て、森を見ず」の状態……。きわめて浅はかな議論が宙を舞っているような感じだと言わざるをえません。
そういう点で、未来はどうなっていくのかをしっかりいまのうちから学び、イメージしておかなければいけません。
ベストセラーとなっている『未来の年表』(河合雅司著、講談社現代新書刊)によると……、
2017年 「65〜74歳」人口が減り始める。
2018年 75歳以上人口が「65〜74歳」人口を上回る。
18歳人口大きく減り始める。
2020年 女性の過半数が50歳以上となり、出産可能な女性の数が大きく減り始める。
2024年 団塊世代がすべて75歳以上となり、社会保障費が大きく膨らみ始める。
2035年 男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚。未婚大国に。
2040年 全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機をむかえる。
2045年 東京都民の3人に1人が高齢者となる。
2055年 4人に1人が75歳以上になる。
2115年 総人口が5,055万5000人まで減る。
出生率はどんどん減り、高齢化比率が急上昇。しかも、少子化と高齢化が並行して進んでいくので、人口自体もどんどん減ってくるというのが、同書の予測です。
一方、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社刊)によると、先進の人口学者がはじき出した2007年生まれの子どもたちの平均寿命の予測があります。2007年生まれというと、いま10歳。私の次男もこの年なので、とてもリアルに感じられます。
2007年に、アメリカ、カナダ、イタリア、フランスで生まれた子どもの50%は、少なくとも104歳まで生きる見通し。日本の子どもにいたっては、なんと107歳まで生きる確率が50%あるというのです。
約100年前の1914年に生まれた人が100歳まで生きている確率は1%にすぎません。私たちの周りに100歳以上の人がほとんどいないのは、このためです。それに対し、2107年の世界では、100歳以上の人が珍しくないのです。いま10歳の子どもたちの半分がまだ生きているからです。
100歳を生きるのが当たり前の社会。
いまの私たちには想像ができません。でも、確実にその時代はやってきます。
そこで容易に想像できるのが、ライフスタイルはいまのままではない……ということ。いまを生きる私たちの人生70〜80年時代では、「3ステージの人生」です。つまり、「教育」「仕事」「引退」の3つのステージで構成されてきました。でも、定年がさらに伸びて、仮に70歳で引退したところで、そのあと30年以上の長い年月をどう生きるかという問題意識は、ほとんどの人が持ったことがないと思います。
3ステージの生き方を経済面で機能させ続けるためには、「仕事」ステージを非常に長くするしかありません。しかし、それでは健康面を含め、悪影響が及びます。一方、仮に80代まで働く時代に変わっていくとしても、20代前半で受けた「教育」を、その後60年間も継ぎ足しをしながら通用させていくのは、これからのテクノロジーの劇的な進化を考えると、不可能です。
ここで提案されているのが、「マルチステージ」の人生設計です。80歳を超えるまで、知識とスキルの劣化に対応し、休みもなく、柔軟な働き方もせずにやっていける人などほとんどいないのではないかという危惧が示されています。
いま、私たちが普通に考えている「3ステージ」の人生は、新しい時代には不可能になり、生き方自体も新しくなっていくということです。
同書には、いくつかの新しいパターンが示されているのですが、もっとも興味深かったのが「5.0シナリオ」と呼ばれているものです。簡単に言うと、キャリアを中断してリフレッシュし、変身を遂げるための期間を、人生で2度設けるという設計です。この時期に、人的ネットワークを広げ、自分のアイデンティティについてじっくり考え、無形の資産形成をします。本格的な“移行”を実現するためには、こうして自分を「リ・クリエイト」(再創造)することが必須となるというのです。こうなると、余暇の時間の多くは「消費」ではなく「投資」に割いていくことになります。その間の生活資金も計画して生きる必要がありますね。
このステージの一つとして、もっとも興味深かったのは、「ポートフォリオ型」の生き方でした。所得の獲得を主たる目的とする活動、地域コミュニティとの関わりを主たる目的とする活動、親戚の力になるための活動、趣味を究めるための活動など、さまざまな活動のバランスを主体的に取りながら生きるステージです。
長い人生、ともすれば過去の繰り返しとなり、退屈を感じかねないところに、こうしたポートフォリオ・ワーカーのステージを生むことをとても魅力的に感じます。
とはいえ、いまを生きる私たちは、その手前の段階にいます。
少なくとも、自分の子どもや孫たちが、ご紹介したような未来を生きることを念頭に置いたうえで、何かしら“お手本”のようなものを示すことができれば、それは彼らにとって、とてつもなく大きな財産になるように思います。
私たちの一つ前の世代は、「3ステージ」の人生を生きてきました。そう考えると、私たちは、少なくとも「3.5ステージ」を生きることになるのではないかと思います。
その「+0.5」のステージを、どう表現できるか、どのようにアクションするかを考えると、私は、とにかくワクワクしてくるのです。
それこそが、次世代への「ギフト」だと確信するのです。心配や不安ではなく、「ワクワク」をバトンパスしたいですね。
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1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。
2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。
講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。