日日日是好日 〜熱海だより〜 -熱海秘書 相澤智子-

このページは、2009年11月から(株)船井本社 熱海本社で船井幸雄の秘書として勤務することになった相澤智子(あいざわ さとこ)によるコラムページです。
日々、船井幸雄やまわりの人たちと接する中で気づいたこと、学んだことなどを皆さまにお伝えしていきます。
2011年3月1日
ブータン王国に学ぼう!

 皆さま、こんにちは。
  
 さて、前回のこちらのコーナーで、「本当の豊かさとはなんだろう?」というコラムを書かせていただきました。

 日本は2010年のGDPが中国に抜かれ第3位になりましたが、これから日本人はGDPの数字を追い求めた政策や国づくりではない、新しい生き方を目指すいい機会なのではないかと感じました。

 船井は以前から「資本主義は近々つぶれる」と言っていますが、多くの人が欲を追い求める資本主義のシステムは長続きしないようです。
 たとえば、地球にある資源や環境や水などは有限です。世界中の人々が現在の日本人並みの生活水準を維持しようとすれば、20億人くらいしか地球上に生きることはできないそうです。
 ずっとは続かないのに、人々は「今だけ」「自分だけ」「お金だけ」の生き方をしています。

 本当の幸せや豊かさとはなんだろう‥‥と考えていて、思い出したのはブータン王国についてです。

 ブータン王国では、今から30年ほど前から、ブータン国王が提唱した「国民総幸福量」(GNH)の増加を目指した国の政策が行われています。
 「国民総幸福量」とは、国民総生産(GNP)で示されるような、金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり「幸福」を目指すべきだとする考えから生まれたものです。

 調査によると、ブータン国民の96%は「自分はとても幸せだ」あるいは「幸せだ」と答えるそうです。そして「幸せでない」と答えた人は4%しかいなかったそうです。
  
 日本で調査したらどうなるでしょうか‥‥?
 
 国立研究所所長である、カルマ・ウラ氏はGNHについて次のように述べています。

 「経済成長率が高い国や医療が高度な国、消費や所得が多い国の人々は本当に幸せだろうか。先進国でうつ病に悩む人が多いのはなぜか。地球環境を破壊しながら成長を遂げて、豊かな社会は訪れるのか。他者とのつながり、自由な時間、自然とのふれあいは人間が安心して暮らす中で欠かせない要素だ。金融危機の中、関心が一段と高まり、GNHの考えに基づく政策が欧米では浸透しつつある。GDPの巨大な幻想に気づく時が来ているのではないか。」

 日本では10年連続で自殺者が三万人を超えています。
 ブータンは、決してお金持ちではない国です。人口約70万人のうち19%近くが国連が示す貧困レベルを下回っています。しかし国民の大半は自分は幸せだと感じています。
 物質的に豊かであることが、必ずしも「幸せ」であるということではないということがよく分ります。人が感じる「心からの幸せ」というものは、なにか他の部分にあるようです。

 日本人は現在、世界に比べれば豊かな生活をしています。
 しかし、「景気が悪い」など世の中がどんどん悪くなっているような雰囲気になっています。どうしてみんなこんなに不安な気持ちなのでしょうか。

 
 ブータンの国王はある演説で、「わたし(国王)は、世界の支配者のようになりたいのではなく、国民の兄弟のように、また、親のように、また息子のようになりたいのである」と話していました。
 もしも国のトップの人がこのような考えで政策を行ったり、人々が家族のような考えで生きることができたら、貧しくても、就職がないと不安な状況でも、一人暮らしや身寄りのなくても、まわりの人と助け合ったり、協力し合い支えあったり、分かち合いながら生きることができ、幸福を感じながら生きることができるのではないかと思います。
 日本では現在「無縁社会」という言葉が話題になっていますが、人間の幸せには「人とのつながり」がとても大事なのだと思います。

 「国民総幸福量」という考えは、いま世界中から注目が集まっています。
 イギリスの首相やフランスの大統領からも「GDPだけでない幸福量にも関心を払うべきだ」という言葉が出ています。
 いま資本主義がうまくいかなくなってきていることも、「必要・必然・ベスト」で私たちがよりよくなるためにおこっていることなのかもしれません。


 また、日本とブータンの関係のお話しでとても素敵だなと感じたお話しがありましたのでご紹介いたします。

 1964年当時、ブータンの農業の収穫は非常に少ないものでした。その状況を改善すべく、海外技術協力事業団(現・国際協力機構)は農業技術者として西岡京治さんを派遣しました。そして翌年の1965年にはたくさんの収穫を得ることができたそうです。その後も西岡さんは、ブータン農業の改善に尽くし、1980年に、国王から「ダショー(最高の人)」の称号を授与されました。1992年にお亡くなりになるまで西岡さんはブータンでずっと仕事を続けられたそうです。

 また、1986年の外交関係樹立以来、日本とブータンの関係は、皇室・王室間の交流、経済協力等を通じても友好関係にあります。
 1989年に、34歳のジグミ・シンゲ・ワンチュク国王が、昭和天皇の大喪の礼参列のため、民族衣装の礼服姿で数人の供を連れて来日しました。
 その時、昭和天皇の大喪の礼で世界中の元首たちが弔問外交を盛んに行っていましたが、ブータン国王は大喪の礼が終わると、すぐに帰国したそうです。
 記者が、 「なぜ、すぐに帰ったのですか?」と尋ねると、
「私は日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、日本に金を無心しに来たのではありません」
 と答えたそうです。その後、ブータン国民は昭和天皇のために一ヶ月間喪に服したそうです。

 ブータンは大の親日国として知られ、その為、国際機関での選挙・決議等において常に日本を支持する重要な支援国です。
 日本には、すばらしい技術や知識があります。自国のためだけでなく、他の国の人たちのために自分たちができることを行動すれば、ブータン国王のように日本は感謝され日本を好きになり協力してくれる国も出てくるのではないかと思います。

 力で押さえつけたり、無理やり動かそうとするのではなく、日本人に合った「包みこみ」のやり方でこれから進んでいければよいなと思います。

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Profile:相澤智子(あいざわ さとこ)

船井家の愛犬ゴンちゃんと一緒に。

1981年仙台市生まれ。6年間美容室に勤務後、一転して、2008年に船井幸雄グループに入社。学生時代から、船井幸雄の著書を愛読し、2007年の「船井幸雄オープンワールド」に参加。その後、すぐに「にんげんクラブ」に入会。2009年11月より、(株)船井本社の熱海本社にて、船井幸雄の秘書業務に携わる。現在、大好きな船井幸雄のそばで、いろいろな刺激を受けながら楽しく働いている。好きなものは、音楽鑑賞、ジブリ映画、犬。



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