
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

日経平均は先週の木曜日まで13連騰しました。これはバブル期以来の記録で当時の経済状況と比べる報道などがなされていましたが、選挙のためかもしれませんが、私たちの実感以上に相場は盛り上がっているようです。日本の株式市場の参加者はすでに海外勢が過半を占め、その彼らが自民党勝利の見込んでいて、アベノミクスの継続を買いととらえていて、だから買い上がっているのが大きな原因のようです。肝心の国内勢は高値警戒感で完全に腰が引けていますし、逆にいまは売りから入るような商品も個人で簡単に投資できるので、そんな勢力が高値はある程度抑えると思いますので、それほどの勢いにはならないのだと思っています。
最近、いつも書いていますが、逆にアメリカの相場はまだまだ上がっていくのではないでしょうか。トランプ大統領を支援している勢力が阿吽の呼吸で相場を上げようと合意していて、日本のバブルの頃のように4万ドルを目指すという動きになってもおかしくないなと思っています。来年の中間選挙でミニ・トランプのようなアメリカファーストの候補がもしたくさん当選するようなことがあれば、その勢いは止まらず、2020年の再選を目指して動き出すと思いますので、それぐらいまでは相場の高騰が続く可能性があると感じ始めました。
日本の選挙を見ても、風の流れが変わると結果が大きく違ってくるようになったので、いまの段階では何が起こってもおかしくないので断定はできませんが、トランプ大統領も安倍総理もいままでの常識では測れない不思議な安定感を示していて、もしかしたら私たちが当たり前のものと思っている民主主義が変容していくのかもしれません。ヒトラーは民主主義が生んだ怪物ですが、人類の叡智は二度とあのような悲劇は作り出さないと信じたいですが、どうも危なっかしい局面を迎えつつあるような気もするので、しっかりと将来を考えていかなければいけないと思います。
ところで、先月開催された「舩井フォーラム2017」で、Kan.さんはすばらしいことを教えてくださいました。人間のセンターには「思考」「肉体」「感情」の3つが存在する。 この本質をバランスよく使えると生き方に活力が出て、自身の日々のエネルギー活用を好循環にできる。動物は「肉体」というセンターしかないけれど、そのぶん大自然にうまくフィット、マッチングして共存している。人間にある「思考」「感情」は、とても特筆すべき要素だけれど、3つがバランスよく動かずに滞ると、その人の自然な生き方を邪魔することがある。だから、人間だけ簡単に反自然行為ができるのだというのです。
本当は、植物における光合成のように、人間にしかできないエネルギー変換があるのではないでしょうか。それは、人間の本来の役割に気がついていく、その人個人の役割に気がついていく人間の次のあり方ではないのか、というお話でした。人間のポテンシャルは大きいのですが、実はまだそれを使いこなせていなくて、他の動植物が完全に自然の原理に従って生きているのに対して、人間はできていない側面がまだまだあるのだということです。そして、どうもようやくそれに向かって進み始めたところに私たちは立っているようです。時代の変化の突破口にいる責任を十分に感じて日々精進していかなければと思いました。
フォーラムの後、アウシュビッツ収容所に行くというハードな旅行をしました。きっかけは、ここ数年、幾度となく旅をしているイスラエルの旅行会社のお身内が出されている、ホロコーストの日本語監訳を引き受けることになったことです。今日はこれからそのために赤塚高仁さんと対談するために津に出かける予定です。
日本の方が、「ホロコースト」について知るきっかけになるのに「アンネの日記」が多いと思われます。第二次世界大戦中に、ナチスドイツによってユダヤ人の迫害が行われました。著者であるアンネ・フランクのお父さんは、第一次世界大戦のときにはドイツ軍の中尉でした。オランダに逃れてアムステルダムで事業を営んでいたフランク家は、隠れ家で数年間生活しましたが、後にゲシュタポに密告され捕らえられます。そのアウシュビッツ収容所に送られるまでの数年間の様子が、アンネ・フランクによって記録されて出版されたものが「アンネの日記」です。
同行者は赤塚高仁さん。「負の歴史」を旅していくダークツーリズムが世界的に注目を浴びているようです。赤塚さんの関空からの便はアムステルダム経由だったので、アンネの家も見学してこられました。災害被災跡地、戦争跡地など、人類の死や悲しみを対象にした観光であるダークツーリズムは、ブラックツーリズムとも呼ばれていて、アウシュビッツ収容所は、その見学筆頭リストに入っているようです。
アウシュビッツ収容所にいる唯一の日本人ガイド中谷剛さん(ご著書もあるので、興味がある方はぜひご一読ください)と一緒に建物の中を回った丸1日は、筆舌に尽くしがたいほどの体験でした。凄惨な跡地を回りながら、私の心にあったのは最初に書いた人間のあり方についてでした。根本の尊厳を奪われた人々の魂について何度も何度も考えさせられました。この見学については、また来週記すことにします。
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2017.10.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】動物と人間の違い (※舩井勝仁執筆)
2017.10.16:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】幸せになる働き方 (※舩井勝仁執筆)
2017.10.09:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】エソテリック (※舩井勝仁執筆)
2017.10.02:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】大きなうねり (※舩井勝仁執筆)

ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

