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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2020年5月18日
カルト資本主義 (※舩井勝仁執筆)

 欧米の経済活動の再開が意外に早いということで、原油先物の価格が上がり、それに伴ってニューヨークの株価が現地時間の木曜日に急騰していました。米中の対立が深まるのではという思惑から、日本をはじめ世界中の株価が下がっていてニューヨークも午前中は400ドル以上下げていたのですが、結果的には377ドル高。日中の値幅は841ドルもありました。プロにとってはなぎのような動かない相場なら儲けようがないのですが、上でも下でも揺れてくれれば儲ける方法はあります。高速取引(1秒間に百万回ぐらいの取引ができるという話しを聞いたことがあります)のファンドは大儲けしているという報道もありました。
 こんな日には彼らはどれぐらい儲けたのだろうと思わず考えてしまいました。金曜日の東京市場も寄り付きは高値で始まり日経平均で2万円台を回復しています。39県で緊急事態宣言が解除され、日本も経済活動再開に向けて動き出しました。私も政府の対策に対して批判的なことも書かせていただきましたが、いろいろ問題はあるにせよ、結果論から見れば日本の対策はかなりうまく行っているようにも感じます。東京に住んでいる私はまだまだ油断をするわけには行きませんが、少なくとも株式市場は経済活動の再開を先取りして動き出しているように感じます。
 私の思考もだんだんアフターコロナの世界に移ってきました。IT企業などを中心に緊急事態宣言が終了しても、在宅勤務を続けるという企業が増えてきて、都心のオフィスの解約件数が増えているようです。東京の街を歩いていると、ほとんどの建設現場は日常的に動いていて、新しいオフィスビルやマンションなどの建設が進んでいます。途中で工事を止めるわけにはいかない事情はなんとなく分かりますが、本当に需要があるのかなと心配してしまいます。特に、業績が悪い企業や資金繰りに不安がある企業はこれを口実に縮小の動きに乗っかっているという見方もできますが、社会全体としては働き方が大きく変わるのは間違いないと思います。
 地方の方と、流行のオンライン飲み会をさせていただくと、自粛などはしておらず仕事のスタイルはまったく変わっていない会社がまだまだ多いようです。それでも、ほとんどの人がZOOMでの会議や講演会、飲み会を一度は経験したことがあるようになり、やはりじわじわと変化は広がっていくのだと思います。流れに乗ることは大切なので、生き方をもう一度考え直していく機会にしたいと思います。

 アマゾンなど、オンライン書店で紙書籍を購入しようとすると、「一時的に在庫切れです」の表示が目立つようになりました。今回の危機で紙の製造もままならないのかと調べましたら、出版社や取次には本の在庫はあるようです。緊急事態宣言直後より、自宅にいる人の通販需要が過去ピークで、例えばアマゾンでは「生活必需品や衛生用品を優先して」、書籍の納品制限をしているという事態が起こっているそうです。私個人は、Kindleでほとんど事足りますが、紙派の人にとっては折角の読書の時間を持てる機会、由々しきことだと思います。
 1997年に斎藤貴男氏が上梓した「カルト資本主義」(文春文庫)が昨年、ちくま文庫(ちくま文庫版)になりました。この本が刊行されたのをきっかけに週刊誌などで反舩井幸雄キャンペーンが始まったように感じています。斎藤氏は、「日本工業新聞」「文芸春秋」のフリー記者を経て、ノンフィクションや経済を扱う作家として数十冊の本を出されています。
 「カルト資本主義」は、バブルがはじけた後の「失われた10年」に出てきた終末思想、オカルティズムの蔓延についてのノンフィクションです。それらに関わる企業、組織として、ソニーや京セラなどとともに、父のことも取り上げられました。まだインターネットがあまり普及していない時期ではありましたが、その時代にネットを見る人の熱量はかなりのもので、続々と父の研究に対する考察ページが作られたようです。
 父は90年代には数々のベストセラーを出していて、1冊本を出すと数10万部程度の発行部数はコンスタントに出していましたが、この「カルト資本主義」が世に出て以来、徐々に減っていって本の売り上げは10分の1くらいになりました。父は、「それならどうする」と、以降、本当に関心のある人にピンポイントで刺さるような仕組み作り、発信の仕方を考えて、またその世界の先駆者となっていくわけですが、その頃、私も側でメディアとの付き合いというものを初めて意識したりと、大きな勉強になったターニングポイントでした。
 今回、2回目の文庫本化で、その後の舩井グループについて追補などもあったりして、斎藤氏の関心の熱量と取材魂を感じました。普通は私の立場でこの書籍を紹介するのも不思議なものですが、懐かしく読めましたし、皆様にも「90年代終わりの日本を振り返る」本としてお勧めします。
                                            =以上=

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公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 -->
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