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舩井幸雄のいま知らせたいこと

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2017年6月5日
確率微分方程式 (※舩井勝仁執筆)

 トランプ政権の行方はかなり危ういという報道をよく目にするようになりました。それにも関わらずニューヨークダウは史上最高値を更新していて、説明のつかない領域に踏み込んできている気がします。1993年に出版された『貨幣論』(ちくま学芸文庫)という名著を出版されている経済学者の岩井克人先生は基軸通貨(英語ではキー・カレンシーで世界中の経済をあけることができる鍵という意味が内包されています)である米ドルがハイパーインフレになることが一番恐ろしいと言っています。そして、トランプ現象を見ているとまさにその危機が目の前に迫っているのではないかと感じてしまいます。
 日本の株式マーケットは健全にも(?)ようやく2万円台にのせるぐらいでもたもたしていますが、金融恐慌や日本円がハイパーインフレになっても米ドルさえ持っていればそれを乗り越えることはできますが、基軸通貨である米ドルがハイパーインフレになったら対処の方法がありません。個人的にはブロックチェーン技術を使った新しい仮想通貨がキー・カレンシーになっていくイメージを持っていますが、基軸通貨の変更に当たっての衝撃をいかにソフトにしていくかを考えなければいかないのかなと思っています。

 尊敬する理論物理学者の保江邦夫先生の著書に、『Excelで学ぶ金融市場予測の科学―市場を動かす中心金融定理とは何か』(2000年講談社)と『確率微分方程式―入門前夜』 (1999年朝倉書店)があります。

 ここ数年、「ザ・フナイ」および舩井メールクラブ、そして「いま知らせたいこと」で、ほとんど毎回経済および金融の問題を取り上げています。いまはブロックチェーン技術を中心にして今後の世界経済の成り行きと日本経済の行く末を常に考えておりますが、ふと自分を引き寄せた本がアマゾンで検索して見つけた保江先生の二冊の本です。
 「リーマン・ショック」は2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行である「リーマン・ブラザーズ・ホールディング」が破綻したことに端を発して、続発的に世界経済危機が発生した事象のことをいいます。リーマン・ショックの原因になったのは金融工学に基づいたわけの分からない商品を作り過ぎたことにあります。その元になったのはブラック・ショールズ方程式と呼ばれるもので、物理学者や数学者に見せると、とてもシンプルなものであることを教えてくれます。
 金融工学の背景にある学問はいったい何があったのでしょうか。その源流は第二次世界大戦中の1942年に、のちの京都大学教授・伊藤清(1915〜2008)が提起し確立した『確率微分方程式』であるとしています。この伊藤清の公式(伊藤ルール)は、その後アメリカ科学アカデミーでも高い評価を受け、この公式(確率解析学における基本定理で確率積分の計算手段を示したもの)なしでは確率解析における計算は不可能であるとまで言われました。そしてこの論理を基盤としてファイナンス分野に大きく貢献したのです。
 元来、方程式で表現することのできるグラフは直線もしくは規則性を持つ曲線のみで、まったく規則性のないランダムな曲線は方程式で表すことはできませんでした。この点、伊藤清の定理は微積分に確率論を導入することによって、株式や債券の金融商品の価格変動のチャートなど、規則性のない曲線を方程式に記述することを可能にしたのです。このため、将来のある時点における金融商品の理論価格を方程式で計算することが可能となり、数学に留まらず1990年代に発達した『金融工学理論』の進歩に多大な貢献がありました。

 先に述べたデリバティブの一種であるオプションの価格評価式であるブラック・ショールズ方程式の発想は伊藤清の定理が起訴となっていますが、この方程式を考案したことによってノーベル経済学賞を受賞したマイロン・ショールズは、伊藤清と会った時、自ら握手を求め敬意を示したそうです。しかし当の伊藤清は経済学には無頓着で、経済学者の集まりに出席した際に、あまりの歓声ぶりに戸惑い、「そんな定理を導いた記憶はない」と言い張ったエピソードが個人的に印象的でした。
 伊藤清先生といい、「数学は究極の情緒である」といった数学者 岡潔先生といい、そして保江先生もそうですが、我々の計り知れない情緒が頭の中にいっぱい詰まっているのでしょう。落ちこぼれの高校生が1年で東京大学を目指す大ヒット漫画「ドラゴン桜」の中でも、東大の二次試験の数学の解答用紙に優秀な受験生は、いかに余白を美しく数式を書くか心血を注いでいるというエピソードが興味深く、調べてみましたら、名だたる数学者の数式のノートはおどろくべき芸術性に満ちていました。今度、こんな話も保江先生ともしてみたいものです。

 目に見えないテーマの精神世界の本や講演での発信が最近は多い保江先生ですが、本業のご専門を生かせば、ミリ秒以下の単位なら正確に相場が読めるといったお話はとてもとても興味深く、皆さんにもシェアしたいものの1つです。いつか一緒に、経済とスピリチュアルを程よくコラボした対談をしてみたいです。私もその日を迎えられるよう勉強をして、精進したいと思います。
                                           =以上=

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