
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

私の知人で中国情報にもっとも詳しい一人だと思うのは井伸夫弁護士(井・岡芹法律事務所 所長)です。彼の送ってくれた「中国情報 2013年 No.64 盛夏号」によりますと、約13億人の人口を擁するといわれている中国もいろいろ苦労して対策を樹てているようです。特によい水資源の確保には大変なもようで、砂漠化とともに深刻な問題で、あらゆる対策をとっているようです。
その一方で、国外に流出した違法資金は2010年が4120億ドル、2011年は6000億ドル、2012年には1兆ドルを越え、2013年には1.5兆ドルに達すると言います。
これらは子女を海外留学させ、国籍も取得させた上で資産もまた海外資産として国外移転させる方法で、官僚によると考えられると報告しています。
富裕層、支配者層の行なっていることのようです。
結果、国内には貧困層が残ることになる可能性が多い……と、ここには書いています。
このような報告を聞くと、いままでの私なら、すぐに「けしからない連中だな」と批判したくなりました。
ただ、最近考え方を変えたのです。彼らには彼らなりの理由と事情があるはずだと思えるからです。
私は、どちらかと言えば創作者です。会社も自分で創りました。いまも自分で考え、文を書き、物を言います。それには、すごい苦労が付きまといます。それに対して、他者の創作したものを評し、批判するのは、いたってカンタンに思えるのです。いわゆる評論家、批判家にはだれでもカンタンになれると思います。
よほどのことがない限り、こんな人間にはなりたくないな……と思いはじめたのです。
私はいま体調がよくありません。BEDで横になっていることが多いのです。
といってもそんなに睡れるわけがないのですから、自分と対話するか、神(サムシング・グレート)と対話しています。
出て来た答は「ムダなこと、プラスにならないことはやめよう」ということです。
その最たるものが批判や評論のように思えるのです。
今夏は猛暑の日もありますが、涼しい日もあります。その程度に応じて水を服み、熱中症にならないように気をつけているのですが、これは意味あることだと思います。
しかし他人の創作したものを批判したり評論するのには、そんなプラスの意味は何もなさそうです。
体調がよくないと字を書くのも苦しくなります。もちろん本も読みたくないし、また他人さまの文章を読む根気も続きません。
こんな私のところへ毎日1冊ぐらいの割で、いろんな方が書かれた本が届きます。
めくり読みをしただけで、すばらしい内容の本が多いのが分ります。
が、じっくり読む根気がありません。
いままで400余冊も本を出しているのに、いまは1冊の本も書けそうにありません。 これらから考えますと、人間は元気でないと、本当にダメになる存在のようです。
特に創作活動ができなくなります。
この文章は、文章を書くのが好きで得意な私ですが、やはり元気な時のようにすらすらとペンが進みません。
こういう時は話題を変えてみましょう。
私は大阪生まれ、永く東京住まいをつづけ、京都住まいも少し知っていますが、どちらかといえば、大都会っ子、この私が10年近く前から熱海に自宅を構えました。それも山中です。
何よりも空気のうまさ、緑あふれる風景に惹かれたのです。
もちろん東京から新幹線で一時間弱、駅から車で十数分という地の利も、ここを選んだ理由です。
ただ副作用もいろいろありました。
大好きな小鳥が庭にいっぱいいますし、大きめの鳥といえばハシボソ烏(カラス)が1−2羽と土鳩くらい。しかし虫はいろいろいます。
山中なので坂が多く、平地がなく、家も土地と周辺の道路に合わせて作りました。
虫嫌いな家内は、なかなか屋外へ出たがりませんし、庭にもあっという間に草が伸びます。
植木屋さんなど専門家に手入れしてもらわないと、どうにもならないところでもあります。
庭には杉、桧、楠、桜、もみじなどの樹木をはじめ、目を楽しませるものが欠きませんが、これまでの東京高輪のマンション住まいに比べてまさに180度の転換です。
しかし自然あふれ、海も近く、家から伊豆大島も見えるこの地を私は家内とともに創作したのだと思っています。
創作には思い切った意志決定と、その後のプラス発想が必要で、マイナス発想や批判、評論は心の中に封じ込めねばなりません。
ただ熱海は小さな町ですが、人々が親切で親しみが持てます。
温泉もあり、ちょっとした別荘気分も味わえますし、病人にはありがたいところと喜んでいます。何よりも他に比べてですが、夏は涼しく冬は暖かい。
多分、ここで余生を送ることになるのでしょう。
ここで言いたかったのは、評論家、批判家になる代りに「肯定家」「プラス発想家」にならねば、一々の変化には、人は付いていけないということです。
船井流成功の3条件は「@すなお A勉強好き Bプラス発想」で、船井流哲学は「すべて必然、必要、ベスト」ですが、これらをたえずクセづけておかないと、生きにくいのが人生というもののようです。
世界一の長寿国、日本人の男性の平均年齢は79.6〜79.7才くらいだったと思います。
いま80才の私は、病気とはいえ、これもクリアしました。考えてみれば、73才まで病気知らず、100才くらいまで元気に生きる気でいましたが、その後、若い時のムリがたたったのか、あちらこちら痛んで来ました。
とはいえ、すべて「必然、必要、ベスト」と思えばよいわけですし、人はどんなこともプラス発想できます。
こういうクセづけさえできれば、人生はたのしいものだと思います。
話しがいろいろとびました。
しかし最近気づいたことですが、人は「自然によっても癒されますが、人によって、もっとも癒される」ような気がします。
よき妻に恵まれ、よき人々に囲まれ、余り気にしないで人々に癒されるすべを、ボチボチ知りはじめたところですが、いずれにしましても、生涯「勉強好き」で、よいのだと思います。
ともかく、生きている以上、生ある限り楽しく生きたいと病いの床についてようやく知ることができたからうれしいことです。
ここまで、久しぶりに一気に書きあげたら疲れました。
もうきょうはやめますが、人というのはすべて考え方によって、生き方を楽しくも苦しくも決められるもの、いまごろ気づいても決しておそかったとは思いません。
ともかく自ら創作家であり、それを認め、他者に対する批判や評論をやめて、これからは生きて行こうと思っています。「プラス発想で」。
ではまた。
=以上=

2013.09.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】母校(高校)の『100年の歩み』を読んで
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ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

