トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私たちは、現代社会の中で、「時間を管理すること」には慣れています。しかし、本来の人間は時計ではなく、太陽の昇り沈みや四季の移ろいに合わせて生きてきました。
東洋思想における「五行」は、その自然界の営みを理解し、人が天地と調和して生きるための智慧です。ちなみに五行とは、木・火・土・金・水という五つのエネルギーの働きであり、それぞれが独立して存在するのではなく、木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を育てる……。この「相生(そうせい)」という循環によって、宇宙も自然も、そして私たちの生命も成り立っています。
つまり、五行で生きるとは、「自分の都合で生きる」のではなく、「自然のリズムに自分を合わせていく生き方」といえるでしょう。
ライフカラーカウンセリング認定協会では、「五行で生きる」術を学び、同時に不足している要素をどのように補うかのカウンセリング技法をお伝えしています。ご興味がある方は、ぜひお問合せください。(https://www.lcchonmono.net/)
今回は、東洋医学の養生法も含めて、季節ごとのアプローチをお伝えしたいと思います。皆さんのお役に立てればと願います。
【春 ― 木の気に学ぶ】
春は、長い冬の眠りから万物が目を覚まし、草木が一斉に芽吹く季節です。大地の中で静かに蓄えられていた力が、空へ向かって勢いよく伸びていく姿は、五行でいう「木」の働きそのものです。
東洋医学では、この木の気は「肝」と「胆」に深く関係すると考えられています。ここでいう肝とは、単なる肝臓という臓器ではなく、全身に気や血を巡らせ、感情や自律神経のバランスを整える働きまで含んだ広い概念です。
春になると、何となく落ち着かなくなったり、些細なことで腹が立ったり、目の疲れや肩こりを感じやすくなる人がいます。これは冬に内へと蓄えられていたエネルギーが、うまく外へ発散できないために起こる自然な反応でもあります。
そんな春には、梅や柑橘類のようなほどよい酸味を持つ食べ物が肝の働きを助けるとされています。また、菜の花やふき、たけのこ、せりなど、春に芽吹く山菜や野菜には、冬の間に体内へ溜め込んだ余分なものを外へ押し出す力が宿ると古くから考えられてきました。反対に、脂っこいものやアルコールの摂り過ぎは肝に負担をかけ、気の巡りを滞らせます。また、夜更かしや過度なストレスも、この時期には避けたいものです。
春は、新しいことを始める季節です。散歩に出かけたり、庭の草花に目を向けたり、新しい本を手に取ったりするだけでも、木の気は穏やかに伸びていきます。
【夏 ― 火の気に心を開く】
夏になると、太陽は高く昇り、自然界の生命力は最高潮を迎えます。花は大きく咲き、虫たちは声高らかに鳴き、人もまた外へ向かって活動したくなる季節です。
五行では、この旺盛な生命力を「火」が司り、人体では「心」と「小腸」がこれに対応するとされています。
東洋医学における心は、血液を巡らせるだけでなく、人の精神や喜びの感情を支える中心でもあります。そのため、夏には人と語らい、笑い、感動を分かち合うこと自体が養生になるのです。
一方で、火の勢いが強くなり過ぎると、興奮して眠れなくなったり、動悸がしたり、気持ちが落ち着かなくなることがあります。
こうした時には、ゴーヤやみょうが、レタス、トマト、きゅうりなど、身体の熱を穏やかに冷ましてくれる旬の野菜が力を貸してくれます。東洋医学では、適度な苦味が心の熱を鎮めると考えられており、夏野菜や緑茶なども理にかなった食べ物なのです。
ただし、暑いからといって冷たい飲み物や氷菓子を摂り過ぎると、胃腸が冷え、秋以降の体調不良につながることがあります。夏こそ、冷やし過ぎない工夫が必要なのかもしれません。
【土用 ― 土の気で自分を整える】
五行には、春夏秋冬とは別に、それぞれの季節の移り変わりに訪れる「土」の時間があります。それが土用です。
土は「脾」と「胃」を司り、食べたものを生命力へと変える働きを持っています。季節の変わり目に体調を崩しやすい人が多いのは、この土の気が揺らぎやすいからだともいわれます。
この時期は、新しいことを始めたり、大きな決断を急ぐよりも、一度立ち止まって自分を見つめ直すことが大切です。
食事もまた、胃腸に負担をかけないことが第一になります。穀物やかぼちゃ、山芋、人参、大豆などが持つ自然な甘みは、脾胃を優しく養ってくれます。反対に、甘いお菓子や暴飲暴食、生ものの食べ過ぎは、かえって胃腸を弱らせてしまいます。
土用には掃除や片付けをするとよいともいわれます。不要なものを整理し、生活を整えることは、心の中を整えることにもつながるからです。
【秋 ― 金の気とともに手放す】
秋は実りの季節であると同時に、木々が葉を落とし、静かに冬支度を始める季節でもあります。
五行では「金」に属し、人体では「肺」と「大腸」がこれに対応しています。
肺は呼吸だけでなく、皮膚や免疫力とも深く関わり、また感情では「悲しみ」を司るとされています。
秋になると、空気の乾燥とともに咳が出やすくなったり、肌が荒れたり、便秘気味になったりすることがあります。また、理由もなく少し寂しい気持ちになることもあるでしょう。
そんな時には、梨やれんこん、白きくらげなど、身体を潤してくれる食べ物が力を貸してくれます。また、生姜やねぎ、大根のような穏やかな辛味は、気の巡りを整え、肺の働きを助けるとされています。しかし、刺激の強い香辛料の摂り過ぎや喫煙、乾燥した環境は肺に大きな負担を与えます。
秋は「失う季節」ではありません。不要な執着を手放し、新しい春に向けて心に余白を作る季節なのです。
【冬 ― 水の気に命を養う
冬になると、多くの植物は葉を落とし、動物たちも活動を控えます。一見すると生命が止まっているように見えますが、その内側では春へ向けて静かに力を蓄えています。
五行では、この深い生命力を「水」と呼び、「腎」と「膀胱」がそれを支えていると考えます。
東洋医学における腎は、成長や老化、骨や耳、髪、そして生命エネルギーそのものを司る、とても大切な存在です。
冬に夜間頻尿が増えたり、足腰が弱くなったり、冷えを感じたりするのは、この腎の力が影響しているとも考えられています。
この季節には、味噌や黒豆、黒ごま、昆布、わかめ、牡蠣など、黒い色や海の恵みを持つ食材が腎を養うとされます。また、根菜類や温かい汁物で身体を内側から温めることも大切です。一方で、身体を冷やす食べ物や夜更かし、無理な働き方は、せっかく蓄えるべき生命力を消耗させてしまいます。
冬は努力する季節ではなく、休み、整え、静かに内面を深める季節なのです。
五行で生きるとは、「巡る」こと……といえそうです。
私たちは、いつも元気でいようとします。いつも前向きでいようとします。しかし自然界を見れば、花は咲き続けることはなく、葉はやがて落ち、雪の下で静かに春を待ちます。
人生もまた同じです。
挑戦する時があり、人と喜びを分かち合う時があり、立ち止まって自分を整える時があり、不要なものを手放す時があり、静かに力を蓄える時がある……。
その時々の季節にふさわしい食べ物をいただき、身体をいたわり、心の動きを受け入れて生きていく。
それは、自分を自然の一部として生きることに他なりません。
五行とは、単なる東洋医学の理論ではなく、「天地の巡りを、自らの人生の巡りとして受け入れて生きる智慧」なのだと思います。
その循環に身を委ねるとき、人は競争から少し離れ、自然と調和し、他者とも調和し、そして何より、あらためて自分自身と一体化できるのではないでしょうか。
感謝
2026.06.01:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】輸出で外貨を稼ぐ (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役会長公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |











株式会社船井本社 代表取締役社長



















