中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
私は「いただきます みそをつくるこどもたち」という映画で、給食をオーガニック伝統和食にするママたちの仲間づくりをしています。
その中に医師の奥田昌子さんの、「日本人の遺伝子配列は欧米人のそれと比べて1000万か所で違いがあるのです」という言葉があります。遺伝子配列となれば、今と食生活が全く違った私たちの先祖が長年かけて造りあげたもの。まずその特徴をよく知ることから始めて、弱点を避け、強みを活かした食生活を考えたいと思います。それは、日本にあるものだけで元気に健康においしく生きていける食事になることでしょう。
日本人の特徴
日本は現在世界一の長寿国です。気になる健康寿命も世界第2位です。(ちなみに1位はシンガポール) 介護が必要とされる年数も世界一なのですが、これは、せっかく先祖からいただいた長寿の遺伝子を現代の日本人が食生活の欧米化で弱めているだけで、良い遺伝子を持っていることには違いありません。
日本人の強みの@は動脈硬化になりにくいことです。
日本は心筋梗塞が世界で最も発症率が低い国です。よく聞く病名なのに意外ですね。動脈硬化が少ない原因は2つあり、1つは遺伝で日本人は欧米人に比べて善玉コレステロールが約10%多いこと、2つ目は魚をよく食べるのでEPAとDHAが血液中に多く溶けていることです。
日本人の強みAは腸内環境がきれいなことです。
世界12か国の腸を調べた研究によると、ビフィズス菌などの善玉菌が最も多く腸がきれいだったのが日本人でした。それは昔から日本人が善玉菌の餌となる食物繊維をしっかりとってきたからだと考えられます。その食物繊維とは、玄米、雑穀などの穀類、海藻、キノコ、イモ、豆、ゴボウなどです。特に海藻の食物繊維を分解できる善玉菌は欧米人の腸にはほとんどいないのですが、日本人の腸には多く住んでいるのです。ご先祖様のおかげですね。
日本人の強みのBは骨が強いことです。
骨粗しょう症もよく話題になるのに不思議な感じがしますね。欧米人は牛乳をよく飲み、日本人の2倍も多くカルシウムを摂取しているのに、同じ年齢層で比較してみると、日本の2〜4倍も骨粗しょう症が多いのです。
日本人の骨が強い原因は2つあり、1つは遺伝です。日本人を含むアジア人は骨折しにくい遺伝子を持つ人が多いようです。
もう一つは、日本はカルシウムの多い食材に恵まれているので、食事だけで骨を強くすることができるからです。それはどんな食材かというと、がんもどき、厚揚げなどの大豆製品、しらすなどの小魚、小松菜、春菊などの緑黄色野菜、これらは食品100g当りのカルシウムが牛乳より豊富なのですよ。
では日本人の弱点も教えていただきましょう。
日本人の弱みは4つ、@は牛乳の消化が苦手なこと。Aはカフェインに弱いこと。Bはアルコール分解力が弱いこと。Cは内臓脂肪がつきやすいことです。
@の牛乳、Aのカフェイン、Bのアルコールは苦手な方は控えれば済みますね。
しかし、Cの内臓脂肪がつきやすいことは大問題です。高血圧、糖尿病などの生活習慣病全般を引き起こすのと、大腸がん、肝臓がん、腎臓がん、乳がん、認知症なども発症率もあがります。昔の日本人はほとんどつかなかったのですが、1960年代から肉、乳製品をはじめとする脂肪分の多い食品を多く摂取するようになったことと、運動不足が重なった原因です。言い換えれば、動物性の油の分解が苦手なのです。
しかし、内臓脂肪はつきやすいが落ちやすいので、その気になれば食事と運動で意外に早く減らせます。
奥田医師の研究により、国により、民族により、腸内細菌が違うので、万国共通の長寿食は存在しないことが分かりました。長寿国の食を真似しても腸内細菌が違えば意味がありません。日本人の体質に合った食事は伝統和食なのです。
(参考文献:奥田昌子著「長寿の習慣」(青春出版社)「日本人の病気と食の歴史」ベスト新書)
ここからは、今まで学んだことをベースにメダカのがっこうが推奨する食べ方の基本を提案します。
伝統和食の基本は穀類です。お米は玄米か三分づきなど未精白をベースに、時々モチキビ、モチアワ、黒米、麦、ヒエ、小豆などを入れて炊くといいです。
味噌は日本人の健康の要です。みそ汁は季節の野菜や日本人お得意の海藻などを入れて毎日摂りましょう。さらにおいしくミネラル豊富にしたければ、昆布や鰹節や煮干し、シイタケ汁、くず野菜のスープなどで出汁をとるといいでしょう。
味噌の他にも大豆の発酵食品である納豆やテンペは抗酸化力が高くお勧めの食品です。また、豆腐、厚揚げ、がんもどきなどの大豆製品は、たんぱく質とカルシウムが豊富に摂れます。
カルシウムは牛乳でなく、大豆製品や小魚や緑黄色野菜で摂りましょう。
動物性たんぱく質は、お肉を少しにして、主にお魚で摂りましょう。動脈硬化をおさえるDHAやEPAがたくさん含まれていますからね。
最近腸活のために、ヨーグルトを摂ろうとする方が多いのですが、ヨーグルトは動物性乳酸菌で腸まで生きて届かずそのまま出ていってしまいます。日本人の腸には昔から植物性乳酸菌が住んでいるので、ぬか漬けやたくあんが良いのです。植物性乳酸菌なら腸に生きて届くので。
最後に、三毒消す(食の毒、水の毒、血の毒)といわれている本物の梅干しも忘れずに。
さて、それでは苦手なものを控える話をします。牛乳、コーヒーや玉露などのカフェイン、アルコールは人によって許容量が違います。自分に合った量で楽しみましょう。次に内臓脂肪の原因は、肉類や乳製品に含まれる脂肪分です。極力少なくしましょう。脂肪は少し必要なのですが、現代の食生活では足らなくなる心配がないので制御することを考えてください。そして毎日運動を心がけ、まめに体を動かすことです。
牛乳についてですが、以前にご紹介した世界的栄養学者コリン・キャンベルさんが牛乳のたんぱく質カゼインがもっともがん細胞の餌になることを解明してくれましたね。苦手な方はかえって幸いです。カルシウムも大豆製品や小魚や緑黄色野菜で取ったほうが多く摂取できることがわかりました。学校給食の牛乳は日本人の体質や最新の栄養学から考え直していただきたいものです。
最後に、中村陽子からお願いです。日本人だけでなく、人類にとって腸内細菌をはじめ内臓を痛めてしまうものをできるだけ摂らないようにしてほしいのです。それは農薬や添加物、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品です。現代はこれがかなりの割合で病気の原因になっているからです。理由はまたの機会に説明します。どんな状況にあっても、何に寄らず誰のせいにもせず、「私たちの身は私たちで守る」という気持ちが必要です。
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首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/