
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

以下は、おなじみのKさんが6月29日に私に送ってくれたレポートの一部ですが、ここに書かれていることは、多少は業界のことを知っている私のような者にもよく分ります。正しい指摘だと思います。ここに載せる内容を読んで、標題は私が「あきれた権威者のレポート」と付けました(この標題は私のつけた題で、Kさんはちがう題名をつけていました)。
あきれた権威者のレポート
権威というのは恐ろしいものです。証券界では、格付けとか有名外資系証券のアナリストレポートなどは、〈天の声〉です。先日ニューヨークダウは 3月10日につけた安値を一気に割れてきましたが、そのきっかけを作ったのは、ゴールドマン・サックスのアナリストレポートでした。5月初め、政府要人や中央銀行関係者、証券大手幹部から、〈金融危機は峠を越えた〉との大合唱となり、これを裏づけするかのように、アナリスト達が一斉に金融機関の投資判断を強気に転換させ、買い推奨しました。これが世界中に伝播し、サブプライム問題は収束したとの世論形成がなされました。つい2週間前まで、同じような発言を操り返していたにもかかわらず、6月24日、相場の下げを追認するかのように、ゴールドマン・サックスの金融アナリストは〈5月の投資判断の引き上げは明らかに間違いだった〉と、なんと1ヶ月半で180度見方を転換したのですからたまりません。それと相応したかのように、リーマンの危機やシティーバンクの1兆円の追加損失の話が浮かび上がってきました。この間世界中の投資家は期待感から株を積極的に買い付けたと思いますが、いったい誰が売っていたのでしょうか? 金融機関の動きをつぶさに追い続けてきた外資大手のアナリスト達は5月の段階で本当に危機は去ったと思っていたのでしょうか?
考えてみると格付けとアナリストレポートなるものに翻弄されてきた世界の金融界だったわけです。山一や拓銀が倒産したきっかけも格付け会社による勝手な格下げ(頼んでもいないのに、格付けされた)が原因でしたし、サブプライムローンの高格付けが問題を引き起こしたのは記憶に新しいところです。しかし今回のような露骨な短期間での見方の極端な変更はまれです(転載ここまで)。
ともかくわれわれは毎日行動しなければなりません。そのためには意志決定が必要です。
私の経験上、どんな意志決定も、理解でき、納得でき、成功の確信のあることなら、実行するとそのとおりにうまくいきます。
そうでないのは、えてしてうまくいかないものです。
われわれは、新聞やテレビの一般情報の他、権威者、情報通などの特別の人からの情報に囲まれています。
いまは激変期ですから、これらの情報を参考にする場合、どうしても鵜呑みにしないで「理解」「納得」「確信」の三つの条件を充たしているかどうかを確認することだと思うのです。
そのうえで、意志決定をし、行動しましょう。それが失敗を無くするベストな方法だといえます。よろしく。
=以上=

2008.07.25:【先週のびっくりより】これが事実なら?
2008.07.21:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「ひふみのりと」について
2008.07.18:【先週のびっくりより】「必要・必然・ベスト」と「プラス発想」
2008.07.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】理解、納得、確信が、これからの意志決定にはもっとも大事
2008.07.11:【先週のびっくりより】『13歳からの生き方哲学』への反応
2008.07.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】冷静にマクロに判断しよう
2008.07.04:【先週のびっくりより】孤独のこわさ

ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

