中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2020.02.20(第65回)
こんなに元気な子が育つ有機の和食給食

 「いただきます みそをつくるこどもたち」の舞台となった高取保育園では、1972年、ちょうど有吉佐和子さんの「複合汚染」が出版されて、アトピーという不思議な症状が出だしたころから、食の欧米化の弊害ではないかと気づいた西福江園長が、和食に戻し、玄米、みそ汁、野菜、海藻、魚を本物の調味料で料理した給食を始めました。その結果は、子どもたちはモーレツに元氣で、言われないのに冬でも裸足が気持ちいいと園庭を駆け回り、インフルエンザが流行している時期にも、欠席者がほとんどいない状況です。運動能力にも優れ体力もあると同時に、人の話を正座して落ち着いて聞くことができる子どもたちが育っています。
 長崎市のマミー保育園では、2006年から「オーガニックや和食給食」に切り替えたところ、園児たちは風邪やインフルエンザが激減、2005年までは園児の年平均病欠日数が6.48日だったのに、2006年には5.48日、2005年には2.9日、2004年からは0.6日になり、その後はずっと同じレベルを維持しています。有機野菜がいっぱいのみそ汁を毎日飲むだけで、腸内細菌が活発になっているのです。

●こんなに有効成分がたくさんある有機野菜たち
 有機無農薬野菜は、農薬・化学肥料を使っていないから安全だというだけでなく、身体に有効な成分がいっぱいあることが、最近数値を測ることで分かりました。
 日本有機農業普及協会では、2018年から野菜の栄養価コンテストグランプリを始め、各野菜の糖度、抗酸化力、ビタミンC、硝酸イオンを測定しています。糖度が高いほどおいしいと感じ、抗酸化力が高いほど病気に強くなり、ビタミンCが多いほど野菜からしか取れない栄養が多いということであり、硝酸イオンは少ないほど体への負担が少ないのです。硝酸イオンはどういうものかというと、口の中で一部は亜硝酸イオンに変化し、アミンと結合して発ガン性物質「ニトロソアミン」になったり、血液中では酸素を運ぶヘモグロビンと結合して「ニトロソヘモグロビン」になり、ひどい場合は酸欠状態を起こします。例えば、グランプリをとったほうれん草は平均値と比べて、糖度は1.3倍、抗酸化力は1.7倍、ビタミンCは1.5倍、硝酸イオンは1/10です。有機野菜が薬のように優れた食べ物であることが分かります。

●有機栽培技術はもう確立している
 栄養価が非常に高い有機野菜の栽培技術は、もう確立しています。有機栽培と言えば、虫食い野菜、曲がったキュウリというイメージが染み付いてしまっていますが、実は抗酸化力がこれだけ高い野菜に虫はつきません。田んぼや畑の大地の環境づくり、ミネラルバランスの良い土づくり、化学肥料や農薬を必要としない品種選び、栽培時期のタイミングを間違わなければ、誰でも優秀な有機野菜を育てられます。指導者は各地にいるので、メダカのがっこうに相談してください、ご紹介します。

●SDGsの世界を実現する有機給食
 人間はずっと地球の資源を使って環境破壊をしてきたので、自然の再生力は限界を超え、もうすぐ壊れてしまいます。そこで今度は人間がいることで地球環境を回復する働きに変えていこうということで、国連ではSDGsを提唱しています。和食の有機給食を推進すると、どれだけ環境が回復するか考えてみましょう。
 有機給食が決まったら、有機栽培の田んぼや畑を増やすことになります。ここを棲家としている生きものたちが喜びます。生物多様性が復活します。農家も元気になるでしょう!有機農家の数が増え、その生活が安定します。今農家の平均年収は200万円ですから、かなりの収入アップになるでしょう。子どもたちが元気に育ちます。健康で落ち着いて学習できるいい子になるでしょう。いじめも減るでしょう。アトピーやアレルギーの子どもも減るでしょう。医療費も減るでしょう。学校給食の完食が増え、廃棄が減るでしょう。家庭での食事も変わるでしょう。日本の伝統食が見直されると、麹屋、塩屋、味噌屋、醤油屋、油屋などの日本の産業が復活するでしょう!

 メダカのがっこうは、「草も虫も人もみんなが元気に生きていける田んぼがある」という信念を持って田んぼの生きもの調査をやっていきましたが、一つの正しい方向が決まると、すべてが良い方向に向かいます。このワクワクする楽しい世界をみんなでイメージしましょう!そしてつながって行きましょう!

20/12

日本人の遺伝子配列が教えてくれる伝統和食

20/11

種苗法改正案の慎重審議をお願いする活動に協力してください。

20/10

種苗法改正は11月強行採決の予定。反対の声を#で届けましょう!

20/09

有機給食全国集会のご報告

20/08

食べ物を変えたいママプロジェクト 一人から始めるママたち

20/07

そうだったのか種苗法改正

20/06

私のナウシカプロジェクト 自然再生葬編

20/05

種苗法改正って何? 賛否両論の理由と、どうしてもわからない大きな矛盾

20/04

WorldShift 不安から慈愛へ 〜コロナが教えてくれたShift〜

20/03

私の安上がりシンプルライフ

20/02

こんなに元気な子が育つ有機の和食給食

20/01

みんな母親たちの味方です。敵はいません。頼りにしましょう!


バックナンバー
24/11

JAに有機栽培の自信がつけば、最大の味方

24/09

2024.10.5 オーガニックフェスタ井の頭 やります!

24/08

「黒焼療法五百種」(昭和7年主婦の友)の復刻版ができました。

24/07

第2回 全国オーガニック給食フォーラム〜もっと広がれ オーガニック給食〜開催決定

24/05

井の頭公園大地の再生活動班の活動が始まりました

24/04

ネオニコチノイド系農薬を売るのをやめたJA佐渡のお話

24/03

塩のことがスッキリわかるお話

24/02

内なる海をニガリで再現する

24/01

2/1「理想の給食を目指して」研修会と2/2「夢みる給食」はリンクしていた。

23/12

オーガニック給食は有機JASの食材である必要はない

23/11

70歳にして、進むべき科学の方向を確信する

23/10

井の頭公園に大地の再生の風が吹き始めた

23/09

ママたちの凄いパワーと実現する能力の高さに感銘

23/08

日本のお米の自家採種ができなくなる〜放射線育種米って知っていますか〜

23/07

フランスでオーガニック給食を可能にしたスクールシェフたち

23/06

オーガニック給食に全国的な協議会と超党派の議員連盟ができました!

23/05

子どもに食べてもらいたい理想の食を考えてみました

23/04

フードテック、代替母乳、細胞培養って知っていますか?

23/03

女性のみなさん!泣きましょう!男の本性を目覚めさせるために

23/02

「大地の再生」実践マニュアル

23/01

1/18日本の有機農業技術大集合で感じたこと、わかったこと

過去年

2023年バックナンバー

2022年バックナンバー

2021年バックナンバー

2020年バックナンバー

2019年バックナンバー

2018年バックナンバー

2017年バックナンバー

2016年バックナンバー

2015年バックナンバー

Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note