トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2025年10月20日
参政党のヒミツ (※舩井勝仁執筆)

 本当に変化の激しい時で、前回は高市総裁が選出されたことが大きなニュースでしたが、それから2週間で公明党が連立を離脱して高市総理の就任が危ぶまれたのですが、一転、日本維新の会との連立の可能性が高まり再度高市トレードが再燃する勢いも見せています。
 そこにアメリカから飛び込んできたのが、自動車部品メーカーであるファースト・ブランズ・グループ(FBG)と自動車ローン事業者トライカラー・ホールディングスの相次ぐ破綻と、その銀行などへの影響が真剣に懸念され始めたというニュースです。複雑な金融商品を使っての資金調達をしていて日本の機関投資家も大量に保有しているというニュースも流れたのですが、それぐらいなら株価に影響を与えるほどではなかったのですが、アメリカの地銀2行が、影響があることを発表してにわかにマーケットが色めきだっています。
 まず連想されたのが2023年3月に起きたシリコンバレーバンクの破綻から起きたミニ金融危機。アメリカの金利が上がったことによって米国債を大量に保有していた地銀が評価損を迫られ破綻に追い込まれ、他の地銀も同じ状態にあると連想されて金融システムの崩壊が懸念されたのですが、金融当局の迅速な対応もあり事なきを得ました。今回のFBG等の影響もこれぐらいで終わるのではというのが主流の考え方ですが、2008年のサブプライムローンからリーマンショックが起きたようなブラックスワン(非常に稀で予測が不可能でありながら、発生すると市場や社会に壊滅的な影響をもたらす事象)になる可能性もささやかれているように感じます。
 サブプライムローンの時は、ほとんどすべての欧米の主要な金融機関が巻き込まれる事象だったのですが、いまのところは一部の地銀や一部の機関投資家の数千億円程度の損失程度で済みそうだという見込みで、これなら悪くても各国の金融当局が充分に対応できる範囲だと見られますので、大きな問題にはならないのですが、株価が高騰している背景にもいろいろな問題が隠れていることは思い知らされたことになりました。ここから一本調子の急騰への懸念をもつことは健全な事態だと思ってもいい段階かなと感じます。
 世界は、曲がりなりにもハマスが人質を解放したことによるガザの休戦やトランプ大統領とプーチン大統領の会談がセットされたニュースが流れるなど、簡単には解決できないと思われていた問題についてもいい方向に進めようという意思は少なくとも感じられるようになってきました。いい方向に流れていくのを期待しながら、私たちもできることが何かないかを真剣に考えていくべき時がきていると感じます。そうすれば、問題ばかり感じられる政治や経済に関しても光明が見えてくるようになる感覚があります。全世界で300万部発売されたハンス・ローリングス他著『ファクトフルネス』(日経BP)に書かれているように世界は確実に良くなってきていることを信じていきたいと思っています。

 日本の政治を変えなければいけないという思いで作られて7月の参議院選挙で大きな存在感を見せつけた参政党について憲政史家の倉山満先生が書かれた『参政党のヒミツ』(ビジネス社)を今回は紹介させていただきたいと思います。倉山先生には2018年とかなり前にはなりますが、「ザ・フナイ」誌で対談させていただいたこともあり、現在の政治システムを最も客観的に解説できる識者のおひとりだと尊敬しています。そんな倉山先生が持ち前の率直な見方で参政党をぶった切っている内容には俄然と興味が湧きます。
 非常に過激な内容と記述ではありますが、倉山先生は非常に神谷宗幣代表に近い人物であった事もあり、話題の神谷議員の人物像を語るには最適な人物であることは間違いありません。強調されている描写が過激なこともあり、そこで避けたいという気持ちにもなりますが、それを楽しめるようになるのが倉山先生のご著書を味わうポイントだと思っています。神谷氏がどのような過程を辿って今の立場に辿り着いたのか、様々な噂が飛び交っている彼の資金源はどこにあるのか等が主観の部分も多くありますが、わかりやすく書かれています。
 倉山先生は、参政党は共産党や公明党と本質は同じ主義主張が明確な近代政党であるという分析をしています。ただ特定の思想や宗教の意向に沿って動くわけではない部分が大きな違いです。確かにこの点は大きいのは理解でき、財界や地方経済を支えている建設業、さらには農業・医療・郵政などの各種団体に支えられている自民党や労働組合をバックグラウンドにしている立憲民主党や国民民主党等は古いシステムに基づく政党であるという比較はわかりやすい点です。既存政党は欧米に比べると旧態依然の政党である、それは例え支持者であっても否定できない部分でしょう。そこに現れた近代的な政党、それも特定の支持層は持たないことが人気の秘訣だと言われれば、納得できます。
 きな臭い話もたびたび囁かれますし、様々な部分で問題を抱えているのは間違いないのですが、良く言えば清濁併せ呑んだ政党であり、スピリチュアルやカルトなど、世間的には支持されにくい層までも広く取り込んだことが躍進の一因である事が感じ取れます。神谷氏の人間性については否定的に書かれていますし、それが事実であれば正直著者側に共感できる要素の方が強いのが読後感です。しかし、例えばその場その場で調子のいいことを言うホストのような存在と評されていますが、逆に言えばその場に適応する能力に長けているとも言えます。いい加減な部分が強いとしても、それを逆に利用して人を惹きつける要素も確かに持っているようで、参政党の強(したた)かさを感じさせます。
 神谷さんとは親しいとまではいきませんが、何度か話したことがありますし、団体旅行の一員として一緒に海外に行ったこともあります。人間的には魅力的な人であるのは間違いありませんが、本書を読んで、なぜ現在のような状況が生まれたのか改めて考えさせられる一冊となりました。
                       =以上=

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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