トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2021年7月19日
勝手に良くなる (※舩井勝仁執筆)

 アメリカの株価が最高値近辺で動いているのに比べて日経平均は苦戦していて、7月16日(金)の前場の引けで2万8千円を割っています。一時3万円をつけて、場合によっては4万円を窺い史上最高値を更新するのかという見方もありましたが、いまは逆にどこまで下がるかの下値を探るような相場になってきた気がします。世界のお金はアメリカ人の投資家が動かしていて、彼らからするとなぜわざわざ日本の株を買わなければいけないのかが分からないのかもしれません。
 アメリカの株価はみんながなんとか理屈をつけて高水準で推移しているのですが、そろそろ投資家の間では気をつけなければいけないという空気が広がってきたように感じます。いまの株式相場はますます「噂で買って、(良い)材料が出たら売る」という相場になってきているように感じます。欧米でワクチンの接種が拡がった安心感で景気回復が取り沙汰されてその噂で日本の市場も含めて上がってきたのですが、実際に景気の回復やインフレ懸念が現実のものとなってくると、その良い材料が逆に売りを呼ぶような雰囲気になっているようです。
 一番気をつけなければいけないのが、やはりインフレであり、長期国債の金利水準だと思います。アメリカの10年物の長期国債の金利は最近かなり落ち着いてきましたが、イケイケドンドンの空気だった時はかなりのペースで上昇していました。リーマンショック後に先進国の金融当局が口を揃えて言ってきたように2%程度のマイルドなインフレになればいいのですが、歴史の教訓はハイパーインフレの出現の可能性が高いことを警告しています。私自身は特に日本でインフレが来る可能性はまだあまり高くないとは思っていますが、要注意だなとは感じるようになってきました。
 そんなタイミングで副島隆彦先生から「目の前に迫り来る大暴落」(徳間書店)という渾身の金融本が送られてきました。やっぱり副島先生が毎年出されている金融本は必読書だと改めて感じました。特に、いまのいくらでもお金を創っても大丈夫だという金融理論を最初に唱えたのはケインズとハイエクであったという分析には目からウロコガ落ちる思いを感じています。私はMMF(現代貨幣理論:簡単に言うと自国通貨建てで国債の大半を発行できている国はインフレのコントロールさえできれば財政規律を考える必要はないという理論)にかなりシンパシーを感じているのですが、あらためてその淵源を考えてみる副島先生の思考力には脱帽の思いです。
 経営者にとってインフレになるのかデフレが続くのかは本当に大きな問題です。読者の皆さまも、副島先生の本を読んでいただいて、ぜひ自分でどうなるか考えてみていただきたいと思います。

 ネットマーケティングの神様 本田晃一さんの新刊「なんか勝手に人生がよくなる やめることリスト」(SBクリエティブ)という本をいただきました。「なんか勝手に」というフレーズがのんびりしていて、インパクトがあります。これが「どんどん人生が良くなる」ではないところが、読む気にさせます。「自分が苦しめば許される教をやめてみる」「自信を積み上げるのをやめてみる」など、項目的には楽になろうという表現が並んでいますが、自分の本音を根っこから大切にするという人生の基本を親切にていねいに書いた良質な指南書だと感じました。
 「こうするべき」「これが足りないからこうしなくてはならない」ということを常に言っている人がいますが(私自身にも覚えがありますが)、「それは単に戒めを自分の頭上に振りかけているだけで、まだ自分の人生を生きていない」と教えてくれた心の師匠がいました。続けて、「意識しているうちは、本当に望むものは手に入らないよ」と、その師匠は常々言っていて、それは「心頭滅却」というようなアクションを指しているわけではなく、と言って、「考えるな、感じろ」と似て非なるものだということでもあり、私の中でお腹に落とすまでに時間がかかることでもありました。
 ただ、人生の経験上、どんなことでも安易に外に答えを求めず、長年粘りつよく自分に向き合って自然におりてくる答えが、本当に自分のものになるということを実感しているので、大切なことは人生ゆっくり探求していくといいなと思っています。
 「意識しているうちは本当に望むものは手に入らない」、このことがまだ釈然とわかったわけではないのですが、「自分の内側にある理由は、自分と対話することや側に存在する幸せな人やことに目を向けることでいくらでもアップデートできる」と前述の本に、本田さんは書かれていて、ビビッときました。内側の理由とは、長年自分を縛り付けているネガティブな要素のことです。アップデートすることで、望むことを実現させるためにより身軽になることを本田さんは言っているのだ、と私は解釈しました。
 結局、自分の中で何を最も大切にしているのか、どう生きたいのかということがはっきりとしていることが大前提なのですが、そこありきで、本田さんの本を読むと、格別に沁みる内容だと思いました。若い方でもスイスイ読めるトーンなので、お子さんにも読ませてあげていただきたいと思います。
                        =以上=

バックナンバー
2021.07.26:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】挑戦と感動 (※佐野浩一執筆)
2021.07.19:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】勝手に良くなる (※舩井勝仁執筆)
2021.07.12:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】サスティナブルとエシカル消費 (※佐野浩一執筆)
2021.07.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】1日で完結する命 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note