船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

舩井幸雄ドットコムをご覧いただき、ありがとうございます。
株式会社本物研究所の山上と申します。
東京都港区芝のオフィスの一角にオープンしました【本物漢方堂】にて
漢方薬の販売に携わらせていただいております。

私は過去に奈良県に住んでいたことがあり、今も奈良が大好きです。
奈良の面白いところは、何気なく歩いている道が実は歴史の舞台だったというところ。
奈良に住んでいた頃、とても広い草原を自転車でよく走っていたのですが、実はそこが平城京の跡地だったと知り、とても驚きました。
スーパーマーケットの側に古墳があったり、歴史上の有名人物の邸宅跡地に商業施設が立っていたり、歴史好きにはたまらない土地です。

奈良といえば大仏と鹿が有名で、鹿に関連する行事がいろいろ行われています。
その中に『鹿の角切り』という、秋の行事があります。
雄鹿を捕まえて、長く伸びた角をノコギリで切る行事です。
秋の雄鹿は発情期で気性が荒く、角で人が攻撃されることもあり、それを防ぐために江戸時代から行われている歴史ある行事です。
ちなみに角には神経がないため、切られても鹿に痛みはないそうです。

ふと「切られた鹿の角はどうなるのだろう？」と疑問に思いました。
というのも、鹿の角は漢方薬の材料、生薬になるのです。
滋養強壮、疲労回復、筋骨を強くし、血を補う効果があります。
漢方の本家・中国では三大妙薬のひとつとされ、三千年前から珍重されていたそうです。
漢方薬の販売に携わり、日々漢方のことを考えている私は、「そんなに素晴らしい効果効能があるのならば、奈良の鹿の角も生薬にするのでは？」と思いついてワクワクしました。

もしも奈良の鹿たちの角が漢方薬になって、日本中の健康を守っているとしたら…奈良も、奈良の鹿も、漢方薬もスゴイ！とワクワクしたのですが、残念ながら奈良の鹿の角は生薬にならないようでした。
切られた角は神様へお供えされるそうです。
また、角の成長具合から鹿がちゃんと栄養をとれているか、体調はどうかをチェックするそうです。

奈良の鹿は神様の遣いであり、奈良公園を訪れる人たちを楽しませ、癒してくれる大切な存在。切り放した角であってもしっかり観察され、鹿を守るために役立てられているということがわかり、生薬の件は残念だけれども、ちょっと安心できました。

『鹿の角切り』は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年は開催されません。
けれども世の中が落ち着き、気兼ねなく旅行できる日が戻って来たなら、奈良の鹿にまた会いに行きたいと思っています。


８８周目：「漢方で長年の悩みが解決」