
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このたびの西日本の大雨の災害で、被災された方々には謹んでお見舞い申し上げます。 この原稿を書いている時点ではまだまだ予断を許さない状況、かつ被害も増大しているようで心を痛めております。お世話になっているにんげんクラブの会員の方が多いお住まいの地域でもあり、連日の報道から目が離せません。
そのような理由で、ほとんどテレビを見ない私が結構テレビをずっとつけているのですが、連日ワイドショーで放映されていた、避難しようとしないで家にこもっている父親を説得する息子さんが撮影した動画が印象的でした。
息子さんは5時間かけて車で実家に向かいます。一軒家の実家の玄関は、既に水浸しになっていて、近隣の住民はみんな避難済みのところへ息子が帰ると父親は2階へ家電を上げている最中。「はよ逃げなあかんで」と繰り返す息子さんに、お父さんは悠長に「足拭いてから家にあがれ」とにべもないのでした。
安全な所へ車を置き、1時間後に実家に戻ると水位はなんと1メートル。やっと避難に応じた父親と外に出ると、胸のあたりまで水につかる状態で、見ているこちらも相当どきどきします。それでもお父さんは「携帯電話がぬれるといかん」とモタモタしており、息子さんに怒られながら手をひかれ、水の中を進むのでした。
災害が起きた時、村で1人かたくなに家に残った高齢者を助けに行った消防隊の方が犠牲になってしまった、というようなニュースはよく聞きます。同じようなニュースはそれまでにもいくらでもあったのに、なぜ同じことが繰り返されるのだろう、命より大事なものはないといつも思ってきたのですが、前述の動画は、「まだ大丈夫だろう」「なんかあったとき家を整えておかなくては」と、家の中にいたお父さんの心情も多少わかるようなリアルなものでした。
このコラムを読んでくださっている方の中にも、テレビでご覧になった方はおられるのではないでしょうか。今後、年を重ねていきますが、私も心が固くなるとも限りません。頭を柔軟に客観的に、いまする事に優先順位をつけることの大事さを改めて考えました。
金融マーケットの方は、米中貿易戦争が本格化してくる雰囲気が高まっているにもかかわらず、結局はブルマーケット(強気の相場)になってきました。市場参加者の本音は、言い訳をなんとか見つけて投資先を一生懸命に探している状態なのかもしれません。根本的に考えるといまの金融システムでは、先進国ではお金が余る構造になっています。アメリカやイギリスはそれを活かして金融大国として成長を享受してきました。日本もアベノミクスが始まってそのステージに参入しました。
バブルになってしまっているという意見が客観的に見ると一番説得力がありますが、そんなことはみんな分かっているけれど、問題はそれがいつはじけるかです。最後は誰かがとんでもない損失を蒙ることになりますが、儲けられる間は儲けてやろうというのがみんなの深層心理だと思います。こういう意見が出てくると危ないサインなのですが、昔と違っていろいろな高度な金融システムがあるから実はバブルははじけないという人もいるぐらいです。
フィンテックなどの新しい金融の仕組みができつつあることが、バブルを崩壊させる要因になるのか、はたまたバブルを続けさせる要因になるのかは、いまの時点で私にはよく分かりません。ただ、私もバブルの恩恵を受けているので客観的とは言えませんが、いまのところはまだその兆しは見えないように感じます。
ちょっとだけ余計なことを書くと、いろいろなことを感じる能力が高い人が今週、東京で大きな地震がある可能性がある、富士山が危ないということを言っています。思ってもみなかった西日本豪雨で200名以上の方がお亡くなりになった直後のこともありますので、あまり心配し過ぎない方がいいとは思いますが、非常食を用意しておく、非常時向けのセットを購入しておく、水や日用品を普段より大目に買っておくぐらいはやって置こうと思っています。
少し前のことですが、有名声優であり、占い師としても大人気の富士川碧砂さんより、『開運和柄ぬり絵』(サンマーク出版)をいただきました。鳳凰、桜、蝶、鶴、金魚、鈴、千鳥、扇、青海波、宝尽くし……厳選した開運和柄35種を掲載した、美しい大人の塗り絵本です。最近、塗るだけで開運する絵本が流行と伺いました。生の富士川さんは、愛にあふれた「義」の行動者というイメージですが、典雅な絵本です。
わたしも新幹線の移動中に2ページほど色を塗って挑戦してみました。ぬりえは小学生のとき以来でしたが男性の私でも虚心坦懐に塗っていくうち、心が躍りました。老舗の呉服屋さんの娘さんである富士川さんのセンスがすみずみまでに反映されている絵本、このところ気持のふさいでいる方へのギフトに最適だと思いました。
この本のことを思い出したのは、先日、大好きな友だちからのプレゼントで、高名な占星術の先生の鑑定を受けさせていただく機会があったからです。占星術は生まれたときの星の位置をどう読み解くかで、膨大なデータが蓄積されている科学なので、上手に使えば役に立つという意見を聞き、それもそうだなと納得しました。また、とても的確なアドバイスをいただき、迷っていることに対する方向性が決まったこともとてもありがたい事でした。
経営者は意思決定業なので、占い師や神さまを大事にする人が多いし、今回のようによく当たります。ただ、あくまで参考にするのであって、最後の意思決定はちゃんと自分ですることが大事だと思っています。占いはよく当たりますが、一番大事な大勝負の時は外すことが多いというのが、昭和の時代を生き抜いた父から教えられたことです。とりあえず、楽しみながらもう少し塗り絵に挑戦してみたいと思います。
=以上=

2018.07.23:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】静かな時間 (※舩井勝仁執筆)
2018.07.16:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】占いはよく当たるが、 (※舩井勝仁執筆)
2018.07.09:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】リバイバル・シリーズ (※舩井勝仁執筆)
2018.07.02:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】タオの暗号 (※舩井勝仁執筆)

ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

