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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
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2018年10月22日
それでも強い日本経済! (※舩井勝仁執筆)

 市場をサウジアラビアショックが襲っています。記者が殺害された過程が実はかなり明確に分かっているようで、今回ばかりはさすがのトランプ大統領も何か制裁を課さなければいけないということになりそうです。
 今月23日から開催されるサウジアラビアの投資会議(FII:フューチャー・インベストメント・イニシアティブ)への出席をアメリカのムニューシン財務長官が取りやめるという報道ぐらいが10月19日(金)の朝の時点で出ている報道ですが、よほどうまくやらなければサウジが世界から孤立してしまうことになり、トランプ政権の中東政策に悪影響を与えてしまうことになりかねません。

 トランプ大統領は中東政策をイスラエルとサウジとの友好関係を中心にイランに対して強硬姿勢を示すという方向で進めています。ビジネスマンとしてのトランプ大統領の感覚からいえば、これが一番アメリカが儲かる方法だからです。さらに言えば、東アジアにおいても北朝鮮や中国との貿易戦争などいろいろな問題がありますが、アメリカが力をいれて対処する本命はやはりヨーロッパやロシアとの利害関係にも大きな影響がある中東に置かれています。ここでのシナリオが狂うのはかなりの痛手を及ぼすのは間違いないように感じます。
 ただ、対中国の問題は貿易摩擦ではなく貿易戦争ということで新冷戦の一翼を担っているという言い方もされています。こちらも、本気でやるのは間違いないですが、かつて日本がアメリカに徹底的に叩かれて経済というか金融敗戦をしたことも間違いのない事実で、それと同じことをこんどは中国に対して行うというのがアジアにおいては、メインのシナリオだと思います。
 ちょっと気になるのは、下記で紹介する『それでも強い日本経済!』で紹介されていることですが、トランプ大統領は典型的な共和党政権であるということです。共和党から見ればアメリカ経済をけん引しているシリコンバレーを中心とするハイテク産業は民主党の牙城であり、長い目で見れば中国との貿易戦争の過程で叩き潰してしまってもいい存在であるという見方もできるということです。
 アメリカから見れば重要度が低いかもしれませんが、アジアにおける米中のプチ冷戦の中で、日本は旗幟を鮮明にするように求められるようなことがあれば、どう対処すればいいのかは、結構難しい問題になります。中国はアメリカとの対決姿勢の中で日本企業に対してすり寄ってくる姿勢を鮮明にしていますが、これらの国際情勢を冷静に分析したうえでの対処が必要だと思います。
 サウジアラビアの問題がトランプ政権の最初の試金石になる中間選挙の直前のタイミングで起こったことが気になります。下院選挙の敗北はもう織り込み済みみたいな報道もありますが、トランプ大統領の目標は2年後の再選に置かれているのは間違いありませんので、しばらくは行方を注視したいと思います。私は調整はあるものの、まだ特に日本株に関しては楽観的に見ていますが、変動材料が増えてきたのは間違いないところです。

 上記でもちょっと紹介しましたが、舩井グループとも大きな関わりがあるビジネス社から刊行された『それでも強い日本経済!』(エミン・ユルマズ著) を読みました。
 本書はFXトレードなどをやっている人たちにはよく知られた、エミン・ユルマズ氏が日本経済の行方について述べた書籍です。人口減少の問題や、少子高齢化問題ばかりがクローズアップされている日本の「悲観不況」が日本経済の活力を奪っていると指摘しています。氏は、「『日本悲観論』から脱却すべきである。日本には世界最高のインフラや人的資源を有している国であり、過小評価されている」と述べます。
 ユルマズ氏はトルコ出身のエコノミストであり、わずか16歳のときに国際生物学オリンピックで優勝した天才です。その後、日本に留学し日本語受験で東大に合格してしまうというすごい経歴を持っています。世界の視点から日本を再評価する本書は、私たちに勇気を与えてくれます。
 世界は2013年から「新冷戦」に突入したと氏は語ります。シリアの内戦を契機にアサド政権を支援した国々と、反アサド政権を支持した国々のグループによるこの新冷戦は、日本経済にとって追い風になるであろうと予想していきます。普段、日本で暮らしているとなかなか前向きな気持ちになることが少ないのですが、氏のような専門家が日本の明るい未来を語ることは説得力を持ちます。この書籍に限らず日本人が悲観的過ぎるという指摘は海外の著名人から多く指摘されることです。
 「幸福度」という幸せを図る数値がありますが、日本人はなかなか良い点数をつけません。どうも世界的に見ても日本人というのは「悲観的」になりやすい性質を持っているようです。「この国は正しい方向に向かっていると思いますか?」という質問に対して日本人はなかなか頷かないようです。災害などが多いからという指摘もあるのですが、時折は氏のようなポジティブな思考を紹介した書にも触れ、客観的に日本を見つめるのも意味があるのでは、と皆様におすすめしたくなりました。
                                            =以上=

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